ハリウッドからハイテクまで
“不適切な関係”がいろいろなところに
さて、記事冒頭に戻り、「個人的な理由」とは何なのだろうか? 最初に報じたThe Informationによると、Google時代に“不適切な関係”があったという。
Googleでは、上司と部下の恋愛関係を禁止しており、そのような関係になった場合は会社に報告しなければならないとのこと。Rubin氏の件は、部下の女性が苦情を出したことで明らかになったようだ(2人がGoogleにいた頃だ)。そして“不適切な関係”があったことが認められる、という最初の調査結果が出た直後にRubin氏はGoogleを辞めたのだという。
「2014年、Googleの人事部門はRubinの告発者に、調査結果の中でRubin氏を懲戒処分にすることを推奨していると告げた」とThe Informationは記している。すべて内部の情報筋からの話のようだ。
なお、EssentialはThe Informationに対し、「Rubin氏がGoogle時代に持った関係は合意の上のものだ」と語っている。
折しも、2017年は米国でセクハラ問題が大きく取り上げられた年となった。春にはベンチャーキャピタルと女性起業家との間のセクハラが数件明らかになり、その後はハリウッドの名プロデューザーを始め、エンターテインメント界で次々と明らかになった。同様の話はハイテク業界でも、Uberや人事系スタートアップのBetterWorksなどがある。
真相は当人たちしか知り得ない部分もあるわけだが、Rubin氏の休職がEssentialに与える影響はどうなのだろうか。
Essentialの出足は必ずしも良好とは言えない。Sprintによると開始から1ヵ月弱での販売台数はわずか5000台とのこと。ヒットとは呼べない。端末の価格が(200ドル近く値下げしても)500ドル近くすることを考えると、消費者はRubin氏の存在を知っていて、関与しているとわかっていない限り、手を伸ばさないのではと言える。
なお、Rubin氏不在の間、社長兼COO(最高執行責任者)のNiccolo de Masi氏が業務を取り仕切るという。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
この連載の記事
-
第338回
スマホ
ファーウェイはクラウドとスマホが好調で大幅利益増と中国国内で復活の状況 -
第337回
スマホ
米司法省、アップルを独禁法違反の疑いで提訴 その中身を整理する -
第336回
スマホ
Nokiaブランドのスマホは今後も出される! バービーとのコラボケータイ、モジュール型などに拡大するHMD -
第335回
スマホ
ファーウェイスマホが中国で好調、次期HarmonyOSではAndroid互換がなくなる!? -
第334回
スマホ
Nokiaのスマホはどうなる!? HMD Globalが自社ブランドのスマホを展開か -
第333回
スマホ
アップルがApp Storeで外部決済サービスを利用可能に ただし手数料は27% -
第332回
スマホ
米国で特許侵害クロ判定で一時は米国で販売停止のApple Watch、修正は認められるか? -
第331回
スマホ
2023年は世界で5Gが主役になった年 世界の5G契約数は16億に -
第330回
スマホ
iMessageが使えるAndroidアプリが作られ、すぐ遮断 そしてRCS対応 吹き出しの色を巡る攻防 -
第329回
スマホ
10月の世界でのスマホ市場は前年同月比5%増 なんと27ヵ月ぶりで暗黒時代を脱出したかもしれない -
第328回
スマホ
一時はウェアラブルの代名詞だった「Fitbit」が一部の国で販売停止 Pixelにブランド統一か - この連載の一覧へ