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マキタのコーヒーメーカーレビュー 災害時利用で悩ましい

2018年11月10日 12時00分更新

文● 四本淑三

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バッテリー1個で5杯まで

 気になるのは電力消費。メーカー公表値によれば、バッテリーがBL1860Bで水が120ml(カフェポッドで淹れる前提)なら、5.3杯。

 BL1860B(18V6Ah)の電力は108Whだから、カフェポッド一杯あたり約20.4Whの電力を要するわけだ。スマホだったら2回は充電できるから、災害時ならこれで淹れたコーヒーはまさに「血の一滴」。戦時だったら憲兵が飛んできて銃殺になりそうなエネルギーである(妄想)。

 実際にBL1860Bで試してみたところ、確かに6回目はタンクの水が半分ほどになったところで事切れた。公表値に偽りなし。ただ、バッテリー切れは本体のLEDが点滅するからわかる。問題は、フル充電から何杯淹れたかなんて覚えていないことだ。間違えて5杯を超えてスイッチを入れてしまうと、後に残るのは悲しいしけたコーヒーの粉だけ。

 といったことを何度かやらかしたので、バッテリーの残量はインジケーターで確認することにした。マキタのバッテリーには4セグLEDの残量計が付いていて、全部点灯していれば残量100~75%、3つで75~50%、2つで50~25%、1つで25~0%で、いよいよダメになると最後の1つが明滅する。インジケーターが示す電力の残りと、淹れられるコーヒーの回数との関係を、手持ちのバッテリーで確認しておけばいい。

 使用2ヵ月目のBL1860Bで確認したところ、2杯抽出してもLEDはひとつも消えず。その後、3杯目で残り3つ、4杯目で2つ、5杯目で1つと、1杯ずつカウントダン。インジケーターが2つ点灯していれば淹れてもいいが、1つだったらやめておいたほうがいい。

 電力消費は沸かすお湯の量によって違うので、160mlが基準のレギュラーなら淹れられる回数も減る。ただ、いずれにしてもバッテリーがBL1860Bなら、淹れられるコーヒーの総量は636mlまでということになる。

お湯の温度も最適だった

 インジケーターの表示を確認するついでに、コーヒーに注がれるお湯の温度も測ってみた。適温については諸説あるものの、おおむねドリップ式の場合は90度前後が良いと言われている。それより高いと苦くなり、低いと酸味が強くなる。お湯の温度はコーヒーの味を決める大事な要素なのだ。

 カフェポッドのホルダにキッチン温度計を差し込むという、かなりいい加減な方法だったが(熱湯で火傷をする危険があるので真似しないこと)、コーヒーメーカーが冷えた状態からスイッチを入れた初回は、おおむね89~92度。スイッチが切れる直前には、水蒸気が吹き出して96度以上に跳ね上がるが、抽出液がポタポタと垂れている間は90度前後で安定していた。ちなみに室温は21度、沸かす前の水は17度ほど。

 水温自体は測り方がいい加減なので正確とは言えないが、抽出2回目以降は、お湯の温度は2度ほど上がる。温まったヒーターに水がかかって水蒸気が噴き出すのを防ぐため、5分程度間を置かないと次の抽出はできない仕組みになっているのだが、5分冷ましても冷間時よりは高くなる。厳密に言えば、これも味に影響するだろう。

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