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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第437回

業界に痕跡を残して消えたメーカー インテルの技術者が起業したSMPサーバーのSequent

2017年12月11日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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データベースサーバーとしてのニーズが急増

 このシリーズは1993年に入り、PentiumプロセッサーのリリースにあわせてSymmetry 2000/x90に刷新された。

 ローエンドのSymmetry 2000/290がPentium/66MHz×2と16ユーザーライセンス付きで8万5500ドルから、ミドルレンジのSymmetry 2000/490はPentium/66MHz×10と無制限ユーザーライセンス付きで80万1600ドルからという価格がついた。

 さらに、2台のSymmetry 2000をクラスター接続するSymmetry 2000/990もラインナップされ、こちらは最小構成で27万1900円からとなっているが、おおむね100万ドルを超えるのが一般的となった。ただそれでも性能/価格比はかなり良好ということで、引き続き好調であった。

 実はこれを支えたのはOracleであった。Symmetry 2000シリーズ上でOracleが移植されたが、こちらはプロセッサーの数を増やすほど検索性能が比較的ストレートに上がる、ということでデータベースサーバーとしてのニーズが急増した。

 これに対応してOSもDYNIXから、UNIX System VベースのDYNIX/ptxに更新された。またSymmetry 2000/990のクラスター構成は、Oracle Parallel Serverの高信頼性機能(片方のマシンがダウンしても処理を継続できる)に対応したもので、こうした信頼性を要求するユーザーに受け入れられることになった。

 1994年にはラインナップをSymmetry 5000に変更するが、基本的には既存のSymmetry 2000の延長で、違いはプロセッサーがP54Cベース(Pentium/100MHz)になったことと、クラスターが最大4wayまで対応したことである。

 既存のSymmetry 2000シリーズからのアップグレードパスも提供された。このSymmetry 5000シリーズも何世代かあり、プロセッサーもPentium/100MHzとPentium/120MHzが混在している。またDYNIX/ptxに加え、Windows NTを走らせることが可能になった(VGAカードの追加が必要)。

RICM(Rhode Island Computer Museum)が収集しているSymettory 5000/SE70

Symettory 5000/SE70のフロントパネル内部

Symettory 5000/SE70のバックパネル側。Pentium/100MHz×2、256MBメモリーという構成だ

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