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ドコモがチャンネル型の映像サービス「dTVチャンネル」を手がける理由

2018年03月05日 12時00分更新

文● 島徹 編集●南田ゴウ/ASCII編集部

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「dTVチャンネル」はすきま時間向けのサービス

――「dTV」と「dTVチャンネル」は方式が違うとはいえ、両方とも動画配信です。利用者に両方の契約は魅力的だと受け入れられるのでしょうか

山脇氏:可処分時間を考えると、「dTV」はレンタルビデオのように見たい番組を決めて、時間に余裕をもって見られるんですね。特に平日の夜と週末に楽しまれる方が多く、それ以外のすきま時間はゲームなど別のアプリを楽しまれています。「dTV」でもすきま時間に楽しんでもらえるようなショート番組を用意しているのですが、なかなかそこにたどり着いてもらえない。

 ですが、「dTVチャンネル」は短い時間でも「何かやってるかな」と、とりあえず見る感じなんですね。例えば、車が好きな方なら車の映像が流れているだけでもいい。「dTVチャンネル」はすきま時間やながら見でも楽しめます。「dTV」と上手く住み分けられると思いますし、「dTV」の利用者を映像サービスにつなぎ止める効果も期待しています。

――「dTVチャンネル」は、既存の多チャンネル放送に近い内容を放送しています。オリジナルのコンテンツは考えられているのでしょうか。また、たとえば「将棋に強い」といったような強みにしたいジャンルは?

山脇氏:ひかりTVチャンネル+」が我々の独自編成になっているので、各パートナー企業に協力を仰ぎつつ、オリジナルコンテンツを提供していきたいと考えています。まず、3月29日にスキマスイッチのライブ「生配信! スキマスイッチ“新空間”スペシャルライブ」を配信します。

【チャンネル名】ひかりTVチャンネル+ 【番組名】生配信!スキマスイッチ“新空間”スペシャルライブ

 ただし、まだ「dTVチャンネル」は生まれたばかりで、色々と絶賛企画中という段階です。「dTV」の場合は映画連動のスピンオフドラマや、パートナー企業がエイベックスということで、強味である音楽系の生ライブを配信していました。今年度ですと「不能犯」のオリジナルドラマですね。「実写版銀魂」のドラマもかなり見ていただきました。一方、「サンドウィッチマンのぶらり即席コントの旅DX」「ゴッドタン」といったバラエティ番組も配信しています。ジャンルに縛られず、それぞれの企画で「dTV」らしさを考えています。ですので、「dTVチャンネル」もそういった形にはなるのかなと思います。

 このほか、各チャンネルもNTTぷららにご協力いただき、サイマルとはまた異なる編成で提供しています。番組調達はアイキャスト社に協力いただいています。サイマルで提供していただいているチャンネル数は3チャンネルで、そのほかのチャンネルについては、サイマルとは異なる編成で提供しています。「dTVチャンネル」ならではの国内初配信の番組やチャンネルを楽しんでいただけます。

「dTV」では「不能犯」などのオリジナルコンテンツを配信。ドコモテレビターミナルは各サービスのおすすめコンテンツをまとめてレコメンド表示できる

――「dTVチャンネル」と同時に、2018年春予定の固定網向けサービス「ひかりTV for docomo」も発表されました。こちらも同じ多チャンネルリニア配信ですが、なぜ両方扱うのでしょうか

山脇氏:ドコモはNTTグループの位置づけで、コンシューマー向けサービスを全面的に取り扱っています。そのなかで、スマホで見られる方、個人で映像を楽しむ若い世代には「dTVチャンネル」、固定網で多チャンネルを楽しまれるファミリー向けやシニア層には「ひかりTV for docomo」を取り扱うことで、より広いお客様に使っていただきたいということです。

 また、NTTぷららの「ひかりTV」は映像配信の知見も人脈もあります。NTTグループ内にここまで強いプレーヤーがいるなら、当然使わないわけにはいかないという考えです。「dTV」のエイベックスと3社でうまく相乗効果を出していけると考えています。

――dTVチャンネルは、基本的に若い世代に向けて展開するということでしょうか

山脇氏:まずは、若い世代をターゲットにしています。リニア配信の多チャンネルにあまり触れていない世代なので、「dTVチャンネル」をきっかけに多チャンネルは楽しいと思っていただきたい。そのうえで、ゆくゆくはファミリーでの利用になり、より番組数の多い「ひかりTV for docomo」に移行してもらえればと思います。「ひかりTV for docomo」を契約すると、引き続き追加料金なしで「dTV」と「dTVチャンネル」も利用できますので。

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