プロゲーミングチーム「Sengoku Gaming(戦国ゲーミング)」が福岡で運営するゲーミングネットカフェ「SG.LAN」にて、プロゲーマーとユーザーの対戦&交流イベント「Sengoku Gaming × MSI ゲーム大会 in SGLAN」が7月21日(土)に開催された。
本イベントのレポートを届けるとともに、プロゲーマーが在籍して運営するネットカフェとは何なのか? なぜ福岡という東京から離れた土地での運営なのか? など、気になる疑問を解説する。
鹿児島発のプロゲーミングチーム
戦国ゲーミングは、もともと鹿児島のプロゲーミングチームだ。オーナーの岩元氏は8隻の漁船を率いる漁師であり、そこからの収益をチームに投資しているという。現在は「レインボーシックス シージ(R6S)」や「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」を中心に、7チーム+ストリーマー部門を抱えている。
このうちR6Sチームの「Sengoku Gaming Extasy」は、今年4月にオーストラリアで開催された「アジア太平洋地域プロリーグファイナル」に出場。直近では7月にも日本代表として同じくオーストラリアでのアジア予選に出場した経験を持つ。
戦国ゲーミングではこの「Sengoku Gaming Extasy」のプロ化をきっかけに、九州の都心である福岡を拠点として活動するため今年6月10日にゲーミングカフェ「SG.LAN」を筑紫野市二日市にて立ち上げたという。
しかし、福岡に住んでいる人ならそこに疑問が湧く。「なぜ、繁華街である天神ではなく二日市なのか?」と。その疑問には副代表の松本氏が答えてくれた。
松本氏は韓国に約2年間住んでいた経験を持ち、「SG.LAN」の立ち上げにあたって韓国や中国で人気のネットカフェ「PCバン」を参考にしたという。PCバンはオンラインPCゲームをプレイするためのネットカフェで、それこそコンビニのようにいろいろな場所に店舗があるとのことだ。
福岡・天神の土日の集客力はかなりのものになる。しかしそれは「週末に遊びに行く場所」であって「毎日利用する場所」ではない。そこで松本氏は毎日のように遊んでもらうため、学生が多く住んでいる二日市の駅前に店舗を構えることを決めたそうだ。
まだオープンして約1ヵ月のため商業的に成功しているとは言えないが、それでも駅のまわりにある4つの学校から常連の学生たちが生まれているという。
では、プロゲーミングチームが立ち上げたこの日本版PCバンは儲かるのだろうか? 一般的にはユーザーからの利用料による収入を想像しがちだが、「SG.LAN」ではB2CよりもB2Bでの売上を考えているとの説明があった。
たとえば店内で使用するデバイスのメーカーや、パソコンなどの壁紙を広告企業のものにすることで、ユーザーよりも企業からの広告収入を軸にすることを目指しているそうだ。
オーナーの岩元氏は「ユーザーからの売上は(店舗にかかる経費と)トントンくらいになればいい。お客さんやファンと交流することで、プロとしての意識を高めてもらいたい」とプロゲーマーが在籍するネットカフェを立ち上げた理由を語っていた。
MSI製品で統一されたブース
現在、「SG.LAN」には全部で40台のパソコンが設置されている。これらすべてMSI製だ。パソコン以外にマウス、キーボード、ヘッドセット、マウスパッド、液晶ディスプレーもすべてMSIで統一されている。
これはMSIが「戦国ゲーミング」をスポンサードしているためだ。「SG.LAN」では店舗でユーザーにMSI製品を試してもらい、ユーザーは気に入ったMSI製品があれば購入するという流れが作られている。残念ながら店舗での購入は(今は)できないが、お客さんのなかには自宅のPC環境を「SG.LAN」と同じにしてしまった人もいるという。
せっかくなので、筆者もMSI製品を体験させてもらうことにした。気になったのは液晶ディスプレーだ。なぜなら用意されている液晶が24インチの曲面ディスプレーであり、まだ試したことのないデバイスだったからだ。
しばらくゲームをプレイすると、普段利用しているフラット画面の液晶ディスプレーと比較すると、曲面ディスプレーはかなり画面端が見やすいと感じた。
こうしたゲーミングデバイスを店頭で眺めても使用感はわかりにくいが、ここ「SG.LAN」であれば実際にプレイできるためデバイスごとの良さを把握できるという仕組みだ。
ちなみに「SG.LAN」に設置されている「MSI Optix G24C ゲーミングディスプレー」の価格は税込で2万6000円ほどであり、24インチ、144GHzの曲面ディスプレーがこの価格で買えるのは魅力的だ。