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T教授の「戦略的衝動買い」 第521回

ツバメノート×セーラー万年筆の「コラボ万年筆」を衝動買い

2019年02月27日 12時00分更新

文● T教授、撮影●T教授、編集●南田/ASCII編集部

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価格帯の異なる製品も交えた書き比べで
パイロットの「Vペン」の実力を実感

 比較ついでに、我が家の引き出しにあった国内各社の“廉価版なんちゃって万年筆”の数種類とも書き比べをしてみた。悪ノリで廉価版とは言えないが、パイロット社のキャップレス万年筆とルイヴィトンの「ドック・キュイール」(オマス製)の両者も加えて、同じ比較をやってみた。

他社製の300~1000円前後の「なんちゃって万年筆」も参加して書き比べてみた

他社製の300~1000円前後の「なんちゃって万年筆」も参加して書き比べてみた

セーラー万年筆の2本(中央)に加えて、無謀にもパイロットのキャップレスやルイ・ヴィトンの「ドック・キュイール」などグレード違いのペンも加えて比較してみた

セーラー万年筆の2本(中央)に加えて、無謀にもパイロットのキャップレスやルイ・ヴィトンの「ドック・キュイール」などグレード違いのペンも加えて比較してみた

 数倍から10倍以上も値段が違うパイロットのキャップレスやルイ・ヴィトンのドック・キュイールとの比較行為は愚の骨頂だが、実際の書き味やそれを支えるインクフロー、ペン先のフレキシブルさ、テンションなどは、市場で300円少々で入手可能なパイロットの「Vペン」のほうが、明らかに「ツバメノート×SAILOR」のコラボ万年筆を上回っている印象だ。

筆記に関する個人的感覚では、300円少々で手に入るパイロットの「Vペン」が抜きん出ていた

筆記に関する個人的感覚では、300円少々で手に入るパイロットの「Vペン」が抜きん出ていた

ほぼ半日間試し書きをやり、実売313円前後のパイロット「Vペン」の価値を再認識することになってしまった

 さんざん筆記比較をやって疲れ果てたころ、ネットでの評価などを見てみようと検索していたら、なんと今回筆者が衝動買いした「ツバメノート×SAILOR」のコラボ万年筆は、昨年末に開催された「文具女子博2018」で初お披露目。先行発売され、本年2月中旬より一般発売されたものらしいことを知って驚いた。

 「ツバメノート×SAILOR」のコラボ万年筆は、文具女子博に参加される若い女性向きの低価格帯の“ガーリープロダクト”だったようだ。どうも売るべき対象セグメントではない、ミーハーなおじさんが間違って衝動買いしたイメージが強い。残念感、ガッカリ感が半端ないのは当然のことのようだ。

 もし近い将来、再び「ツバメノート×SAILOR」のコラボ万年筆を企画することがあれば、次回はガーリーセットとは別に、黒澤明とアニエスベーのイメージの伝統的かつ実用的、合理的なツバメノートと、クロスコンコルドを生み出した伝統のセーラー万年筆の技術力とブランド力を生かした真のコラボ万年筆に期待したい。

 オトナの事情が満載されたイメージの「ツバメノート×SAILOR」のコラボ ガーリー万年筆だが、セーラー万年筆の創業者である阪田久五郎氏は、どう感じているのだろうか、無理を承知でそこは何としても聞いてみたいものだ。

次回、再び「ツバメノート×SAILOR」のコラボ万年筆をやることになれば、予算価格帯を10倍アップして、両者のブランド力と技術力、名前に負けないノン・ガーリー・プロダクトの登場を期待したい

T教授

今回の衝動買い

アイテム:「ツバメノート×SAILOR」のコラボ万年筆」
・購入:アトレ上野内「アンジェ ビューロー
・価格:7452円(6900円+税)


T教授

 日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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