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AMD Radeon RX Vega M GL グラフィックスはGeForce GTX 1050 Tiに迫る性能

Kaby Lake-G搭載2-in-1ノートPC、重めの作業もできる高い性能が魅力

2018年11月09日 07時00分更新

文● 山口優 編集●八尋/ASCII

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デルの「New XPS 15 2-in-1」

 ディスプレーが360度回転する機構を備え、クラムシェルノートとしてもタブレットとしても使いやすいデルの薄型2-in-1ノートパソコン「New XPS 15 2-in-1」(関連記事)。AMDのGPUを統合したインテルの第8世代Coreプロセッサ(開発コードネーム「Kaby Lake-G」)を搭載しているが、パフォーマンスはどのくらいあるのだろうか。そこで、今回は各種ベンチマークテストを実施して、New XPS 15 2-in-1の気になる性能をチェックしてみた。

 New XPS 15 2-in-1は、搭載するメモリーやストレージ容量、ディスプレーなどの構成の違いによって「プレミアム」「プラチナ・4Kタッチパネル」、「プラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSD」などのモデルにわかれている。

 しかし、いずれのモデルもCPUは共通で、AMD Radeon RX Vega M GL グラフィックスが統合されたCore i7-8705Gを搭載。今回試したのは最上位モデルのプラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSDだったが、おもなスペックは次の通りだ。

CPUは第8世代インテル Core i7-8705G プロセッサーが搭載されている

試用機の主なスペック
製品名 New XPS 15 2-in-1 プラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSD(アクティブペン付き)
CPU Core i7-8705G(3.1GHz/最大4.1GHz、4コア/8スレッド)
グラフィックス Radeon RX Vega M GL グラフィックス
メモリー 16GB(DDR4、2666MHz)
ストレージ 1TB SSD
光学ドライブ
ディスプレー 15.6型ワイド(3840×2160ドット)、タッチ対応
インターフェイス Thunderbolt 3(PCIe Gen3×4)×2、USB Type-C 3.1端子×2、MicroSDカードリーダー、ヘッドセットジャック、Nobleロックスロット
サイズ/重量 およそ幅354×奥行き235×高さ9~15mm/約1.98kg
OS Windows 10 Home(64bit)
価格 31万3178円
価格(クーポン利用時、11月1日現在) 25万9937円

 まず、Windows 10のシステム評価ツール「WinSAT.exe」を試してみたところ、図のような結果になった。プロセッサやメモリが9.1という数値で、その性能の高さがうかがえる。

WinSATの結果

 マシンの総合的なパフォーマンスを見るPCMarkを試してみたところ、PCMark 8 Home Acceleratedが「3947」、PCMark 10が「4836」という結果になった。PCMark 10のスコアの詳細をみると、パソコンの基本性能を示すEssentialsが9160、ビジネスアプリの性能を示すProductivityが7053と、5000を大きく超える数値になっており、ウェブの閲覧やOffice文書作成などであれば非常に快適にできる性能を持っているのがわかる。

PCMark 8 Home Acceleratedの結果

PCMark 10の結果

 さらに「CINEBENCH R15」を試したところ、CPUのシングルスレッドが172cb、マルチスレッドが709cbとなった。Core i7-8550Uなどに比べると、シングルスレッドもマルチスレッドも1割ほど高いスコアになっている。

CINEBENCH R15の結果

 New XPS 15 2-in-1が搭載しているCore i7-8705Gの最大の特徴は、なんといってもGPUとしてインテル HD グラフィックス 630とAMD Radeon RX Vega M GL グラフィックスの2つが内蔵されている点だろう。

GPUはインテル HD グラフィックス 630とAMD Radeon RX Vega M GL グラフィックスが搭載されている

 Radeon RX Vega Mの方はVRAMとして高速なHDM2を搭載しており、これまでのGPU内蔵CPUを大きく超えるグラフィックスパフォーマンスを実現しているのがポイント。そこで、性能をチェックするために3DMarkを試してみたところ、次のようにゲーミングパソコン向けの「Fire Strike」が6242となった。

3DMarkでは、Fire Strikeで6242というスコアになった

3DMarkスコア
Time Spy 2222
Fire Strike 6242
Sky Diver 16482
Cloud Gate 18699

 いずれのスコアもGeForce GTX 1050を上回り、GeForce GTX 1050 Tiに迫るレベル。内蔵GPUでありながら、エントリー向けのディスクリートグラフィックスに負けない性能を持っているのがわかる。

 そこでゲーム系のベンチマークもいくつか試してみた。まず、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver1.51」は以下のようになった。なお、いずれもGPUはインテル HD グラフィックスではなくRadeon RX Vega Mのほうを使用する設定にしてベンチマークを実行している。

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver1.51の結果

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver1.51の結果
グラフィック設定 解像度 スコア 評価
低品質 1920×1080ドット 18662 すごく快適
標準品質 1920×1080ドット 18739 すごく快適
最高品質 1920×1080ドット 16764 すごく快適
低品質 3840×2160 7773ドット とても快適
標準品質 3840×2160 7163ドット とても快適
最高品質 3840×2160 5845ドット 快適

 続いて、ドラゴンクエストXより負荷が高い「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」も試してみた。

FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者(リベレーター) ベンチマークの結果

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークの結果
解像度 品質 スコア 評価
1920×1080ドット 標準品質(ノートPC) 15847 非常に快適
1920×1080ドット 高品質(ノートPC) 10124 非常に快適
1920×1080ドット 最高品質 8040 非常に快適
3840×2160ドット 標準品質(ノートPC) 5203 とても快適
3840×2160ドット 高品質(ノートPC) 3209 やや快適
3840×2160ドット 最高品質 2543 やや快適

 スコアを見てわかるように、DirectX 11対応の「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」のフルHD最高品質でも「とても快適」に遊べるという結果になった。4Kでも品質を下げればそこそこ快適にプレーできそうだ。

 参考までにより高性能なハードが求められる「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」でもチェックしてみた。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークの結果

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークの結果
解像度 品質 スコア 評価
1920×1080 軽量品質 4295 普通
1920×1080 標準品質 3276 普通
1920×1080 高品質 2267 重い

 FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークのスコアは6000以上が快適に動作する目安とされているので、フルHDの軽量品質でも少々厳しめだが、まったく話にならないという程度でもない。「多少ストレスはあってもいいから、どんなゲームか遊んでみたい!」という人であれば、New XPS 15 2-in-1でもそれなりに楽しめそうだ。

SSDはシーケンシャルリード3000MB/秒超の超高速タイプ

 今回試したNew XPS 15 2-in-1プラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSDモデルには、ストレージとして1TBのPCIe SSDが搭載されていた。CrystalDiskMarkで性能をチェックしてみたところ、シーケンシャルリードが3000MB/秒超となり、非常に高性能なストレージであるのがわかる。実際、OSの立ち上げやアプリの起動、データの読み込みなど、いずれも体感できるほど高速だった。

内蔵のPCIe SSDはシーケンシャルリードが3000MB/秒を超えており、非常に高速

 バッテリーは6セル75WHrと、そこそこ容量のあるタイプが内蔵されている。どれくらい持つのか、バッテリーベンチマークソフト「BBench」を使ってバッテリー駆動時間を計測してみた。いずれも、「Dell Power Manager」の「熱設定」を「最適化」に、電源プランを「デル(推奨):より良いバッテリー」、画面の明るさを「50%」に設定。BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」に設定し、満充電状態から電源が落ちるまでの時間を計っている。

 結果、約5時間32分の駆動が可能だった。高性能CPUやグラフィックス、4K液晶ディスプレーなどを搭載しているのを考えると十分合格レベルといえる。ちなみに画面の輝度は50%でもかなり明るく観えたので、室内であればもう少し輝度を落としてもいいかもしれない。その場合はさらに駆動時間は伸びるはずだ。

デルの「New XPS 15 2-in-1」。質感の高さと性能の高さが魅力的だ

 デルの直販サイトでは、今回試したプラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSDモデルが31万3178円という価格で販売されている。11月9日現在、15%オフクーポンの適用で、26万6201円という価格で購入可能だった。ちなみに「プレミアム」モデルなら、23万2178円(15%オフクーポン適用で19万7351円)となっている。CPUやグラフィックスは全モデル共通なので、フルHDで十分という人なら「プレミアム」モデルのコスパのよさは大きな魅力に感じるはず。用途や利用シーンに合わせて選んでみてはいかがだろうか。

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