あの「Intel Movidius Myriad VPU」を採用!!
リアルタイム画像認識を実践!! UP square + AI Coreでディープラーニング推論
2018年11月05日 12時00分更新
Intel Movidiusを認識できているか、確認する
次に行なうのは、UP AI Coreが搭載するIntel Movidius用の開発環境「Intel Movidius Neural Compute SDK」(以下、NCSDK)のインストールだ。
作業を行なう前に、UP SquareがUP AI Core(が搭載しているIntel Movidius)を正常に認識しているかを確認しておこう。端末上で「dmesg | grep Movidius」とdmesgコマンドを実行し、Movidiusという文字列があるかを調べておく。もし正しく認識されていないようなら装着ミスが考えられるので、AI Coreの取り付け状態を再確認しよう。
「Intel Movidius Neural Compute SDK ver.2」のインストール
次のコマンドでUbuntuのリポジトリから基本的な開発ツール一式とgitをインストールする。
$ sudo apt install build-essential git
現在、NCSDKにはAPI ver.1とver.2があり、両者には互換性がない。今のところネット上にはAPI ver.1を使った事例が多いものの、今後はAPI ver.2が主流になっていくと思われる。そのため本稿では、NCSDK API ver.2をインストールする。ホームディレクトリーで次のようにコマンドを実行しよう。
$ cd
$ git clone -b ncsdk2 http://github.com/Movidius/ncsdk && cd ncsdk && make install
インストール実行途中でパスワードを尋ねられるので、適宜入力してほしい。Ubuntuインストール時に設定した自分(ユーザー)のパスワードを打ち込むだけでOKだ。
ネットの接続状況に左右されるものの、光回線の場合インストールにかかる時間は30分程度だろう。インストールが正常に進行すると、スクリプト言語Pythonに関する環境変数「PYTHONPATH」を「.bashrc」ファイルに設定するようメッセージが表示されて終了する。
このPYTHONPATH設定は自動的にセットされるはずだが、サンプルプログラムなどを動作させる際にも必要なので、念のため.bashrcファイルを確認しておいてほしい(Ubuntuにログインし直すと、以降はPYTHONPATHが自動的に有効になる)。
TensorFlowの差し替え
以上で、NCSDKの導入はいったん終わるのだが、UP Squareの場合は問題が生じる可能性があり対処が必要になる。具体的には、NCSDKとともにインストールされるTensorFlowのversion 1.6以降ではAVX命令セットのサポートが必須になっている一方、UP SquareのCPUではAVX命令セットがサポートされていないため未定義命令例外が発生し正常に動作しないのだ。
この問題は、現状ではTensorFlowのversion 1.6以前に差し替えるしか対処の方法がない。次のようにしてTensorFlowをアンインストールおよびTensorFlow 1.5をインストールしよう。
$ sudo pip3 uninstall tensorflow
$ sudo pip3 install tensorflow==1.5
以上で、NCSDKのインストールが完了だ。