ローソンを使い放題にしたい
今回のCEATEC JAPAN 2018で、ローソンがもうひとつ目指したことがある。さまざまな業種の企業との連携のきっかけを探ることである。
竹増社長はCEATEC JAPAN 2018の開催初日の基調講演で、「ローソンは『マチの生活プラットォーム』の役割を果たしたい。だが、これを実現するのは、1社では不可能だと考えている」と前置きし、「ローソン以外にも、ナチュラルローソンや成城石井、ローチケ、HMV、ユナイテッドシネマといった多様なブランドも持っており、これらのブランドも活用できる。もし、ローソンと一緒になにかをやりたいというのであれば、ローソンが持つ店舗や仕組みを提供できる。ローソン全店で挑戦するのには規模が大きすぎるのであれば、地域の10店舗だけ、あるいはナチュラルローソンの150店舗だけという選択肢もある。ローソンの店舗を、使い放題に使ってほしい。みなさんが考える、ふさわしい店舗の数やブランドを使って、デジタル化の実験に使ってもらうことができる」とした。
2017年に開設したオープン・イノベーションセンターの活用促進も訴求。「店舗で実験をする前に、なにかをやってみたいという場合には、ここに来てほしい。名前のとおり、オープンなスペースであり、どんな企業の方に来てもらってもいい。オープン・イノベーションセンターを使ってもらい、触ってもらい、うちがやればこうなるということも提案してほしい」と語った。
だが、条件も出す。
「ローソンのデジタル化への取り組みにおいて、根っこにあるのはお客様やマチ、そして働く人が心身ともに健康であること、地球へのやさしさがあること、ヒューマンファーストであるということ。これに賛同していだたければ、ローソンが持つ店舗、仕組み、センター、ロジスティックをいかように使ってもらってもいいと考えている」とする。
今後の生き残り策を宣言
ローソンは、コンビニ業界では第3位の位置にある。
そしてコンビニやスーパー、百貨店、ドラッグストアといったリアル店舗同士の競合に、Amazonや楽天などのeコマースが加わり、競争はさらに激化している。
「コンビニエンスストアはあれだけ成長を続けていたが、いよいよ踊り場なのではないかと言われ始めている。それについて、私は否定をしない。だが、ローソンは『いい踊り場』にいるという違いがある」とする。
理由はこうだ。
「3位というポジションはやりたい放題の位置にあり、いろいろなことにチャレンジできるポジションにある。そして、失敗もできる。これは、我々に許されている大きなチャンスだと思っている」
デジタルを活用した新たなビジネスに積極的に挑む姿勢を、こうした言葉で表現してみせた。
竹増社長は「ローソンがCEATEC JAPANにブースを設けたのは、ゲームチェンジャーになりたいという気持ちからである。厳しい荒波の業界のなかにいるからこそ、チャレンジ精神をもって挑んでいくのが、いまのローソンの立ち位置である。ローソンには、挑戦する社風がある。この意識は業界でもトップである。挑戦するために多くの方々と手を組みたい」と語る。
竹増社長はCEATEC JAPANの基調講演で「私たちが目指しているのは、『Be the Game Changers』である。そして、今日はそれに『together with us』を付け加えたい」と基調講演で語った。
「ぜひ、私たちと一緒になって、ゲームチェンジャーになってほしい」
ローソンはCEATEC JAPAN 2018の場を、自らがチャレンジャーであることを強調する場にするとともに、共創によるデジタル活用が、今後の生き残り策になることを宣言したといえる。
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