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若い人にこそセキュリティーの大切さを知ってほしい! マカフィーが教える最新セキュリティー事情

2018年04月18日 10時00分更新

文● スピーディー末岡/ASCII編集部

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 今年のMWCから単独ブース出展をしたマカフィー(昨年まではインテルブース)。MWCが終わってしばらく経つが、MWCで見た今後のトレンドと、2020年の東京オリンピックに向けたセキュリティー事情を聞いた。

──近い時期にCESとMWCという大きなイベントが連続でありました。両方参加されましたが、違いなどはありましたか?

青木大知氏(以下、青木) やっぱりCESは家電がメインですよね。家の中が中心で、暮らしを良くするという。MWCはスマホと5Gですね。ヨーロッパのIoTはまだこれからという印象を受けました。MWCは社会インフラのお話が多かったですね。

マカフィー コンシューママーケティング本部本部長 青木大知氏

──今回は「マカフィー」として単独ブース出展しました。反響はどうでしたか?

青木 同業者では、AVASTさんやGDATAさんなども単独ブースでしたね。マカフィー自身は、家庭を守るIoT、セキュアホームゲートウェイを展示して、去年のCESのインテルブースで発表したものを、具体的な形で見せられたと思います。ブース内の商談スペースは途切れることなくお客さんがきていましたよ。MWC的にはスペインのキャリアである「テレフォニカ」と提供したことがメディアの方たちの話題になりました(テレフォニカのリリース)。

 今まではハードメーカーとの協業はあったのですが、サービス事業者さんの理解もあってわれわれのエコシステムもできつつあります。

 われわれがいきなりユーザーさんに「こうやるんですよ、これが必要ですよ」と説明しても、ピンとくる方は少数で、大多数の方がよくわからないから必要ないと思ってしまうでしょう。なので、いろんな方々との協業を経てセキュリティーを強化しつつあることを示すことができたのが大きなポイントでした。

──たしかに今年のMWCは全体的に5Gなどのインフラが主役でしたね。

青木 ドコモさんのブースでもスマホの展示はメインではありませんでした。各種IoTなどの社会インフラを意識した展示でしたよね。もはや単にスマートフォンだけという時代ではなくなってきています。われわれにとっては家の中も外もインターネット利用が大事です。ソリューションもパソコンだけのセキュリティー対策からスマホやIoTデバイスにシフトしているし、していかなければいけないでしょう。

 最近マカフィーが「TunnelBear」というVPNの企業を買収しました。個人向けのVPNソリューションに関してもサービスを強化をしていきます。個人情報を守るという意味ではVPNは重要なソリューションです。

──単独でブースを出すことで得られたメリットはかなり多そうですね。

青木 そうですね。単独でブースを構えたことによって、改めてセキュリティー=マカフィーと捉えてもらえたかと。ホームネットワークセキュリティーを目指している中で、具体的なソリューションの紹介もできました。スマホやIoT関連のガジェットなど、守らなければいけないデバイスが増えていますからね。

──コンピューターウィルスで考えた場合、昔はWindowsは対策必須でMacは大丈夫、みたいに言われていましたが、今は大きく変わりましたね。

青木 攻撃の種類が変わってきたことが一番の原因でしょうね。今、多く見られるのはクリック詐欺。メールやWEB経由の攻撃となるため、OSに依存せず、AndroidだろうがiOSだろうが、パソコンだろうが平等に危険です。スマホは個人情報の塊なので、とくに狙われる対象になっています。ネットワーク上だけじゃなく、現実世界でも泥棒やスリからも注目されている。現に今回のMWCでも知り合いがスマホをスられてしまいました……。

 それはともかく、OSや機種に依存しないところでも、守らなければならない範囲が広がっているのです。特定のOSやハードのセキュリティー対策だけでは間に合わない。家庭のIoTデバイスから情報が漏れることもありますし、子供がネットをどう使っているかも把握しておく必要があるでしょう。SHP(McAfee Secure Home Platform)は、まさに家庭内でネットワークの動きをチェックできるソリューションです。今年のMWCではSHPのAlexaスキルが「BEST OF MWC」のアワードに選んでいただきました。

BEST OF MWCに輝いた「McAfee Secure Home Platform」のAlexaスキル

──国によって標的にされやすかったりするかと思うのですが、日本は狙われやすいのでしょうか?

青木 先日終了した「平昌五輪」でも攻撃があったことを確認しています。2020年の東京五輪でもおそらく同じことがあるでしょう。世界的に注目されるイベントはターゲットにされやすいのです。

 ここまで規模を大きくなると、われわれ一企業だけでは間に合いません。自分自身を守るソリューションを通信事業者などと一緒にやっていくことが、この先重要になってきます。前述のテレフォニカとの協業もその一環といえます。われわれは日本ではドコモさんとソフトバンクさんと組ませていただいています。PCだと東芝、NEC、Apple以外はマカフィー製品を使っていただいています。

──東京オリンピックを目途にパブリックWi-Fiを増やすなんて話もありますよね。安全面で不安が残りますが。

青木 いいのか悪いのか、難しいところですね。パブリックWi-Fiについて調査したところ、70%以上の人が何の抵抗感もなく使っていたのです。若い人ほど多く使っている傾向がある。いわゆる「ギガ」の無駄遣いを減らす意味があるんでしょうけど。

 パブリックWi-Fiについて、もちろんセキュリティー面での不安もあります。個人のメールアドレスを登録することが多いですが、それに抵抗がある人もいるでしょう。また、一般的にはなじみがないのかもしれませんが、それらの通信は容易に傍受できることも知っておくべきです。これらをどう解決できるのかが今後の課題ですね。

──若者にこそセキュリティー意識を持ってほしいですね。

青木 日本は残念ながらそのへんの意識はまだ低いかもしれませんね。そういう啓蒙活動を事業者と一緒にやっていかないといけないと、常々思っております。アスキーさんとやっているマイクロサイトもその一環です。丁寧にわかりやすく説明しないと、使ってもらえません。なぜセキュリティーメーカーがいるのか、なぜセキュリティーが必要なのか、これらを紐解いて説明するのは難しいのですが、アスキーさんと一緒に今後もいろいろやっていきたいと思います。

──ありがとうございました。


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