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山谷剛史の「アジアIT小話」 第150回

中国で発売されたMeituの「セーラームーン」スマホを買ってみた

2018年02月01日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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スペックはミドルレンジクラス

 スペックはディスプレーが5.2インチ、CPUは10コアの「MediaTek Helio X27」(2.5GHz)、GPUはMALI T880、メモリーは4GB、ストレージは128GBとなっている。バッテリー容量は3100mAh(交換不可)。

 インカメラはソニー製1200万画素とサムスン製500万画素のデュアルレンズで、アウトカメラはソニー製の2100万画素となっている。

 アウトカメラにフラッシュ2個、インカメラには定常光ライトを内蔵する。SIMスロットは1つ。microSDカードスロットはなく、USBケーブル経由で充電やデータのやりとりを行なう。

大陸版はやっぱりGoogle Playに非対応

ホーム画面の壁紙は8枚用意されている。いずれもセーラームーンを意識したピンクと黄色のグラデーションと星の柄となっている

ホーム画面の壁紙は8枚用意されている。いずれもセーラームーンを意識したピンクと黄色のグラデーションと星の柄となっている

 起動するとまず登録作業がはじまる。言語も設定できるが、選べるのは英語と中国語のみで日本語はない。

 登録が終了すると、セーラームーンモデル限定のホーム画面が出てくるが、これもまた少し洗練された、「わかる人はわかる」系のデザインとなっていて、女子心をわし掴みするデザインとなっている。

OSはAndroid7.1ベースの「MEIOS」。美図の独自UIを採用したOSだ

OSはAndroid7.1ベースの「MEIOS」。美図の独自UIを採用したOSだ

 全体的にパステルカラー基調の独自UI「MEIOS」は、ターゲットをカワイイ狙いの女子にしているのか、標準のAndroidからできることを引き算し、細かな設定を減らし、よりシンプルにしている。

 美図の代名詞であるビューティプラスの中国版「美図秀秀」はプリインストールしているので、すぐに利用することが可能。美図が用意したアプリストアからLINEもダウンロードできる。

 ただし、中国で発売されるスマートフォンがそうであるように美的M8sもまたGoogle Playが入っておらず、美図に問い合わせたところ大陸版はGoogle Playは非サポートとのこと。

 日本のアプリをインストールし、利用することを前提に買うならば、高くても香港版がいいだろう。

コストパフォーマンス的にはやや割高か

AnTuTuでのベンチマーク結果。遅くはないが高得点とはいいがたい

AnTuTuでのベンチマーク結果。遅くはないが高得点とはいいがたい

 中国産定番ベンチマークアプリ「AnTuTu」をインストールし、実行してみると、スコアは84950となった。これは現在発売されているハイスペックなiPhoneやAndroid搭載スマートフォンの半分程度となっている。

 同じCPU搭載スマートフォンでは、ノンブランドながら1300元程度(2万2000円強)で販売されている機種もあり、美図M8sは自撮り女子には人気のブランドで、かつ人気のキャラクターを使っている限定モデルだけに値段が高くなっているといえる。

 とはいえ、普通にアプリを入れて利用している分にはもたつきは感じられず、ゲームの「Fate/Grand Order」を動かしてみたが、もたつきはなく遊べた。

「MoreLocale2」で日本語化してみた

「MoreLocale2」で日本語化してみた

 MEIOSは「MoreLocale2」というツールを使うことで一応日本語化ができる。PCにつないで所定のコマンドを打ち、日本語を選択すると、本製品のMEIOSには日本語が含まれていないようでメニューは英語のままだが、Google ChromeやESファイルエクスプローラー、WeChatなど、日本語対応しているアプリは日本語表示になる。

 ただし起動するとロケールが戻るので再度設定が必要となる。

 このように中国本土向けM8sは、一見「かわいい」という物欲を満たす製品ではあるが、MEIOSを日本人が使いこなすには少々じゃじゃ馬であるという印象だ。

 次回は美図の代名詞的な自撮り撮影機能について、自撮り女子の意見や写真とともにレビューしていく。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場」「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 」(星海社新書)。

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