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国内発売からそろそろ1年、完成度も高く

Amazonの新Echoは「音の良さ」に注力、2.1ch再生やFireTV連携も

2018年10月11日 17時11分更新

文● 小林 久 編集●ASCII

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スマートホームを実現するために、温度センサーは必要

 一方Echo Plus/Echo Showは、ZigBee対応で、スマートホームを強く意識した製品だ。Echo Plusには今回から温度センサーが搭載され、部屋の温度が分かるが、これは暖房機などを利用することを想定したもの。複数の部屋に置かれた、様々な家電機器を連携させるためには必要な機能だ。

 説明会では、家庭内にある様々機器と連携するためのSDKについても紹介された。ALEXA SKILL KITを利用したスキルの数は、Echo Spotが登場した7月以降、4倍に増えており、現在1500以上ある。

Amazonの電子レンジ

 海外ではAlexa対応家電のリファレンスデザインとしてAmazonブランドの電子レンジなども発表されている。

 「Smart Screen SDK」は、すでにレノボの製品やソニーのテレビで採用されている。ディスプレーを利用して、音楽やカメラなどを利用できる。またスキルとスキルを連携させられる「SKILL CONNECTIONS」を利用したプリンターがエプソンやキヤノンから登場。Echo Showなどで表示した写真を150以上のプリンターで出力できるという。

プリンターのデモ。SKILL CONNECTIONSは、名前の通り、特定のスキルと別のスキルを連携させるための仕組みだ。写真当てクイズのスキルで正解すると、その画面を出力して持ち帰れるというデモ。

 また、画面サイズや形状の異なる複数のEcho製品や、テレビ接続が前提のFireTVなどでの利用を想定してUIの統一を図るためのデザイン言語「ALEXA PRESENTATION LANGUAGE」(APL)で、簡単に高品質な画面が設計できるとしている。例えばEcho Spotの円形で小さな画面でも、一番見せたいところを見やすく示すことができるという。すでに日本では出前館、JTBなどがAPLを使ったスキルを開発中で、10月中に開発者向けのパブリックベータ版も提供するという。

 さらにAmazon Payを利用することで、決済にも対応。アミューズメント施設のチケットをEcho Showから購入したり、出前を取ったりといったことが可能だ。Amazon Payは日本赤十字社と連携して、スキルで災害の寄付を募る試みでも利用されている。

待望のFireTVとの連携も実現する

 年末にかけての展開としては、先日発表された「FireTV Stick 4K」で、日本でもようやくAlexa対応が実現した点がある。従来のFireTVでも音声を使ったコンテンツの検索は利用できたが、検索結果が画面に表示された後は、リモコンでそれを選ぶ手間が必要だった。

FireTV Stick 4K

 新しいFireTV Stick 4Kでは、4K/HDR(HDR10+とDolbyVision)に対応。ビデオ再生だけでなく、天気、Q&A、音楽再生、カメラ対応など、Echoが持つ機能を幅広く利用できる。Echoデバイスから直接FireTV Stickに話しかけられることで、手ぶらで観たい映画や情報を呼び出せることになり、利便性がさらに増しそうだ。12月の発売に合わせて、EchoをFireTV Stickに対応させるアップデートを実施予定だ。

Amazon Musicで音楽を再生しながら、歌詞を見られる。

 Echoとの連携で、FireTV Stickの応用範囲もさらに広がりそうだ。例えば、Amazon Musicの再生中には歌詞が表示されるし、楽曲の再生だけでなく、早送りや時間を指定したスキップといった操作も声で可能となる。Echo Spotの発売に合わせて紹介された「Arlo」などネットワークカメラの映像をテレビの大画面で再生することもできる。何より「○○を再生して」の一言で、目的のコンテンツを呼び出せる点はシンプルで分かりやすい。

 AlexaデバイスのAV連携機能としては、これ以外にも先日対応が発表された、audible(月額1500円)で38ヵ国40万タイトルの書籍を聴けたり、SDKを利用して、Alexaを使ったAVデバイスのコントロール機能も用意されている。ソニーのブラビア、東芝のレグザ、ヤマハのMusicCast対応機器など、6メーカーから対応商品が出ている。

 年末にかけてAlexa対応の他社製品も続々と出てくる。ボーズやSONOSのサウンドバーは一例だが、ソニーコミュニケーションネットワークが昨日発表した、Home AIサービス「MANOMA」向けの「ホームゲートウェイ」もAlexaに対応し、家庭内の様々な機器と連携できるようになっている。

Echoデバイスのラインアップ

 新しいEcho Dotの販売価格は5980円、Echo Plusは1万7980円、Echo Subは1万5980円でいずれも10月30日の発売。Echo Showは第2世代。10.1型ディスプレーを搭載。Echo Showの販売価格は2万7980円で12月12日の発売を予定している。Echo PlusとEcho Showは、ZigBee対応のスマートホームハブを内蔵する。

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