スタートアップが生き残るに必要不可欠な知財戦略とは
「IPナレッジベース」コミュニティーイベントin東京レポート
第2部のパネルディスカッションでは、サロン予約アプリ「リクポ」を運営する株式会社リクポ代表取締役社長の木崎智之氏、IT系のスタートアップを中心に活動するIPTech特許業務法人 代表弁理士・公認会計士の安高史朗氏が、リクポでの特許取得の事例を交えつつ、特許や商標をとるメリットや注意点について語った。
起業の際に、知財で気を付けていたこと。気を付けるべきだったこと
木崎氏(以下、敬称略):「起業家はプロダクトが完成したらすぐにローンチしてユーザーの声を反映してどんどんプロダクト改善を行いたい。しかし、特許を取得するまでは公にすることはできないため、出願するタイミングが重要になります。リクポでは、プロトタイプを作った段階で安高さんに相談しました」
安高氏(以下、敬称略):「スタートアップは、スピード感が大事なので、完成したらすぐにローンチしたくなる。しかし、リリースするタイミングがいちばん特許をとりやすい。出願から完了まで2ヵ月くらいかかるので、余裕をもってご相談してもらえるといい」
木崎:「相談、出願、権利化までの期間を逆算し、ローンチのタイミングをずらさずに済むように、開発と特許の2つのタイムスケジュールを組んで進めていました」
安高:「特許も重要だが、商標も必ず取っておいてほしい。ローンチ前に商標を取っておかないと、他社の商標登録とサービス名が重複した場合、あとから変更しなくてはならなくなるので要注意。そのような問題が生じた場合は、お金も時間もかかってしまいます」
木崎:「せっかくプレスリリースで認知してもらっても、サービス名が変わってしまうと、ユーザーにもう一度サービス名を覚えてもらう必要があるため、機会損失となってしまいます。自分自身で出願することもできますが、スタートアップは時間が貴重なリソース。専門家に頼むことで、時間を大幅に削減することができます」