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ASCII西日本豪雨ルポ 第3回

西日本豪雨 漫画家の壮絶体験

2018年08月27日 09時00分更新

文● Imaha486(@Imaha486) 取材協力● かぼちゃさん

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もしものときの順序を事前に考えておきたい

── 被災当時はどんな備えをしていましたか。

 何もしていませんでした。私だけでなく周りもみんな「(真備町は)災害が少ないし〜」とか言っていました。いま思えば完全に死亡フラグ立ててますよね。あと、よく非常用持出袋とか「避難グッズを備えておきましょう」と言われますが、実際に被災して、たとえ避難グッズがあったとしてもまったく足りないと実感しました。

── 今後どんな備えをしようと思いましたか。

 データ的なことを言えば、外付HDDに自動バックアップしておいて、火災発生時にはそれを持って即座に逃げようとは思います。進行中の作業データだけであればクラウドバックアップサービスで足りるのですが、過去の全データを保持しておくにはテラバイト級の超大容量ストレージが必要になってしまうためコスト的に難しいです。非常用持出袋は1つくらいあっても良いですね。

 あと、今までは災害発生時に逃げる流れをまったく想定できていなかったので、「もしものときに逃げる動線と、持って逃げるものを置いておく場所」をキッチリ決めておくべきだと思いました。どういう順序で何を優先して持ち出すべきかを、事前に考えておくのがいいと思います。

── 自治体などに期待することはありますか。

 河川の管理をしっかりお願いできればと思いました。水害を防ぐための河川工事が計画されていたようですが、完成するまで10年かかると聞いています。せめてそれまでに堤防の中で森のように生い茂った木をスッキリさせておいてほしいです。

 あと、被災した後でハザードマップの存在を知らされたので、事前に周知する取り組みがあってもよかったと思います。今回、避難場所であるはずの学校や市役所が水没してしまったので、安全な場所も改めて考えなおす必要があると思います。

 災害エリアメールが広範囲なために、情報が多すぎて、本当に逃げるのに必要な情報が埋もれてしまうのも問題だと思いました。避難指示については、文字だけでなく、地震の震度のような数字を使ったり、色をつけて状態をあらわすなど、直感的にわかりやすい指標を使うのも有効かもしれません。

 それから、防災放送で市のスピーカーから災害情報が流れていたのですが、雨音でまったく聞こえませんでした。介護が必要な方がいる家庭には防災無線のようなものを設置することを義務づけても良いのではないかと思いました。

 西日本豪雨からしばらく経って、周りの家などがどんどんつぶれてなくなっています。このまま真備町から人がいなくなってしまうと思うと、とてもさみしいです。自分たちも頑張っていかなければならないのですが、それについても、なんらかの公的支援があればいいなと思います。

●倉敷市への募金窓口:
倉敷市社会福祉協議会
http://kurashikisyakyo.or.jp/



筆者──Imaha486

 本業はしがないセールスエンジニア。連載を持っていた雑誌が休刊となってからは専ら仮想通貨をマイニングしつつ、なろう小説を書く日々を過ごしています。なお、今回の記事執筆に関する報酬は全て西日本豪雨被害復興目的に寄付します。皆様も被災地への温かいご支援を宜しくお願いいたします。

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