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最新端末を丸裸! スマートフォン定点観測 第206回

キャリアのミドル機「MONO」「Qua phone」「Android One」の速度比較

2018年04月23日 12時00分更新

文● 小林 誠 編集● ASCII編集部

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500通スクロールテストはAndroid One S3が僅差で勝利!

 次は実際に操作をするスクロールテスト。事前にGmailを500通受信しておき、片手操作で上から下へスクロール、500通目に達した時間を競う。Gmailのアカウントは各機種同じ、ストップウォッチを使用し、それぞれ3回計測し、最速と平均タイムを求めている。

(最高値) MONO Qua Phone QZ Android One S3
最速タイム 14秒96 10秒68 10秒65
平均タイム 17秒58 13秒11 13秒00

 トップはAndroid One S3。最速タイム、平均タイムともにトップだ。スクロールの様子は3機種とも同じで、途中で表示が省略されることなく、滑らかに、途中で引っかかりを感じることもなく快適なスクロールが続く。

 それに続く、Qua phone QZもほぼ同じタイム。ただ今回は3機種を注意して比べながらスクロールしていることもあって、Android One S3と微妙な体感の差があった。MONOはスクロールに時間がかかり指が疲れる。スクロールの滑らかさは3機種とも同じだが、指の動かし方で時間差が出てくる。本機の場合は、もう少し指を大きく動かすようにスクロールをしたほうが良かったかもしれない。

文字入力は30秒台が2機種! 最速はMONO!

 さらに文字入力テスト。Gmailの新規作成画面で下記の文章を入力し、そのタイムを競う。キーボードはフリック入力で操作し、予測変換は使わない。全文を入力し、通常変換のみ。各機種片手操作で3回テストし、ストップウォッチで計測、最速と平均タイムを掲載している。

「お世話になっております。ライターの小林です。明日の13時にASCII.jpの件、よろしくお願いいたします。」

 大画面で片手操作が苦手なハイスペックスマホでは、タイムがなかなか短くならなかったが、今回の3機種は5型だけあって、片手操作がしやすく、40秒を切ってきた。

(最高値) MONO Qua Phone QZ Android One S3
入力プログラム iWnn IME Ver.2.1 Google日本語入力 2.22 Google日本語入力 2.22
最速タイム 39秒33 39秒40 41秒39
平均タイム 43秒88 45秒71 42秒11

 トップは最速39秒33のMONO。ただし誤入力が多めで「。」を押したと思ったら「、」が入力されていたりと、その修正で速度にムラが出た。またスクエアな角張ったデザインのため、若干ホールド感に欠け、3機種のなかでは操作が不安定になりがちな印象だった。

MONO

Qua phone QZ

Android One S3

 平均タイムでトップだったのは42秒11のAndroid One S3。こちらは最速タイムが41秒台ではあったが、計測時間のムラが少ない。普段から使っていれば40秒切りは確実だ。

 Qua phone QZも惜しい結果。最速タイムはMONOと僅差だ。初期設定でタッチ操作時のバイブレーションが有効になっており、その振動がやや強めで、計測時間にムラができてしまった。初心者にはむしろ親切な設定なのだが、スマホに慣れたユーザーなら設定でオフにしてもいいだろう(Android One S3も振動していたが、こちらは微弱なので気にならなかった)。

 またMONOをはじめ多くのキャリアスマホが採用しているiWnnと、他の2機種が採用しているGoogle日本語入力では文字種の変換ボタンが違うため、筆者の慣れの差が多少は影響しているかもしれない。

3駅通信速度比較! ドコモ「MONO」がリード

 前サイクルに続いて3キャリアのスマホを取り上げているため、通信速度のテストも行なった。JR横浜駅前、JR東京駅の東海道線ホーム、東京メトロ東西線浦安駅前で測定している。通信速度の測定にはウェブサイトの「BNRスピードテスト画像読込み版」を使用し、各駅で上下各3回測定している。計測日は4月上旬の平日10~12時台。各駅での最高速度と全体の平均速度は以下の通り。

  ドコモ
「MONO」
au
「Qua Phone QZ」
ソフトバンク
「Android One S3」
横浜駅
(下り/上り)
42.09Mbps
9.35Mbps
20.67Mbps/
6.42Mbps
15.63Mbps/
10.00Mbps
東京駅
(下り/上り)
14.14Mbps/
8.08Mbps
22.71Mbps
6.08Mbps
18.33Mbps/
13.22Mbps
浦安駅
(下り/上り)
13.53Mbps/
7.37Mbps
17.93Mbps/
5.44Mbps
25.84Mbps
6.98Mbps
全計測の平均
(下り/上り)
18.42Mbps
7.26Mbps
17.23Mbps/
5.44Mbps
17.28Mbps/
8.93Mbps

 前サイクルのハイエンド機では、ドコモのGalaxy Note8が下り81Mbps、全体平均でも下り37Mbps台を計測したものの、今回はCA非対応機ということもあってか、MONOが横浜駅で計測した下り42.09Mbpsが最速。ただ、現実的には十分な速度だろう。

 全体平均でもMONOがトップではあるものの、下りの平均速度は18.42Mbpsだ。各駅で見ると東京駅ではauのQua phone QZ、浦安駅ではソフトバンクのAndroid One S3が下りでトップ。また上りの速度ではAndroid One S3が横浜、東京、そして全体平均でもトップとバラついている。

ブラウザーの表示時間ではAndroid One S3がトップ!

 最後に通信速度チェックと同じタイミングでブラウザの表示時間もチェックした。場所は通信速度の3駅と同じ。Chromeアプリを使用し、PC版のASCII.jpトップページが完全に表示されるまでの時間を競っている。

 このテストも各駅で3回ずつ実行し、ストップウォッチで時間を計測。また毎回キャッシュをクリアしている。各駅での最速タイムと全体の平均タイムは以下のとおり。

  ドコモ
「MONO」
au
「Qua Phone QZ」
ソフトバンク
「Android One S3」
横浜駅 5秒34 4秒65 4秒98
東京駅 4秒71 5秒04 4秒90
浦安駅 4秒67 5秒20 4秒55
全計測の平均 5秒28 5秒15 5秒03

 ソフトバンクのAndroid One S3が全体平均5秒03でトップ。また通信速度でトップをとった浦安駅では、ブラウザーの表示時間も最短だ。

 しかし他の2機種も全体平均は5秒台前半、MONOは東京駅で、Qua phone QZは横浜駅で最速タイムを出しており、このテストも僅差。また今回も通信速度の結果とブラウザーの表示時間の成績にズレがある。スマホ側の処理速度の影響が大きいのだろう。


スピードチェックは引き分けで!

 今回の3機種は本当に接戦だ。ほぼ同じCPUを搭載しているとは言え、メーカーは違う3機種なのだが、得意不得意があまり見られず、3機種とも似たような結果になっている。誰が使っても3機種とも同じように特に不満無く使えるのでは? 今回は引き分けとしたい。

 次回はカメラ比較。こちらは差が出やすいはず。サクサクと綺麗に撮れる1台はどれか? お楽しみに。


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