ユーザーは損して、キャリアが得する構図
総務省としては、キャッシュバックなどに使っていた原資を通信料金の値下げに回させることで、国民における通信料金の負担を軽減させようというねらいで、キャッシュバック叩きをしていたとされる。
たしかに、「通信料金を値下げさせる」という効果は実際に出ているようだ。
たとえばKDDIは昨夏に、使った分だけ支払う「auピタットプラン」提供を開始している。直近の決算によれば、モバイル通信料収入が前年同期比112億円のマイナスとなった。つまり通信料収入が下がったということは、それだけユーザーの支払う金額が下がったということだろう。
しかしKDDIでは新料金プランの影響は一時的で、ユーザーのデータ利用量も増える傾向にあり、定額制であるauフラットプランの契約割合も増加していることから、将来的には収益は回復できると見ている。
auピタットプラン、auフラットプランは、端末の割引を受けない代わりに通信料金が安くなる、端末代金と通信料金を分離するプランとなっている。
まさに総務省が理想とするところなのだが、「将来的に、ユーザーが支払う通信料金が上がる」ということは、ユーザーは端末の割引を受けない一方、高い通信料金を払うことになる。結局のところ、ユーザーは損し、キャリアが得をする構図になるようだ。

この連載の記事
-
第263回
トピックス
「アクセシビリティは“人権”」アップルが40年間続ける取り組みとは -
第262回
トピックス
ソフトバンクとKDDIが“空の救助網” 雪山遭難、ドローンで発見 -
第261回
トピックス
スマホ5G“ミリ波”肩透かし 6Gは“センチメートル波”が鍵に -
第260回
トピックス
ドコモ苦戦 携帯3社、“値上げ”で明暗 -
第259回
トピックス
KDDI、通信品質で再び首位に ドコモとソフトバンクが不満「あの評価基準はおかしい」 -
第258回
トピックス
アドビ、AIで若年層開拓 “映える”画像を作りやすく -
第257回
トピックス
ドコモ経由の“NISAデビュー”増える マネックスか、SBIか、悩ましい選択に -
第256回
トピックス
KDDIドローン事業、9年目で軌道に乗る兆し 無人AIポート運用に成功 -
第255回
トピックス
楽天モバイル“値上げしない宣言”に他社が苦言 「自分たちでネットワークを構築しないくせに」 -
第254回
トピックス
クアルコム「Snapdragon」名称迷走 PC市場での認知施策が課題に -
第253回
iPhone
アップル新型「iPhone」全部比べた オススメはこれ - この連載の一覧へ











