端末の大幅な安値提供や大きな加入特典
回線と端末の費用をきちんと分離して通信料金の「格安」を実現していたかに見えた格安SIMも、とうとうパンドラの箱を開けてしまった。
端末の大幅な値引き価格提供に乗り出したところがある。数千円規模の特価提供はこれまでも多数あるが、万単位の大幅割引に足を踏み入れたのが「楽天モバイル」や「OCN モバイル ONE」だ。
楽天モバイルのスーパーセールによる特価提供は以前から行なわれていたが、通話定額込みで長期契約付きプラン「スーパーホーダイ」が登場してから、スーパーホーダイの特典が極端に多くなっている。
端末の特価提供は回線契約が前提だが、楽天市場のほかのセール商品と同じように安く提供される。
そして、長期優待ボーナスとしてキャッシュバックが受け取れる。キャッシュバックは3年契約で2万円。3年の長期契約はなかなか難しいところだが、それを許容すれば2万円までの端末なら費用はほぼゼロになる計算だ。
OCN モバイル ONEは楽天モバイルと違って年単位の長期契約付きプランがなく、これまでと同様のプランにもかかわらず加入と同時ならば非常に安く購入できる。
公式サイトの端末購入案内から飛ぶ先の直売サイト「gooSimseller」では「最大1万8000円OFF」の文字が表示され、登場まもない新製品の「HUAWEI nova lite 2」が8800円などで販売されている。
また、「gooSimseller」はオリジナルブランドのgooのスマホシリーズを出しているが、こちらも登場したばかりのWiko製の「g08」が6800円などとお得な機種が用意されている。
この金額で購入するためには音声通話付きのSIMを契約する「らくらくセット」限定となるが、音声通話SIMを最低契約期間の6ヵ月間契約した費用を足しても単体で購入するよりも安くなる場合がある。
ちょうどOCN モバイル ONEの加入を検討している人ならさらにお得だ。
3大キャリア、サブブランドの競争も激しく料金最重視なら注目
格安SIM勢もけっこう頑張っているが、春の需要期を迎えて3大キャリアの特価も激しいものになっている。キャリア専売店や大手家電量販店店頭では気づきにくいが、併売店と呼ばれる各キャリアをまんべんなく扱うショップでの価格競争は熾烈だ。
状況を簡単に説明すると「iPhone 8」(64GB)はドコモが「端末購入サポート」機種として、正規の割引込みで機種代金が2万2680円(新規追加、またはMNP転入時)と大幅に下がった。
そのため、下取りや家族の同時加入、さらに販売店独自の値引きを加えればiPhone 8が一括で0円というのもよく見かける状況となっている。
ただし、端末購入サポートで購入すると月々の割引がなくなるほか、定められた期間内(基本的に12ヵ月)に解約すると非常に高額な違約金となる仕組みだ。
また、iPhoneがこのような状況なので、そのほかの機種も割引が大きくなっている。
一方、サブブランドと呼ばれる「UQ mobile」「Y!mobile」は、「iPhone SE」の安値提供が広がっている。
こちらは最新iPhoneではないのもの、月々の支払いが3大キャリアよりも大幅に安いことが特徴。サブブランドでは最初に一括購入していれば「マンスリー割」「月額割引」によって月々の支払い額が格安SIMより大幅に安くなることもある。
この春は、格安SIM卒業もアリ? お得を逃すな
この春は、iPhone 8の特価が進んでいることもあり、端末と月額費用のトータルコストを調べていくと3大キャリア、サブブランド側にも魅力的なキャンペーンが多数用意されている。
出費削減狙いで格安SIMを使っているユーザーは、この春は3大キャリア、サブブランドの特価情報にも注目し、初期費用と月額費用のトータルで考えた料金シミュレーションをするといいだろう。
ただし、3大キャリア、サブブランドに戻るということは例の2年ごとの長期縛りの契約に戻ることになる。また、iPhone 8の大幅割引のような条件で購入すると短期解約の違約金は非常に高額となる。
格安SIMのキャンペーンも含めて、この春は状況を広い視野で調べておいたほうが得。格安SIM同士の乗り換え、サブブランドへの移行、3大キャリアに出戻りも含めてさまざまなものから自分にピッタリのものを探してほしい。
ちなみに筆者はイオンモバイルからUQ mobileに乗り換えたことも報告しておきたい。
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