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パナソニックが本気でパフォーマンスにこだわるとこうなる

4コア化した第8世代CPU搭載で一新! 設計の差が出るレッツノートSVシリーズ

2018年01月26日 15時00分更新

文● 宮里圭介 編集●村野晃一

提供: パナソニック

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インテル® Core™ i7プロセッサー搭載
パナソニックストアでも好評発売中(jp.store.panasonic.com/pc/)
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 レッツノートといえば、軽量、長時間駆動、頑丈、高性能といった特徴を持つシリーズ。新モデルの「レッツノートSV7」ではCPUに最新の第8世代Coreを搭載することで、これらの特徴を継承しつつ、さらに「高速化」まで実現しているのが特徴だ。

 第8世代Coreの最大の特徴は、2コアから4コアへとコア数が倍増したこと。実はノート向けのCPUは第7世代でも4コアモデルがあったものの、これはあくまで大型のゲーミングノートや一体型PC向けのものだった。消費電力や発熱がかなり大きいという弱点があった。具体的なTDPの数値で比較すると、2コアモデルが15Wなのに対して、4コアモデルは45W。一般的な薄型ノートやモバイル機に搭載できるようなCPUではなかったのだ。

 これに対して第8世代Coreは、TDPが従来と同じ15Wのまま4コア化を実現しているのがメリット。同じ筐体のまま4コアCPUを搭載できるようになったわけだ。これだけ聞くとスゴイと思うが、実は、少しカラクリがある。第8世代Coreでは4コア化した替わりに、ベースクロックが大きく引き下げられているのだ。

 これは発熱量を抑えるためのもので、薄型ノートで安定動作を実現するには必要なものだ。ただし、引き下げられているといっても、これはあくまでベースクロックの話であって、最大動作クロックは据え置きどころか上限が上昇している。つまり、従来以上によく冷える筐体であれば、動作クロックを低下させずにCPU本来の性能を引き出せるようになる。今まで以上に設計の優劣が問われるわけだ。

4コアCPUの実力をフルに引き出す新設計筐体

 従来の筐体設計のまま第8世代Coreを搭載することもできるのだが、それではCPU本来の性能を引き出せない。この点にこだわり、実力を伴った1台となるよう、 4コアCPU用に新たに設計されたのが「レッツノートSV7」だ。

 とくにCPUの冷却機構は大きく改良されており、新開発ファンの採用、放熱フィンの形状見直し、そして、吸気口の変更で空気の流れを最適化するといった工夫がある。それぞれひとつずつ見ていこう。

 まずは新開発ファンだが、従来と比べファンブレードの形状を変化させたのが大きな違いだ。具体的には、S字状に緩やかにカーブしたブレードを上下2段にわけて位置をずらして配置する位相反転形状を採用。これによって動作音が抑えられ、より高回転でファンを動かせるようになった。さらにブレードを薄くすることで枚数を増やし、風量もアップしている。

枚数を増やしたブレードを薄くし、位置をずらした2段構造になったファン部

 放熱フィンは中央部を凹ませることで、フィンの隙間を通る風量を均一化。従来は中央部分の風量が減ってしまっていたが、これにより中央部分にもしっかりと空気が流れるようになり、冷却効率がアップしている。

放熱フィンは中央部が凹み、風量を均一化する設計がなされている

 SZでは大きな吸気口がなく、側面のコネクタ等からの吸気となっていたが、SV7では底面に吸気口を配置。これにより風量を確保できたほか、筐体内の空気の流れを最適化することができ、さらに冷えるようになったわけだ。

 CPUから発生する熱をその場で冷やしてしまうと、本体内に熱が拡散されてしまって内部温度が上昇してしまう。するとCPUクーラーの冷却性能が少しずつ低くなり、ついにはほとんど冷えなくなってしまうわけだ。またPC本体そのものが高温になり、熱くて触れずキー入力すら困難になる。

 そこでCPUの熱はヒートパイプで移動し、排気しやすい側面からファンユニットを使って排出するという構造になっている。こういった構造は以前と大きく変わるものではないが、SV7では新開発ファンの採用、さらに新たに底面へ吸気口を増設するといった変更を加えることにより、4コア化された第8世代CoreのCPUを強力に冷やしているわけだ。

レッツノート SV7の内部構造

ベンチマークソフトで4コアCPUを搭載したSV7の実力をチェック

 それでは、4コアの第8世代Core用に設計されたSV7の実力を見てみよう。今回試用したSV7のスペックは、第8世代CoreのCorei7-8550U、8GBのメモリー、512GBのSSDを搭載し、OSはWindows 10 Pro。LTE nano SIMに対応し、標準でLバッテリーを搭載した「CF-SV7MFRQR」だ。 比較対象は、そろそろ買い替えが気になるユーザーのために、2013年秋冬モデルとなる「レッツノートSX3」を用意した。 これは、第4世代CoreのCore i5-4200U、4GBのメモリー、750GBのHDDを搭載し、OSにWindows 8.1 Proを採用したモデルだ。

 ベンチマーク用のソフトとしては、純粋なCPU性能の比較用に「CINEBENCH R15」、一般用途での性能比較用に「PCMark 10」を使用した。

「CINEBENCH R15」で純粋なCPU性能を比較

 CPUを使ったCGのレンダリング速度から性能をチェックしてくれるのが「CINEBENCH R15」。コア数の増加が素直に反映されることもあり、CPUの性能を比較するのにピッタリなベンチマークソフトだ。結果は独自の「cb」というスコアで表示され、値が高いほど高速なCPUとなる。すべてのコアをつかう「CPU」と、1つのコアだけを使う「CPU(Single Core)」の2つの数値で性能を比較してみよう。

SV7の計測結果
SX3の計測結果
CINEBENCHの比較グラフ

 まずはすべてのコアを使った「CPU」のスコアを比べてみると、SV7のCore i7-8550Uが609cbというのに対し、SX3のCore i5-4200Uは234cb。単純な比較で、約2.6倍もの差がついていることになる。もちろんコア数が2倍になっていることも大きいが、それ以上の性能の伸びになっているのは、SV7がしっかりとCore i7-8550Uの実力を引き出せているということの証拠だろう。

 「CPU(Single Core)」のスコアも同じように比較してみると、性能は約1.6倍。コアの改良や動作クロックの向上により、たとえマルチスレッドに対応しない古いソフトを使ったとしても、これだけの性能向上が期待できるわけだ。

「PCMark 10」でPCの総合性能を比較

 続いてCPU単体ではなく、総合性能をチェックするベンチマークソフト「PCMark 10」でもSV7とSX3を比べてみよう。PCMark 10には大きく3つのテストがある。「Essentials」はソフトの起動時間やブラウザーの速度、ビデオ会議などからなるテストで、一般用途を想定したものだ。「Productivity」はワープロソフトや表計算ソフトでの処理など、ビジネス用途を想定している。「Digital Content Creation」は写真や動画編集、CGレンダリングなどのテストで、コンテンツ制作を想定したテストとなっている。

 これら3つのテストを個別に見ていくことで、一般的なソフトを使った場合の実性能に近い比較ができるわけだ。では、先ほどと同じくSX3とどのくらい性能に差があるのかを見ていこう。

SV7の計測結果
SX3の計測結果

<Essentials>

 まずは「Essentials」。SV7が7084に対してSX3は4151。とくに差が大きかったのがソフトの起動時間で、SX3ではストレージがHDDなのに対し、SV7ではSSDを搭載しているというのが大きく影響しているようだ。それ以外のテストもスコアが1.7倍前後上昇しており、CPU性能の上昇が大きいと考えられる。

<Productivity>

 続いて「Productivity」。SV7が5932に対してSX3は3580で、1.6倍以上もスコアがアップしている計算だ。表計算ではCPU性能が影響するのはわかるが、ワープロソフトでも大きく差がついているのが意外だった。CPUだけでなく、内蔵グラフィックの性能向上も影響しているのだろう。

<Digital Content Creation>

 そして「Digital Content Creation」。SV7が2333に対してSX3は1492。単純比較で、こちらも約1.6倍となっている。詳細を見ると、とくにスコアが伸びているのは写真編集と動画編集。CPU性能が有利になる用途では、やはり4コアCPUを搭載しているSV7が強い。

 SX3からの買い替えであれば、どんな用途であっても体感でわかるほど高速化するのは間違いないだろう。


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