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ASUS純正ミドルタワーケース「TUF Gaming GT501」は弄りやすく見た目も良し! 

2019年03月01日 19時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●ジサトラショータ

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 ASUSは3月1日、「TUF Gaming」シリーズ初のPCケース「TUF Gaming GT501」を販売開始した。堅牢性をウリにする「TUF Gaming」シリーズだが、もともとはマザーボードで展開されていたシリーズであり、他メーカーと連携してデザインなどを統一した「TUF Gaming Alliance」認定CPUクーラーや電源ユニット、メモリーも市場で販売されていることから、組み合わせればデザイン的に統一感のあるPCを簡単に作れるのがメリットだ。また、随所で作業のしやすさがあり、ゲーム用にPCを自作してみたいと考えているニュービィ向けでもある。

 製品サンプルを使用し、パーツを組み込んでみたレポートをお送りしよう。

ASUS「TUF Gaming GT501」。市場想定価格は2万2000円前後

 「TUF Gaming GT501」はE-ATXフォームファクターまで対応のミドルタワーケースで、本体サイズはおよそ251mm×545mm×552mm。卓上に設置する場合にはそれなりのスペースが前提となるが、吸気は正面と底面、排気は天板と背面となっているため、左右のスペースを確保しなくてもいい。

パッケージ

 外観を見ていこう。TUF Gamingシリーズ共通のロゴとモザイク調の処理がポイントとなるが、黒基調で極端な自己主張はない。正面にはUSB 3.1 Gen 1×2、ヘッドフォン端子、マイク端子と電源ボタンがあるのみとシンプルだ。左側面はややスモークの入った約4mm厚の強化ガラスとなっている。内部がすぐに分かる点とライトアップのアピール目的で、最近ではすっかり定番となっているため、特筆すべき点はない。

正面

左側面。強化ガラスの反射は控えめ

背面。拡張用レーンは7+2本。縦のレーンはライザーケーブルを使用してGPUのファン側を見せたい場合などにも使えそうだ

左側面の強化ガラスは手回しで外せるつくり。上部にあるのでアクセスしやすく、パネル下部は脱落防止処理がされている点もいい

フロントのインターフェイスは斜め上を向いている

 さて。写真を見て天板部が気になった人もいるハズだが、天面にはハンドルが用意されている。ベルト式になっており、ある程度の長さの調整が可能だ。持ち運ぶためのものだが、フロント側のベルトだけを持って手前に引っぱり出すのも簡単で、場合によってはゲーム用コントローラーやマウスのケーブルマネジメントに使用できる。

編集部のラッキー橋本に持ち上げてもらった。こんな感じに持ち上げやすい

 ケース内は2チャンバー方式を採用しており、マザーボードやGPU向けのエアー、電源向けのエアーを独立させた分かりやすいエアフローを採用している。また付属のファンはフロント側に吸気用として120mmファン×3、バック側に排気用140mmファン×1を搭載。標準的な構成であれば、とくにファンを追加する必要はないだろう。また天板部はメッシュになっており、自然排気を期待できるほか、簡易間接水冷ユニットの取り付けも想定されている。フロント側のファンを外すと、こちら側にも簡易水冷ユニットの取り付けが可能だ。CPUだけでなくGPUも水冷にしたいといった場合に小便利で、フロントと天板部はいずれも280mmと360mmラジエーターを装着できる。なおフロントのファンはいずれもAura Sync対応だ。

最近はすっかりメジャーになった5インチベイがない構成のため、内部はとてもスッキリしている

フロント側に回転数1200rpmの120mmファン×3。

排気ファンは140mmサイズ

電源隠しのチャンバーモジュールは取り外し可能

チャンバーモジュールを取り外した状態

開封時点だとチャンバーモジュールを取り外した状態で、ネジなどが入ったボックスにアクセスできる

電源をセットしたみた状態。写真をみてもわかるように裏側配線がしやすいように大きなくり抜きがある

右側面のパネルを外した状態。バックプレート取り付け作業向けのくり抜きもあるので、マザーボードを取り付けたあとから「このCPUクーラー、バックプレートじゃねーか!」となっても実際安心

スペースに余裕をもったつくりなので、裏側配線もやりやすい。雑に配線してもOKなほど

 細かい部分を見ていこう。主にストレージをマウントする2.5インチ/3.5インチシャドウベイは4つ、2.5インチシャドウベイは3つと、ストレージの設置場所にはかなりの余裕がある。M.2スロットの存在を考えると十分すぎるシャドウベイ数であり、また、くみ上げたあとにストレージを追加しやすい位置にある。また2.5インチシャドウベイ×3は右側面から見た場合、SSDを正面に捉える形になる。いくつか販売されている、LED内蔵のSSDなどがあれば目を引くだろう(というか、SSDのダミーモジュールやSSDに装着する発光モジュールがほしくなるので、ASUSさん、おねがいします)。

2.5インチシャドウベイ×3は取り外し可能なので、作業は楽。ただしSSDによっては写真のような感じで、ロゴの位置がおかしくなってしまう

2.5インチ/3.5インチシャドウベイその1。これも取り外しに対応。HDDをセットするならここがいいだろう

2.5インチ/3.5インチシャドウベイその2。熱を考えると、SSD向けである

 総じてケース内スペースが広大であるため、見ただけでも作業のしやさすがわかると思うが、最大のポイントはTUF Gamingシリーズに属するマザーボードのレイアウトに最適化されていることだ。自作PCにおいては、見た目重点でケースを選んだ結果、マザーボード側のレイアウトと相性が悪く、微妙にケーブルが届かないだとか、裏側配線をしようとしたらケーブルを通す穴がマザーボードで隠れてしまうなどのインシデントが発生しがちだが、本ケースとTUF Gamingシリーズマザーボードであれば、その点の心配がない。またTUF Gaming認定の電源ユニット「MasterWatt TUF Gaming Edition」のケーブル長も考慮されている。このあたりでよくあるイベントを回避できるため、初心者向けでもあるのだ。

全体的に余裕のある作業環境が魅力

裏側配線途中の様子。電源のケーブル長にほどよい余裕があるほか、付属の結束バンドの流用もできるため、難易度は低め

組み終わった状態。ケースは前後で脚の高さが異なる

 フロント側の120mmファン×3とマザーボード、CPUクーラーはAura Sync対応である。最小構成状態での光り方もチェックしておこう。なおCPUクーラーは人によっては異なるものを選ぶであろうし、簡易水冷ユニットを選ぶかもしれないので消灯した状態だ。

輝度は低めで馴染ませやすい系

天板部から見た状態

真正面からはほとんどわからないが、少し角度を変更すると発光がわかる

ケース内部。マザーボード側面のLED光が2.5インチシャドウベイの凹凸で反射するため、初期状態でも結構光っている感が出る

これまでの写真でもわかるようにケース内の空間は大きく確保されているので、完成したらスマホでケース内を撮影してみるといいだろう

 「TUF Gaming GT501」は単体では作業性が高く、かつ改造、LEDの増設もやりやすいケースだ。さらにTUF Gamingシリーズのマザーボードや電源、CPUクーラーとのクリアランスが考えられているため、初めての自作PCの場合、めんどくさいイベントとのエンカウント率の低下を期待できる。パーツがよくわからない場合はTUF Gamingシリーズを揃えればOKという導線も評価すべきポイントといえるだろう。

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