仕事に差がつく!阿久津良和「Office 365のスゴ技」 第60回
個人向けOneDriveは約53GB、ではBusinessはどうか
OneDrive for Businessにアップロードできる最大ファイルサイズを検証する
2019年02月21日 14時00分更新
本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。
Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回はOneDrive for Businessのちょっとした疑問に注目する。
アップロードできるファイルサイズは15GB?
OneDrive for Businessは、Office 365の1ライセンスあたり1TBのオンラインストレージを割り当てられる。ただし、ストレージサイズ要件が適用されるのは、「プラン1」を含むOffice 365 Enterprise E3/E5以外。E3&E5には容量無制限の「プラン2」が適用されるため、1TBなどという制限はない。そろそろ1TBが狭く感じてきた筆者は、1090円/月の追加料金を支払うか、柔軟に容量を追加できる他社製オンラインストレージサービスに乗り換えるか考えあぐねるところだ。
それはさておき、OneDrive for Businessで扱えるファイルの最大サイズをご存じだろうか。個人向けOneDriveはWindows Live Foldersという前身があり、ファイルの最大サイズを時代に応じて拡大してきた。一方、OneDrive for Businessの製品説明ページを見ると、「ファイルの最大サイズは15GB」という記述がある。だが、この数字は正確ではない。
OneDrive for Businessクライアントの動作を制御するファイル「%LOCALAPPDATA%\Microsoft\OneDrive\settings\Business1\ClientPolicy.ini」を見ると、「MaxFileSizeBytes = 16106127360」が確認できるのだ。この数値をGBに換算すれば、約16GBとなる。
そこで、「fsutil file createnew 16GB.bin 16106127361」と指定サイズより若干大きいファイルを作成し、Webブラウザー経由とクラインと経由のアップロードを試みた。結果は下図で示したとおり、どちらもエラーとなった。
それならばと、「MaxFileSizeBytes」で指定した数値「16106127360」を用いてファイルを作成。再びOneDrive for Businessクライアントが参照するフォルダーにファイルを置いてみると、問題なく同期が始まる。この検証から「MaxFileSizeBytes」のデータがアップロード可能な最大値であることが確認できた。そこでデータ数値「20000000000」に書き換えて、先の16GBファイルを作成したところ、予想どおり同期が始まった……ように見えた。
アップロードの途中でエラーが発生したのである。ただし、アップロードは継続しているため、完了まで見守ってみたが、6GB前後で転送が止まってしまった。また、書き換えたはずの「MaxFileSizeBytes」のデータが「16106127360」に戻っていた。一連の検証を総括すると、OneDrive for Businessで使用できるファイルサイズの最大値は執筆時点では15GB(16,106,127,360バイト)である。
ちなみに個人向けOneDriveクライアント用となる「%LOCALAPPDATA%\Microsoft\OneDrive\settings\Personal\ClientPolicy.ini」の「MaxFileSizeBytes」は「53687091200」。つまり約53GBだ。筆者が2017年秋に調査した際は現在のOneDrive for Businessクライアントと同じ「16106127360」だったので、ファイルサイズを拡張した可能性が高い。ただし、筆者は現在Office 365 Soloを未契約であり、本連載の趣旨から外れるため、興味をお持ちの方はご自身の環境で試してほしい。
この連載の記事
-
第100回
Team Leaders
Office 365の更新チャネル名が“また”変更へ -
第99回
Team Leaders
今さら聞けないMicrosoft Teamsの便利な機能 -
第98回
Team Leaders
進化するMicrosoft Teams――2020年4月に追加された新機能を紹介 -
第97回
Team Leaders
SlackからTeamsを呼び出すアドオン、Teamsのカスタム背景画像を試す -
第96回
Team Leaders
WSLでWord文書ファイルをテキスト化する -
第95回
Team Leaders
中堅中小企業向けOffice 365もMicrosoft 365へ -
第94回
Team Leaders
共有メールボックスでOutlookのメール容量を2倍に -
第93回
Team Leaders
見送られたMicrosoft SearchでのBingの強制利用 -
第92回
Team Leaders
外部との仕事がはかどるOneDrive for Businessの「ファイル要求」 -
第91回
Team Leaders
Office 365でシンプルなタイトルバーを復活させる -
第90回
Team Leaders
Excelの新自動化ソリューション「Office Scripts」プレビュー版が登場 - この連載の一覧へ