冷却性能と静音性に定評あるクーラーと、熱をこもらせないケースファンのレイアウト
第9世代Coreのサイコム静音PC、コンパクトなのに静かでしかも快適性能
2018年11月30日 07時00分更新
ミドルクラスのCPU採用で発熱を抑え
静音仕様のクーラーで静かにしっかりと冷やす
Silent-Master Pro Z390-Miniが搭載するCPUは、第9世代Coreのミドルクラスとなる「Core i5-9600K」。ミドルクラスとはいえ6コア/6スレッドのかなり高速なCPUで、実際その実力をベンチマークソフトの「CINEBENCH R15」で測ってみると、スコアは1085cbとなる。
いきなり数字をいわれても困ると思うが、第7世代Coreのハイエンドモデルとなる「Core i7-7700K」のスコアが970cb前後といえば、その性能の高さがわかるだろう。2世代前とはいえ、ハイエンドCPUの実力を大きく上回るだけの性能があるわけだ。
もちろん同じ第9世代Coreなら、上位モデルのCore i7-9700Kの方が当然高速だが、そのぶん消費電力も発熱も大きくなってしまう。買い替えでも満足できる性能を維持しつつ、さらに発熱も少ないという点を考えれば、Core i5-9600Kはかなり満足のいくCPUといえるだろう。
このCPUを冷却するのに使われているのが、Noctuaの「NH-U12S」。背の高いサイドフロー型のCPUクーラーで、熱伝導率を上げるヒートパイプが多層のアルミフィンを貫き、効率よく冷却してくれるのが特徴だ。発売から5年以上経ったCPUクーラーだが、Noctuaの静かなファンと合わせた冷却能力には定評あり、いまでもトップクラスの性能を誇る。
Silent-Master Pro Z390-MiniはこのCPUクーラーを標準装備。高負荷時でもファンの音がほとんど気にならないため、マシンの静音化にかなり貢献している。CINEBENCH R15を動かした場合の騒音を聞き比べてみようと試してみたのだが、1メートルほど離れた位置からではその差がほとんど分からなかった。ケースを開け、耳を近づけていれば確かに騒音が増えたことが感じられるが、それでもまだ静かだ。
ただし、空冷のCPUクーラーはCPUの熱をケース内に逃がすため、長時間使用しているとケース内温度が上がってしまい、冷却性能が低下しやすくなる。するとCPUの温度が高いままとなるため、これを冷やすためにファンの回転数が上昇し、騒音が大きくなってしまう。この悪循環が繰り返されると、最初は静かだったのがいつの間にかかなりの騒音を出すパソコンになってしまう。
これを未然に防ぐには、ケース内に溜まりがちな熱をいかにケース外へと排出するかが重要だ。Silent-Master Pro Z390-Miniでは、CPUクーラーから排出された熱風がケースファンを通ってケース外へとスムーズに排出されるよう、直線上に並ぶよう工夫されている。熱がケース内へ拡散されるまえに排出できるため、ケース内温度が上がりにくいわけだ。また、前面には吸気用に大きな140㎜ファンを装備しているため、常に冷たい外気を取り入れられるのもメリット。冷たい外気でしっかりと冷やし、熱風は素早くケースファンで排出する、という理想的なエアフローが実現されている。
冷却性能と静音性に定評あるクーラーと、熱をこもらせないケースファンのレイアウトにより、高速なCPUを静かに、そして強力に冷却できるようになっているのが特徴だ。