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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画 第2期」 第26回

pixivとニコ動で2018年7月期アニメを振り返る

アイドルと血小板が大人気!? 夏アニメ二次創作状況まとめ

2018年10月26日 18時00分更新

文● myrmecoleon 編集●村山剛史/アスキー編集部

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3ヵ月間で人気はどう動いたのか?
投稿数の推移をグラフで確認

 今回も各作品の投稿数順位から3ヵ月間の変化を見てみます。

 デレマス人気は高く1位は継続して「アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 3rd SEASON」が独占。また7月15日以降拡大した「はたらく細胞」が以降ほとんどの期間で2位に入りました。

 「殺戮の天使」は序盤は高順位につけたものの後半で失速。以降3番手は進撃・銀魂・バンドリといった人気作が並びました。

 下位ではニコ動では「オーバーロードIII」や「あそびあそばせ」の健闘、pixivでは「BANANA FISH」や終盤の「少女☆歌劇レヴュースタァライト」の拡大も目立ちます。

7月アニメ作品別のニコ動の動画投稿数における7日毎順位の推移。pixivの傾向より男性人気の高い作品は青、女性人気の高い作品は赤、中間的な作品は黄色に塗った

7月アニメ作品別のpixivのイラスト投稿数における7日毎順位の推移。pixivの傾向より男性人気の高い作品は青、女性人気の高い作品は赤、中間的な作品は黄色に塗った

 pixivで男性投稿者が多かったタイトルは「アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 3rd SEASON」「はたらく細胞」「BanG Dream! ガルパ☆ピコ」「オーバーロードIII」「殺戮の天使」「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」「あそびあそばせ」など。「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」は9割が男性投稿者。ほかオーバーロード・あそびあそばせは男性比率高めです。

 女性投稿者が多いタイトルは「はたらく細胞」「銀魂 銀ノ魂篇 (後半戦)」「アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 3rd SEASON」「進撃の巨人 Season 3」「殺戮の天使」「BanG Dream! ガルパ☆ピコ」「BANANA FISH」「Free! Dive to the Future」「千銃士」など。銀魂・BANANA FISH・Free!・千銃士は投稿者の約9割が女性です

 「はたらく細胞」「BanG Dream! ガルパ☆ピコ」「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」は男女共に人気がありました。

 R-18イラストが多かったのは「アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 3rd SEASON」「はたらく細胞」「進撃の巨人 Season 3」「オーバーロードIII」「BanG Dream! ガルパ☆ピコ」「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」「すのはら荘の管理人さん」など。「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」と「すのはら荘の管理人さん」は4割以上がR-18イラスト。ほかに「ゆらぎ荘の幽奈さん」も3割と高めです。

 海外投稿者が多かったのは「はたらく細胞」「アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 3rd SEASON」「BanG Dream! ガルパ☆ピコ」「殺戮の天使」「銀魂 銀ノ魂篇 (後半戦)」「進撃の巨人 Season 3」「オーバーロードIII」「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」など。「はたらく細胞」「殺戮の天使」「オーバーロードIII」「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」は約4割が海外投稿者です。下位では「天狼 Sirius the Jaeger」で7割が海外投稿でした。

 「はたらく細胞」は中国・台湾・東南アジア・アメリカなどほとんどの国でトップ。新作ながら世界的に人気となりました。また「アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 3rd SEASON」は過去に韓国版もあったことから韓国でも人気があります。「殺戮の天使」も中国・韓国などの投稿者が多いです。逆に「千銃士」は国内からの投稿者がほとんどです。

 キャラでは「はたらく細胞」の「血小板」「白血球」がトップ。次いで「進撃の巨人 Season 3」の「リヴァイ」、「はたらく細胞」の「赤血球」、「銀魂 銀ノ魂篇 (後半戦)」の「神楽」「坂田銀時」「沖田総悟」、「BANANA FISH」の「アッシュ・リンクス」、「殺戮の天使」の「レイチェル・ガードナー」、「はたらく細胞」の「好中球」などが人気でした。

 R-18イラストでも「血小板」がトップ。次いで「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」の「シェラ・L・グリーンウッド」、「すのはら荘の管理人さん」の「春原彩花」、「アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 3rd SEASON」の「橘ありす」「鷺沢文香」、「オーバーロードIII」「アルベド」などが上位でした。特に「シェラ・L・グリーンウッド」「春原彩花」は5割がR-18イラストでした

話題の新作はグリッドマンにゾンビ・ゴブリン・スライム
ジョジョ・禁書・SAO待望の続編も

 最後に今期10月アニメの3週目を終えた現在での傾向を見てみます。今回は編集部の諸事情で掲載が遅れたこともあり、おおむね今期人気の傾向が出ています。

 注目作は「SSSS.GRIDMAN」。25年前の特撮作品を原作とした新作アニメですが、pixivでは居並ぶ人気作を抜いてダントツ人気。ニコ動でも特撮版とからめたMADなど、多数の動画が投稿されています。ヒロインの「宝多六花」「新条アカネ」は今期アニメで10月最も多く描かれてる2人です。

 ほかニコ動では「ゾンビランドサガ」がブレイク。ゾンビになった少女たちがアイドルを目指す異色のオリジナルアニメで、毎回予想のできない展開が話題となっています。ニコ動では1話冒頭の衝撃シーンの音MADの投稿が多いほか、2話以降も動画のネタとなっています。pixivではメインヒロインの「源さくら」、伝説の昭和のアイドル「紺野純子」などがよく描かれています。

 pixivでは「ゴブリンスレイヤー」も人気があります。ゴブリンを退治する冒険者を描くファンタジーで、「やる夫スレ」を出自とする異色の経歴。序盤からゴブリンに弄ばれる女性キャラの描写がある作品なことから、投稿イラストの4割がR-18作品。キャラでは「女神官」や主人公「小鬼を殺す者」、「妖精弓手」などがよく描かれています。

 ほか新作では「転生したらスライムだった件」が好調。もとは「小説家になろう」で連載していた「伏瀬」の小説を原作としたマンガのアニメ化で、pixivでは主人公「リムル=テンペスト」がよく描かれています。

 「アイドルマスター SideM 理由あってMini!」「ソードアート・オンライン アリシゼーション」「とある魔術の禁書目録III」「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」の4作品はそれぞれ人気アニメタイトルの続編および関連タイトルで、上記新作タイトルとともに人気が高いです。

 今回は調査時点ではまだ放送していないタイトルも多いのでまだ様子見程度の結果です。今期はここからどのようになるのでしょうか。注目していきたいと思います。

10月アニメについて10月1日以降にニコニコ動画・pixivに投稿された各タイトル関連の作品投稿数。集計時までに削除された作品は除く。対象タイトルは上記。それぞれ作品を示す複数のタグを名寄せした作品数

アニメ「SSSS.GRIDMAN」より第1話の公式配信動画。
アニメ「ゾンビランドサガ」より第1話の公式配信動画。
アニメ「ゴブリンスレイヤー」より第1話の公式配信動画。
アニメ「転生したらスライムだった件」より第1話の公式配信動画。
アニメ「アイドルマスター SideM 理由あってMini!」より第1話の公式配信動画。
アニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション」より公式PV。
アニメ「とある魔術の禁書目録III」より第1話の公式配信動画。

アニメ「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」より公式PV。

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筆者紹介:myrmecoleon

 趣味で同人誌やニコニコ動画関連の研究をしてる人。コミケ・ニコニコ動画・pixiv・deviantARTなどの調査を行ない、『ニコニコ統計データハンドブック2017』など同人誌としてコミケで頒布。2014年に自身の企画で「次元の壁をこえて 初音ミク実体化への情熱 展」を開催。元明治大学米沢嘉博記念図書館スタッフでニコニコ学会β実行委員。
 Twitterアカウントは@myrmecoleon。関わった著作に『進化するアカデミア 「ユーザー参加型研究」が連れてくる未来』(イースト・プレス刊)など。画像は筆者を擬人化?して描いてもらったキャラ「ありらいおん子」。男の娘。

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