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HPE InfoSightが3PARをサポートし、クラウド連携も強化

HPE 3PARでAIとクラウドを活用した予測分析が可能に

2018年08月31日 12時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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 2018年8月31日、日本ヒューレット・パッカードは「HPE 3PAR」の新機能として「HPE InfoSight」の予測分析機能を追加した。また、クラウド連携も強化されており、仮想化やコンテナ、クラウドサービスとの親和性も強化されているという。

ストレージ分析サービスの導入で複雑な問題も自動で解消

 HPEはハイブリッドITを支えるべく、AIを活用した自律型データセンターを実現するインテリジェントなストレージを標榜しており、製品ラインナップとしてはMSA、SimpliVity、Nimble、3PAR、XPなどニーズに合わせた製品を揃えている。このうち主力製品になっているHPE 3PARはグローバルで7万5000台以上が導入されており、抱えるデータ量はエクサバイト規模、接続されているサーバーは100万台以上に上るという。

日本ヒューレット・パッカード ハイブリッドIT事業統括 ハイブリッドIT製品統括本部 カテゴリーマネージャー 加藤茂樹氏

 一方、HPE InfoSightは昨年買収したNimble Storageのストレージ分析サービス。ストレージから集めたデータをクラウド上で分析し、さまざまな問題を解消する。HPE InfoSight for 3PARでは、これまでストレージとVM間のボトルネックを特定し、仮想リソースを最適化する「クロススタック分析」、クラウドベースのキャパシティ分析やパフォーマンス傾向、ヘルスチェックなどの「グローバルな可視化」などが提供されているが、今回は新たに「予測分析サポート」が実現された。

 予測分析サポートでは、グローバルで5万台にのぼる3PARから収集されたデータをAIで学習・分析し、サポートケースを作成。これを元に専門のチームが不具合を解析し、接続されたHPE 3PARに反映していく。「複雑な問題を予測し、約85%を解決できた」(加藤氏)とのことで、AIとプロフェッショナルの連携で高い効果を得ているという。サービスはサポート契約を結んでおり、リモートサポートを利用しているユーザーであれば無料で利用可能だ。

HPE InfoSightで実現できること

 また、クラウド連携機能についても説明された。もともと3PARには「HPE Cloud Bank Storage for 3PAR」というパブリッククラウド連携機能が用意されており、AWSやAzureへのバックアップやアーカイブが可能になっている。AnsibleやChef、puppetなどのクラウドサービスと連携することで、オンプレミス環境でさまざまな自動化を実現できるほか、OpenStackやvRealiseなどとの連携も実現。さらにDockerやkubernetes、Mesos、Openshiftなどとのコンテナプラットフォームと連携することも可能。加藤氏は、「従来型のワークロードにコンテナアプリケーションを加えていくことが可能になる。しかも、エンタープライズクラスの可用性でコンテナを利用できる」とアピールする。

 この1年、買収したNimble Storageについてアピールすることが多かったが、HPE 3PARも手堅く実績を強化しているという。加藤氏は、「Nimble Storageは簡単でシンプル。3PARはシステムを作り込みたい、細かく設定したいというニーズを満たす」と述べ、異なるニーズを満たす製品ラインナップで、ストレージ市場を席巻していきたいと語る。

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