アメリカで販売を開始し、手軽に導入できるスマートロックとして世界中で5万台が出荷されるほどの人気となっている「セサミ スマートロック」。日本でもクラウドファンディングのMakuakeにて「セサミmini」のプロジェクトもスタート。すでに目標金額はクリアしているほど好調だ。
その「セサミmini」を提供しているCANDY HOUSEが、セサミシリーズの生産を担当する台湾へのプレスツアーを実施。CANDY HOUSEのCEO Jerming Gu氏もツアーに同行し、プレス向けにセサミシリーズについてのインタビューが行なわれた。
──セサミ スマートロックを開発した経緯を教えてください
Jerming Gu氏(以下Jerming) 2013年からアメリカのスタンフォード大学へロボット工学を学ぶために留学をスタートしたのですが、そのときにアメリカでみたキャッシュレス社会に感銘を受けました。カフェなどの支払いが実にスマートで、しかも小銭などを持ち歩く必要がないのでポケットがスッキリします。
そこで気がついたのですが、もうひとつポケットにあるじゃないかと。それが鍵だったんです。この鍵がなくなればもっとスマートになるのではと思い、スマートロックの開発に取り組みました。
──当時もアメリカではすでにスマートロックは多くの企業が取り組んでいたと思いますが、セサミとの違いは?
Jerming 確かにすでにスマートロックは市場にありましたが、多くが取り付けのためにサムターンをいったん緩めたりと、取り付け作業に工具やドアへの加工が必要なものばかりでした。当時大学の寮に住んでいたため、ドアを加工して取り付けることができなかったので、もっと手軽に装着できるタイプとして考案したのがセサミです。
──なぜセサミはそういった加工など不要なタイプに作れたのでしょうか?
Jerming たまたま上手くいったのですが、粘着テープで装着するため本体を軽くしようと金属はほとんど使わずプラスチックで製作したのが一番の要因です。ただし耐久性、特にギヤの耐久性には苦労しました。最初のプロトタイプでは200回ほど使うと壊れてしまったり。10種類ほど素材を試して、現在の耐久性のある製品に仕上げています。また、モーターも工場にオーダーして専用にカスタマイズしたものを使っています。
──日本への市場参入の理由は?
Jerming 実はアメリカに留学する前の2年間、大阪に留学していました。神戸でアルバイトもしていましたし、京都など古い文化が今も残っている日本が好きなんです。利益を求めてというより、日本が大好きなんですよ。
ただ、日本に参入するにあたって、アメリカなどで発売したモデルではなく、一回り小型化した「セサミmini」を用意しました。アメリカのサムターンのほうが2倍ほど大きいので、それならば小型化したほうがいいだろうと。使用しているモーターやギアなどは基本的には同じなので、耐久性などは変わっていません。
──今後の展開について教えてください。
Jerming Makuakeでのプロジェクトは目標金額に到達していますが、初回出荷分はまだ2500台ほど余裕がありますので、これをしっかりと販売していきたいです。そのほか中国にも子会社を設立する予定で、こちらではセサミシリーズのほかドアにビルトインしたタイプのリリースも考えています。
また、現在はスマートフォンとの連携で解錠していますが、指紋や音声といった認証でのロック解除も研究中です。もっとたくさんの方に使ってもらいたいと考えています。