「嵐の訪れ」でよりディープなストラテジーゲームに!
被害も利益もある自然災害
最後に、新たに追加された拡張パック「嵐の訪れ」について紹介しておきたい。
「嵐の訪れ」では、自然災害が発生するようになった。火山では噴火、水辺では水害などが発生する可能性がある。自然災害は建造物などに被害を与えるが、産出量が大きくあがる可能性もあるため、一概に損というわけでもないのがポイント。火山や水害のほかに、干ばつ、ハリケーン、地熱孔子、数種類の嵐が発生する場合がある。自然災害はいつ訪れるかわからないため、そのハラハラドキドキさが面白い。
また、「嵐の訪れ」では、電力システムが初登場となる。電力システムは、うまく利用すればゲーム後半に登場する建造物の性能を高められる。ただし、作成するユニットによっては、一部の戦略資源(石炭、ウラン、石油)などを発電用の資源に依存する場合もあるほか、その場合は世界のCO2レベルに悪影響をおよぼし、地球の気温を大きく変動させる危険性もある。
温暖化が起こると、それにともない海水位の上昇や極地の氷の融解、資源の枯渇といったことが起こり、その分災害も発生しやすくなるため、バランスが重要となる。そういった災害を避けるため、ゲーム後半まで技術の研究をすすめると、水力、地熱、風力、太陽エネルギーなど、代替エネルギーを利用することもできりるようになる。
さらに、水害対策や交易のための工学プロジェクトも追加された。新たな区域として運河、ダム、新しい種類のルートとしてトンネル、鉄道、遺産としてゴールデン・ゲート・ブリッジ、パナマ運河が開発できるようになった。
自然災害への対策を考慮したり、新たな建造物や工学プロジェクトを駆使して都市を開発していかなくてはいけないため、プレイにより深みが出る。
嵐の訪れでは、あらたな勝利条件として「外交による勝利」が追加された。この勝利を決めるには、新たに追加された「世界会議」で外交的支持という新たなポイントを稼がなくてはいけない。外交的支持は、プレイヤーの外交的な善意や善行を数値化したもの。同盟を結んで都市国家に働きかけ、各世界大会に参加すると、外交的支持が得られる。外交的支持をつかって決議に投票し、特別会合を招集して、緊急事態に対処し、投じる重みを高めることで、外交への勝利を手にすることが可能だ。
外交的支持は、ほかの指導者から約束をもとめるために使用も可能。外交メニューから「約束を求める」ボタンを使うと、自国の国境付近に都市をつくる、自分の都市を改宗させるなど、特定の行為をつつしむようにほかの指導者に求められる。相手の指導者が約束を守ってくれている間は、外交的支持を消費する。相手が約束を破ると外交的支持が戻され、相手に対する不平が生じる。
巨大戦闘ロボット!?
新たな技術や社会制度、指導者、文明、遺産など新ずくし
「嵐の訪れ」では、技術ツリーと社会制度ツリーに新たな時代が追加された。21世紀の技術と社会制度ツリーは、ゲームごとにランダムな変化をするため、未来の予測は不可能となっている。21世紀の技術と社会制度には、海上都市や高性能AI、サイバネティクス、分散型政治参加、地球外ミッションなどがある。海上都市をつくって人々を移住させて二酸化炭素を回収したりと、アイデアを駆使して新たな環境の変化への対応が可能となる。
さらに、マチュ・ピチュやサンコーレ大学といった7つ世界遺産と、チョコレート・ヒルやゴブスタンなど7つの自然遺産がそれぞれ追加される。加えて、軍事ユニットとして、巨大戦闘ロボットが追加された。巨大戦闘ロボットは、生産力とウランを大量投入しないと作れないが、作ってアップデートしてしまえば、止められない軍事力となる。そのほか、原子力時代の特殊なユニットとして、観光力を大きくブーストするロックバンドも登場。これは、信仰力でしか購入できず、専用の特殊なレベルアップツリーが用意されている。
新たな指導者と文明としては、今回試したイギリス/フランスのアキテーヌ女公アリエノールなど9人の指導者が率いる8つの新たな文明が登場する。それぞれに固有のボーナスが備わっており、個性的なゲームプレーが楽しめるほか、9つの固有のユニットや4つの固有建造物、2つの固有区域、固有の総督1名もあわせて用意される。
シナリオでは、黒死病が蔓延するヨーロッパを舞台に、厳しい文明のかじ取りを迫られる「黒い死神」と、マルチプレイヤーシナリオとして大胆な計画でフランス侵攻をもくろむドイツと、撃退に死力をつくすフランス軍との戦いを描く「機械化戦争」が追加される。
そのほか、便利な機能として、「生産を選択」メニュー、都市に生産させられるものをあらかじめ決めておける「生産キュー」を実装。都市の生産の自動化を図れるようになった。キューを選択すれば、その都市で生産する項目を最大8つまで事前に設定しておける。
加えて、ワールドマップで自文明の国境が表示され、区域や都心の産出量や隣接ボーナスを確認できる帝国レンズも実装。都市のレイアウトを検討する際に利用できる。
「嵐の訪れ」で進化する「シヴィライゼーション VI」を堪能しよう
今回初めて「シヴィライゼーション VI」で遊んでみたが、ストラテジーゲームは難しいと思い込んでいただけに、ここまでのめり込むとは思わなかった。自分で考えて文明を発展させる楽しさ、ほかの文明をうまくやっていったり、ときには滅ぼしたりという駆け引き、どの項目に重きを置いて進めていくかの判断など、悩みどころが多い分、のめり込んでいく。ストラテジーゲームを1度もプレーしたことがないという人も、昔試したけど難しくてやめたという人も、「シヴィライゼーション VI」でストラテジーゲームを堪能してみてはいかがだろうか。
さらに「嵐の訪れ」により、自然災害や世界会議という新たな要素が加わったことで、より奥深くなったし、今まで遊んでいた人でもさらに楽しめるようになった。新たな要素が加わった「シヴィライゼーション VI」、まだ始めたばかりなのでとりあえず簡単な設定で圧勝するくらいまではプレーしていきたいと思っている。
© 2019 Take-Two Interactive Software and its subsidiaries. Sid Meier's Civilization, Civilization, Civ, 2K, Firaxis Games, Take-Two Interactive Software and their respective logos are all trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. All other marks and trademarks are the property of their respective owners. All rights reserved.
ASCII.jpの最新情報を購読しよう