洗練されたフレームレスデザインが印象的なデルの一体型デスクトップパソコン「New Inspiron 27 7000」。タッチパネルや多関節スタンドを採用し、前モデルから使い勝手が大きく向上している。では、CPUやGPUなどの性能はどのくらい進化したのだろうか。今回はベンチマーク結果を交えながら、気になるパフォーマンスを紹介していこう。
インテルの6コアCPUとGeForce GTX GTX 1050を搭載
デルの直販サイトでは、New Inspiron 27 7000は構成の違いにより「プレミアム・タッチパネル」、「プラチナ・タッチパネル」、「プラチナ・4K・SSDデュアルドライブ」の3つのモデルが用意されている。それぞれのおもなスペックは次の表の通りだ。
New Inspiron 27 7000 | |||
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プレミアム・タッチパネル | プラチナ・タッチパネル | プラチナ・4K・SSDデュアルドライブ | |
CPU | Core i5-8400T | Core i7-8700T | Core i7-8700T |
GPU | インテル UHD グラフィックス 630 | GeForce GTX 1050 | GeForce GTX 1050 |
メモリー | 8GB | 16GB | 16GB |
ストレージ | 1TB HDD | 1TB HDD+256GB SSD | 1TB HDD+256GB SSD |
ディスプレー | フルHD(1920×1080) | フルHD(1920×1080) | 4K(3840×2160) |
価格(税抜) | 16万1978円 | 23万2178円 | 25万9178円 |
価格(クーポン利用時、9月28日現在) | 13万7681円 | 19万7351円 | 22万301円 |
いずれのモデルもインテルの6コアCPUが採用されている。今回試したのは、そのうちミドルモデルとなるプラチナ・タッチパネルモデルだ。詳しいスペックを見ると、Core i7-8700Tプロセッサー(6コア/12スレッド、12MBキャッシュ、最大4.0GHz)、GeForce GTX 1050(4GB GDDR5)、16GBメモリー(DDR4 2666MHz)、1TB HDD(7200回転)、256GB M.2 SSD(SATA)となっている。
ハイエンドデスクトップパソコン向けのプロセッサーであるCore i7-8700の動作周波数を下げてTDPを35Wに抑えたCore i7-8700Tが搭載されているが、パフォーマンスはどれくらいなのだろうか。そこで、ベンチマークソフトで性能をチェックしてみた。
まず、Windows 10のシステム評価ツール「WinSAT.exe」では、図のような結果になった。スコアを見るとプロセッサやメモリが9.2、グラフィックスやプライマリハードディスク(本機の場合はSSD)が8を超えており、その性能の高さをうかがい知ることができる。
続いてマシンの総合的なパフォーマンスを計測するPCMarkを試してみたところ、図のようにPCMark 8 Home Acceleratedが「4157」、PCMark 10が「4352」という結果になった。PCMark 10のスコアの詳細を見ると、基本性能を示すEssentialsが8138、ビジネスアプリの性能を示すProductivityが6151、クリエイティブ系アプリの性能を示すDigital Content Creationが4471といずれも高い数値になっており、ウェブブラウジングやOffice文書の編集などはもちろん、写真編集なども快適にできる性能を持っているのがわかる。
さらに「CINEBENCH R15」を試したところ、CPUのシングルスレッドが150cb、マルチスレッドが948cbとなった。Core i7-8700Tは動作周波数が抑えられている分、上位モデルのCore i7-8700よりもスコアが低めではあるが、前世代のCore i7-7700よりは高くなっている。消費電力を抑えつつハイエンド並みの性能を実現しているため、バランスのとれたCPUといえるだろう。
次にグラフィックスの性能を見るため3DMarkを試してみたところ、次の結果になった。
3DMarkの結果 | |
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Time Spy | 1887 |
Fire Strike | 5614 |
Sky Diver | 17987 |
Cloud Gate | 22372 |
Ice Storm Extreme | 89458 |
Ice Storm | 91215 |
ゲーミングPC向けの「Fire Strike」が5614、ミドルレンジ向けの「Sky Diver」が17987となった。多少負荷の高いゲームもそこそこ快適に楽しめそうなスコアだ。
そこでゲーム系のベンチマークもいくつか試してみた。まず、ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver. 1.51を計測したところ、以下のような結果になった。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver. 1.51の結果 | |||
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グラフィック設定 | 解像度 | スコア | 評価 |
低品質 | 1920×1080ドット | 19440 | すごく快適 |
標準品質 | 1920×1080ドット | 18184 | すごく快適 |
最高品質 | 1920×1080ドット | 17604 | すごく快適 |
ドラゴンクエストXのベンチマークより負荷が高い「FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者(リベレーター) ベンチマーク」も試してみた。
FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者 ベンチマークの結果 | |||
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解像度 | 品質 | スコア | 評価 |
1920×1080ドット | 標準品質(デスクトップPC) | 13106 | 非常に快適 |
1920×1080ドット | 高品質(デスクトップPC) | 7452 | 非常に快適 |
1920×1080ドット | 最高品質 | 6406 | とても快適 |
スコアを見てわかるように、DirectX 11対応の「FINAL FANTASY XIV: 紅蓮の解放者(リベレーター)」のフルHD最高品質でも「とても快適」に遊べるという結果になった。
コスパのバランスがよいプラチナ・タッチパネルモデル
今回試したプラチナ・タッチパネルモデルの場合、ストレージは1TB HDD(7200回転)+256GB M.2 SSD(SATA)が搭載されている。OSやアプリケーションなどはSSDにインストールされており、システムの起動やアプリの立ち上がりなどは非常に速い。
ストレージの性能を測るベンチマークソフトのCrystalDiskMarkで確認すると、シーケンシャルリードはSSDが500MB/秒前後、HDDが140MB/秒前後となった。SSDはSATA接続のため読み込みは550MB/秒あたりが限界となるが、その限界値に近い速度は出ているのがわかる。
ちなみに、下位モデルのプレミアム・タッチパネルはSSDが搭載されておらず、HDDのみとなる。一方、上位モデルのプラチナ・4K・SSDデュアルドライブは本機と同じ1TB HDD+256GB SSDの構成になっている。また、メモリーやCPU、GPUなども本機は上位モデルと同じ構成。4K解像度のディスプレーが不要なら、本機のコスパはかなり魅力的に映る。
直販サイトでは、お得なクーポンが利用でき、プラチナ・タッチパネルモデルを19万7351円で購入可能(9月28日現在)。税込でも20万円を下回り、グッと手を出しやすくなる。基本性能が高く使い勝手に優れた一体型パソコンを探している人は、この機会に検討してみてはいかがだろうか。
試用機の主なスペック | |
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製品名 | New Inspiron 27 7000(プラチナ) |
CPU | Core i7-8700T(2.4GHz) |
グラフィックス | GeForce GTX1050(4GB GDDR5) |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 1TB HDD(2.5インチ、7200rpm)+256GB M.2 SSD(SATA) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレー | 27型ワイド(1920×1080ドット) |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.1 |
インターフェース | USB 3.1(Type-C)端子、USB 3.1端子×3、USB 2.0端子×2、HDMI入力、HDMI出力、有線LAN、ヘッドフォン/マイク、オーディオライン出力、SDカードスロット |
サイズ | およそ幅613×奥行58.0×高さ464.3mm |
OS | Windows 10 Home 64bit |