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震災から7年、福島のイマの魅力をお土産で伝えるプロジェクト

2018年03月11日 13時00分更新

文● 佐藤ポン 編集●南田ゴウ/ASCII編集部

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全町避難にあった大堀相馬焼の窯元が
現代の食卓にマッチする焼き物で勝負

 次に見学した事業者は、福島県白河市にある窯元「いかりや商店」。国の指定伝統的工芸品「大堀相馬焼」を作り続けている。大堀相馬焼は元々、双葉郡浪江町の工芸品なのだが、震災のため町内に25件もあった窯元は、すべて避難することになってしまった。そのなかのひとりが、いかりや商店の13代目店主である山田 慎一氏だ。

作業中の山田氏。すらすらと慣れた手つきで、大堀相馬焼の象徴である「左馬」を描いていた

 山田氏は、地元の伝統を絶やさぬために今から約5年前に現在の白河市に工房を再建。大堀相馬焼の特徴である「貫入」と呼ばれるひび割れ模様と二重底、左向きに疾走する馬が描かれた焼き物を、仲間の職人たちとともに守り続けている。

 「焼き物は気温と湿度に敏感なので、窯の場所を移したばかりのころは失敗の連続でした」と語る山田氏。さらに大堀相馬焼の伝統を守りつつも、これまで培った技術を駆使して、新たに近代的なデザインの食器(テーブルウェア)作りもスタートさせた。

 「福の小みやげプロジェクト」用に開発した商品「福のまめ皿」も、その流れの一環。この商品はデザインの異なる5種類の小さなお皿がセットになっており、1枚ずつ別々の窯元が作っている。色や絵柄が異なる5枚のまめ皿は、窯元や福島をイメージしたデザインが描かれている。

いかりや商店の展示スペースには、山田氏が作ったさまざまな作品が展示されている

最近チカラを入れている「テーブルウェア」の焼き物。上品で飽きのこないデザインが好評。東京の展示即売会に出展し、完売した実績があるそうだ

工房の最深部には巨大な窯が設置されていた。山田氏のすべての作品はこの部屋から生まれる

さまざまな素材が所狭しと並んでいた。これらを配合して粘土を作る

湯呑みを作る工程を実演して見せてくれた。ものすごいスピードで回るろくろから、徐々に湯呑みができてくる。これぞ匠の技

 山田氏は「私だけでなく、それぞれの窯元さんが新しい土地で大堀相馬焼を再スタートさせています。みなさんが新しい挑戦で物作りをしているので応援していただけるとうれしいです」と語った。公式サイト「大堀相馬焼WEB本店」ではさまざまな商品が販売中。食器が好きな方はぜひチェックしてほしい。

■【大堀相馬焼WEB本店
http://somayaki0716.shop15.makeshop.jp/

いかりや商店他、5つの窯元が協力して作った「福のまめ皿(5枚セット)」は5000円で発売中


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