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オリジナルのマスターテープからミキシングした2017年版の音源

ビートルズ8作目 ハイレゾ版の音に注目すべき理由

2018年01月20日 12時00分更新

文● 貝塚/ASCII.jp

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ビートルズの名作、待望のハイレゾ配信

ビートルズ8作目のオリジナルアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」

 「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 」は、ビートルズ8作目のオリジナルアルバムである。楽曲によって、シタールやタブラーといった民族楽器なども使用しており、意欲作・実験作と評価されることもあるが、「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」や「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」などの人気曲も収録されており、最も好きなアルバムにあげるファンも多い傑作。

 そんなサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドのハイレゾ版が配信開始となった。オリジナルの13曲に、新たにステレオミックスされた13曲のオルタネイト・テイクス、「ペニー・レイン」の2017年ステレオミックス、インストゥルメンタル・テイク、「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」の2015年ステレオミックス、2つのオルタネイトテイクスを追加し、合計で31曲を収録した大ボリュームなパッケージとなっている。

 品質は96kHz/24bitのFLAC音源で、生前ビートルズのプロデューサーを務めたジョージ・マーティンの息子ジャイルズ・ マーティンと、共同作業者のサム・オケルがオリジナルのマスターテープから、新たにミキシングした2017年版の音源だ。

現代的なミックスだが、レトロ感が生きている

 アルバムタイトルの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」というのは、ビートルズの考案した架空のバンドであり、本作は、「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドのショーをアルバムにする」というコンセプチュアルなアルバムでもある。

 このため、観客の歓声なども演出の一部として取り入れられており、それによって感じられるライブ感も、アルバムを構成する要素のひとつとなっている。

 今回のミックスは、オリジナルのマスターテープから録音されているため、現代的なデジタルのレコーディング過程で生まれた作品とは明らかに気配が異なる。

 オーディオトラックにノイズをあえて載せ、擬似的にアナログ感を演出するという手法は現代のレコーディングでも広く使われているが、このアルバムには、それらの技術の元になっているであろう、本物のアナログノイズが収録されている。クリアだからこそ、レトロなノイズの表情がリアルに感じられ、高音質だからこそノイズが邪魔にならず、味わいとして作品全体の質感を高めている。

 それでいて、音質はクリアで、パン振り(ミックス段階での音の定位の調整)は、リズムパートやボーカルを軸に、上物を散りばめている構成が多く、現代的。民族楽器が多用されているこのアルバムは、こういった今風のミキシングとの相性が抜群だ。

 写真にたとえれば、デジタルカメラで撮影した画像に、アナログ感を演出するノイズ加工をほどこしてプリントしたものと、ネガフィルムから現像した写真を、現代の最高の技術でプリントしたものの違いであると思う。

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