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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第22回

Macにもニューラルエンジン採用か:

アップルMac復権なるか 自社製チップが運命握る

2018年12月11日 16時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●では「T3チップ」は何をする?

 筆者は今年10月、スペシャルイベントの新製品に関するブリーフィングの場で、アップルがiPadとMacでアプリが共通化されるという話題をアピールしたため、こんな質問をしてみました。

 「iPadとMacでアプリが共通化されたら、特に機械学習処理をするアプリの場合、ニューラルエンジンを備えたiPadの方が処理性能の面で有利になるのではないか? ニューラルエンジンがないMacは、CoreMLの処理をどうするのか?」

 機械学習処理を生かしたアプリは、MacよりもiPad Proに搭載したA12X Bionicチップの方が高速に動作するのではないか、という疑問を投げかけてみた次第です。その場では回答が得られませんでしたが、後日、Mac側ではCoreMLがプロセッサーとグラフィックスチップを自動的に用いた処理をするとの回答を得ました。

 なぜこの質問をしたかというと、Macに搭載されるアップルデザインのチップの役割が今後拡大し、Macの優位性や差別化要因を作り出す非常に少ない要素になるのではないか、と考えたからです。

 結果、MacアプリではCoreMLを通じて処理をプロセッサーとグラフィックスに渡す仕組みとわかりました。つまりCoreMLのMac上での振る舞いが変われば、他のチップに処理をまかせられるようになるのではないか、ということです。

 個人的には、次世代のMacで確実にニューラルエンジンを備えたTシリーズのチップが搭載されると見ています。すると、今までインテル系のチップで処理してきた機械学習処理をTシリーズのニューラルエンジンが担うようになり、iPhoneやiPadと同じように、Macでも秒間5兆回というすさまじい機械学習処理性能がもたらされ、コンピュータ全体の負荷を高めずに済むようになる可能性も出てきます。

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