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「avenue jam」特別対談 第15回

Planetway代表 平尾憲映インタビュー 第4回

グーグルがつくった不平等な情報社会を破壊する

2018年03月06日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita) 編集● ASCII

提供: プラネットウェイ

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 世界を変えられると本気で信じたものが時代をつくってきた。テクノロジースタートアップ・プラネットウェイの平尾憲映代表のビジョンは壮大だ。情報国家エストニア生まれの個人情報管理技術をコアに、いまのインターネット市場を破壊する新たな情報インフラをつくろうと考えている。現在の事業基盤は同社独自技術を売りにしたシステム開発。東京海上日動などの一流企業をクライアントにし、今年の1月には、総理とエストニアに同行するなど注目を集めている。現在同社はビジョンの実現に向けさらに事業を成功させたいと考え、新たなメンバーにあなたのような逸材を採用したいと考えているらしい。まずは平尾代表が何者なのかを知り、メールを送るべき相手か判断してみたい。(全4回)

求めるのは、入社したとき過去の実績をすべてリセットできる人

── いまプラネットウェイではどうやって仕事を回しているんですか?

今はまだ問い合わせが来た案件に対応しているだけですが、それでも100社以上のパイプラインがすでにできています。それを3人しかいないビジネスディベロップメント(BD)で回している状態です。BDは50代の1人と40代1人自分の3人でやっています。初めに私がクライアントに説明し、響かなければそこでやめる。説明に共鳴してくれたら、「うちの技術を使ったとき御業界のどんな課題を解決できると感じますか」と問いかける。それで共創していくプロセスです。私たちに業界の課題はわからないので、課題を解決していくユースケースをともにつくるイメージですね。スケジュールは3ヵ月程度。要件そのものが固まるまでに最短1ヵ月~最長半年程度かかります。自分たち3人だけでそれをやるのはむずかしいので、最近では代理店とのパートナーシップも結んでいます。

── 課題の解決に大事なことは。

結局、ベースにあるのは個人のデータ主権時代の到来なんです。最終的にエンドユーザーがメリットを感じてくれる絵ができるまではやらないほうがいい。企業間メリットがあっても中途半端にしかならない。一般消費者が使うことで生活環境が格段に変わって便利になるというユースケースをつくって、業界をさらにかけ算していく。めちゃくちゃ難しいですが、めちゃくちゃ楽しいですよ。

── 新たなメンバーを加えてやりたいことは何ですか。

ヘルスケア、オートモーティブ、フィンテックです。たとえばオートモーティブならカーシェアリング。いま は物理的にクルマの鍵が送られてきていますが、個人情報を鍵に「この運転手に運転させても良いか」をアプリから決定できるようになったらセキュリティーも担保されますし、間違いなく便利ですよね。ヘルスケアについてはすでに東京海上さんと医療・保険業界で実績を作っているのでぜひと思っています。

── 求める人材像は。

能力面もありますが、マインドセットが大事です。具体的には様々な業界を相手にすることになるので、入社したとき過去の実績をすべてリセットできる人が必要なんですよね。過去の実績だけでは太刀打ちできない事業をするとき、自分自身をゼロリセットできるかどうか。究極をいえば人間力ですね。スポンジのように吸収できて、人から愛される人を求めています。年齢は問いません。いま最年長のメンバーは78歳。50~60代でも成長できる環境があります。

── 最後にプラネットウェイのビジョンを聞かせてください。

ひとりひとりがもつ情報の価値を最大化して管理・運用できる、個々人によるデータ主権時代のインフラを提供したいんです。具体的にはサイバーセキュリティ技術とID技術、そしてインターネットに変わるインフラを整えたいと。インフラを素早く普及させるには急激な成長が必要です。目標は来年から1年半でユニコーンになり、10兆円の企業価値をめざすこと。ビジョンの実現には他にも様々な技術群の発展が必要です。インフラを作って、その上にエコシステムをつくるイメージです。

── 消費者がみずから個人情報を流通させる仕組みができると。いまは巨大企業が消費者の個人情報を資産として運用して巨額の利益を得ていますが、その主権と利益を個人に還元できるような仕組みというわけですね。

グーグルなど既存資本主義経済での巨大企業のやり方にはいつか限界がきます。現在、一番偉いのはユーザーだと言っておきながら、一番偉いのは法人で、個人情報を強奪してますよね。ユーザー側にリテラシーがないことを良いことに。でも、それだと良いスパイラルが成り立ちません。いまのインターネットは情報をとってくるときも情報を誰がどう上げたかわからず、情報が乱立している時代です。そこにメスを入れたいと思っています。この情報はAさんの上げた情報をもとに誰が出したものですとか、情報をとりにきた人がしっかり情報の来歴をわかり、かつセキュリティが担保されている状態にしたいと。世界のどこで誰が何をしているかが情報単位ではっきりしていて、実在性を担保された状態にしたい。それが本当の意味でのインターネットだと考えているんです。

── その結果、個人情報がお金の代わりになる。

個人情報が価値をもつようになれば、2030年くらいには「もう資本主義じゃなくてもいいね」という時代が来るはずなんです。Smart-Capitalismと私は提唱していますが。

世界単位で物々交換ができたり、頭の中で思ったことをそのまま世界中の人に送信できるようになれば、もう通貨はいらなくなるはず。その中で、ほぼ100%の人が、お金のためではなく自分のやりたいことで人生をまっとうできる世界を作りたい。そのためにこの会社があるわけです。ぼくは時価総額世界一になっても捨てる覚悟があるんですよ。なぜなら資本主義に意味がなくなるから。そこは通過点でしかない。そこでもう一度リセットして次をつくるんだ。そういう考えに共感してくれる人を増やしていかなければいけないと。

── ビジョンが壮大すぎて理解されないきらいはありませんか。

ぼくからすると、情報をやりとりするインフラ、ID認証、AI、ブロックチェーンがすべてつながっているんですけどね。いきなり資本主義が崩壊するわけではなく、自由主義経済圏が生まれるとか、ステップがあると思います。15年後にそういうスタートが切れると思いますが、ぼくが死んでも意思は後世に伝えていきたいです。もちろん死ぬ前に新時代を確立させますけどね(笑)。

(了)

(提供:プラネットウェイ)

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