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NVIDIAとの統合システム「NetApp ONTAP AI」も発表

激動のストレージ業界で成長を取り戻したネットアップの次の一手

2018年08月03日 08時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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 2018年8月2日、ネットアップは2019年の事業戦略説明会を開催。ネットアップ 代表執行役員社長の岩上純一氏が2016年からの道程を振り返りつつ、2019年度のフォーカス領域を説明した。また、後半ではクラウドとは異なるストレージの性能に関する技術分野でのアップデートも披露された。

ネットアップ 代表執行役員社長 岩上純一氏

オールフラッシュアレイやHCI参入で再び成長基調へ

 パブリッククラウドの台頭とともに、多くのベンダーがビジネスシフトを強いられたストレージ業界。最大手のEMCはDellとの統合という道を選び、フラッシュストレージを中心に展開してきた新興ベンダーもピュアストレージ以外はおおむね買収や破綻というフェーズに進んだ。先日は、仮想化専用のストレージを添加してきたティントリの破綻も報じられたばかりだ。

 こうした激動の中、ネットアップは確実に市場の変化に対応してきた。2016年には自社でのオールフラッシュアレイ開発をキャンセルし、早々に買収したSolidFireをラインナップ。2017年には既存のHCIの課題を解消すべく、新たにHCI市場に参入した。そして、2017年度は国内ストレージ市場の容量シェアで1位を通年で獲得したという(IDC調べ)。

 岩上氏は市場とともに成長が鈍化した2016年度からV字回復を果した2018年度までのBusiness Score Cardを披露し、利益や製品の成長率、キャッシュフローなどあらゆる数値が回復した点をアピール。今年20周年を迎える日本法人も2018年5月をもって合同会社となったが、2018年第1四半期も成長を維持しているという。舵取りを担ってきた岩上氏は「トップが変わり、ストレージベンダーからデータマネジメントカンパニーに生まれかわった3年だった。相当タフだった」と振り返った。

データマネジメントカンパニーに生まれかわった3年間の数値

 今後もオンプレミスのストレージ市場は縮小傾向にあるが、その代わりに拡大するのが、HCIとクラウドストレージの市場。ネットアップもこの市場動向に合わせ、2019年度はハイブリッドクラウドを実現する「Cloud Data Services」、HCIを中心とする「Cloud Infrastracture」、そしてITのモダナイズを指向する「Storage System & Software」という3つに事業を再編。引き続き、クラウド時代をリードするとともに、顧客のデジタルトランスフォーメーションとデジタル駆動型ビジネスへのシフトを変革するという。

2019年度の戦略とビジョン

 後半は常務執行役員 CTOの近藤政孝氏が最新の技術戦略とテクノロジーのアップデートを披露。2014年から掲げている「データファブリック」のコンセプト自体は変わってないが、デジタルトランスフォーメーションのために必要なデータの収集から活用までのデータパイプラインを中心に据えたことを説明した。データの発生・収集点である「エッジ」、専用ハードウェアやプライベートクラウドでの「コア」、さまざまなML・AIサービスを利用可能な「クラウド」までを一貫したアーキテクチャで提供できるのが大きな強みだ。

ネットアップのデータパイプライン

いよいよストレージのボトルネックはOSに

 こうしたアーキテクチャの中で、特にAI分野にフォーカスした新製品として発表されたのが、ネットアップとNVIDIAとの連携によって生まれた「NetApp ONTAP AI」になる。5台の「NVIDIA DGXスーパーコンピュータ」とオールフラッシュアレイ「NetApp AFF A800」をシスコの100GbEスイッチで接続した統合型システムによって、データパイプラインが統合化され、ディープラーニングの研究・開発をますます加速するという。

NetApp ONTAP AI

 エッジやコア領域ではIoTデバイス向けのONTAP Selectの検証パートナーを増やすとともに、パブリッククラウドと異なる圧倒的な性能のメリットを追求していく。この背景には、ストレージ基盤技術が進化したことで、性能のボトルネック箇所が大きく変化していることが挙げられるという。

 たとえばSSDをベースとしたストレージインターフェイスは、SCSIベースだったSAS/SATAのボトルネックを解消するPCIeベースのNVMeが台頭。これに伴いストレージ同士のSANプロトコルもNVMe over Fabricに移行しつつあり、前述したAFF A800も業界で初めてエンドツーエンドのNVMe over Fabricをサポートしたオールフラッシュアレイとして発表されている。

ストレージ基盤技術の進化

 そしてフラッシュの進化でストレージのボトルネックが解消し、100GbEの導入やNVMe over Fabricでネットワークのボトルネックも解消。さらにRDMA(Remote Data Memory Access)やSCM(Storage Class Memory)などの技術が具現化することで、今度はOSがボトルネックになってくると近藤氏は指摘する。

常務執行役員 CTOの近藤政孝氏

 これに対しては、アプリケーションから直接フラッシュやメモリなどの物理デバイスにアクセス可能なLinuxスタックを抱えるイスラエルのPlexistoreを買収。低レイテンシなサーバーサイドストレージを実現する「NetApp MAX Data」として今年の後半にリリースする予定だ。PoCレベルでは既存のLinux XFS+NVMeと比べ、レイテンシで44倍、IOPSで67倍の性能差が出ているとのことで、超高速なワークロードの実用化に道を拓くという。

 その他、近藤氏は第2世代を謳うNetApp HCIやAWSなどと連携するオブジェクトストレージサービスのStorageGRID Webscale、Cloud InsightsやCloud Volume、Cloud Orchestratorなど各種クラウドサービスについても概説。さらに、エンジニア向けのコミュニティである「NetApp Digital Transformation Lab」やデータマネジメント戦略のコンサルティングサービスなどネットアップ合同会社独自の取り組みも披露した。

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