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「知らないことが問題」と専門家:

不妊治療 会社に迷惑か

2019年01月18日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 アスキーニュース担当の盛田 諒です、こんにちは。育休コラム「男子育休に入る」も好評いただいています。育児同様アスキーらしからぬ話題ですが、最近、不妊治療について恥ずかしながら初めて知った話を紹介したいと思っています。

 昨年秋ごろ、腕時計「G-SHOCK」のメーカー・カシオに勤めている女性・町山さん(仮名)が、産休に入るということで挨拶をしてくれました。町山さんは33歳。働きながら不妊治療を4年間続け、子どもを授かったそうです。治療を始めたときから上司や同僚に話をして理解を得たそうです。いい職場です。

 治療時は通院のため遅刻や半休などが増えましたが、15分間単位で代休を取れる「時間代休制度」、1時間単位で有休をとれる「時間有休制度」などの休業制度が役に立ったそうです。逆に、不妊治療のために設けられた最長1年間の長期休業制度は使わなかったそうです。理由を聞いてなるほどと思いました。

 「1年で結果を出せる保証はないし、プレッシャー。キャリアもストップさせたくなかったし、治療にはお金がかかるから収入もほしくて」(町山さん)

 町山さんの治療費は合計200万円を超えました。特に、卵を体外に取り出し、受精させてから体内に戻す体外受精は費用が高く、合計で120万円のお金がかかったそうです。体外受精は1回で妊娠・出産できることも少なく、心折れそうになりながらも、5回目の手術で妊娠に至ったのだそうです。

 そのとき仕事があったことも励みになったといい、「仕事を続けながら治療ができたおかげで、人生楽しく過ごせました」と町山さんは言っていました。勤怠が不規則的でも評価に影響がなかったこともとても大事だったと言います。

 町山さんにお祝いを伝えて別れた後、働きながら治療をして妊娠したという話を周りで聞いたのが初めてだったので「めずらしいな」と思って調べてみたところ、実はまったくめずらしい話ではないことがわかりました。そして町山さんのように働きながら治療をできる人が少ないこともわかりました。

 不妊体験者を支援するNPO法人Fineの調べによれば、不妊治療をしている夫婦は現在5.5組に1組。不妊治療を受けて体外受精で生まれた子どもは2016年段階で約18人に1人、人工授精で生まれた子どもを加えればさらに多く。40人クラスのうち約4~5人は、不妊治療で生まれた子どもになるともいわれるそうです。

 同じくFineの調べによれば、仕事と不妊治療を両立した経験のある人の96%は「仕事との両立が困難」と回答。治療を理由として5人に1人が退職に追い込まれているそうです。いま働く人の不妊治療がどんな状況にあるのか、NPO法人Fine松本亜樹子理事長に詳しい話をうかがいました。

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