なぜか縁がなかった「ペリカン」の万年筆を衝動買い
昨今は、若い女性の間でもレトロな筆記具である万年筆が人気だ。不釣り合いな超高級筆記具や、お節介な蘊蓄は彼女達に好感を持たれないことが多いが、さりげなくセンスのいい筆記具を自然に使いこなせれば、会話のチャンスも生まれるだろう。
筆記具は数ある製品の中から、使い勝手やデザイン、価格で選び、身に付けるという道具だ。その人が持っている筆記具を見れば、持つ人のセンスやビジネスに対する姿勢が読み取れる。
昨今、われわれ日本人がよく知る海外の高級万年筆メーカーと言えば、「モンブラン」と「ペリカン」が代表格だろう。
いずれも長い歴史のある欧州の筆記具メーカーだ。しかし、長年、筆記具をコレクションしている筆者は、なぜかモンブランの筆記具は一本も持っていない。一方のペリカンも、同社の看板製品は今まで一度も購入したことがない。
自宅の引き出しやペンケースの中を探してみたら、出てきたペリカン製の万年筆は、安価なステンレス製のペン先の付いた学童用のものだった。いずれも価格性能比に優れており、バランスや書き味は決して悪くはない。
思い起こせば、過去には、PCやPDA、ケータイをとっさのメモ代わりに活用しようと真面目に考えた浅はかな時代もあった。しかし、今は、大事なコトや突然思いついたアイデアは常にポケットにA7サイズのメモを忍ばせて、ペンで書くことが安全確実だと理解している。
絵や文字を紙に書くというのは、ウルトラテクノロジーの集積体である人間が何千年もの間付き合ってきた手法。入力手段や書式に縛られず、フリーハンドで考えを残しておけるという手書きメモは、ある意味、究極のデジタル化なのだ。
そんなある日、有楽町ビックカメラの筆記具売り場で、A7サイズの手帳にピッタリの万年筆を見つけてしまった。「スーベレーン300」という小さな黒い万年筆は、身の丈110mm、重量はたったの11g(何れも実測)。最大の軸径は11.5mmで、現在筆者が企画中のA7サイズメモの専用ケースにもぴったり収まる。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである。

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