スマートフォンが形態進化の時代に戻るのか?
今のスマートフォンに対して、そうした見方をしていたため、サムスンやファーウェイの折りたたみスマホをみて、スマートフォンが再び、ケータイのような形態進化の時代に入るのかもしれない、とワクワクしたのです。
もちろん新しいモノですから問題もあります。
ファーウェイの山折りの場合、ディスプレイを壊すリスクはより高まります。ケースを装着するとしても、ソトワクにバンパーを着けるような方法になってしまい、せっかくのスマートなデバイスが台無しになってしまいます。
サムスンの場合、サブディスプレイを搭載しなければならず、これが1999ドルという価格の高さやデザイン上の問題点になっています。なにせスマホの部品の中で一番高いのが有機ELディスプレイですから、これが増えれば価格は上がらざるを得ません。外側もフレームレスにすると、多分もっとコストを払わなければならないのでしょう。そしていずれのデバイスの場合も、スタイルと使い方が限定される部分があります。
しかし、こういうものも一度世に出してみんなに考えてもらう方が早いのかもしれません。価格や使い方などをさまざまな人が試して、だんだん良い形に収斂していくことになるはずです。
多分Appleもやるだろうけど、
最後に正解とともにやってくる?
サムスンやファーウェイが意欲的に取り組む新しい形態に対して、アップルもするとしても一番最後に「正解」を出してくるのではないかと予測しています。ぜひ裏切ってほしいと常々思っているものの、それがいつものパターンだからです。
前述のように、一度世に出してみんなで試して最適な形に収斂させていくというプロセスを社内で済ませて世に出すのがAppleです。そして、いくつかの特許文書を出していることからも、折りたたみ型端末の検討をしていることは間違いありません。
個人的にはiPhoneよりも、未来のiPadにそういうデバイスが出てくるのかなーというイメージを持っていました。AppleはApple Booksや間もなく登場するとみられる雑誌の読み放題サービスも持っており、ニュースアプリにも力を入れ始めました。
また、せっかく有機ELディスプレイを搭載したことで、黒ベースのインターフェイスデザインが電力面で有利になるにもかかわらず、人の「読む」体験を大切にするため、有機ELモデルのiPhoneも液晶同様の白を基調としたデザインにしています。
折りたたみ型は人々が何かを「読む」体験を象徴するのであれば、Appleはまずそこから、折りたたみ端末を投入していくのではないかと思いました。ブックカバー型のアクセサリもイメージが湧きやすいですし。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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