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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第189回

Androidの父、アンディ・ルービン氏がEssentialを休職、グーグル時代の“不適切な関係”が浮上

2017年12月06日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII編集部

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ハリウッドからハイテクまで
“不適切な関係”がいろいろなところに

 さて、記事冒頭に戻り、「個人的な理由」とは何なのだろうか? 最初に報じたThe Informationによると、Google時代に“不適切な関係”があったという。

 Googleでは、上司と部下の恋愛関係を禁止しており、そのような関係になった場合は会社に報告しなければならないとのこと。Rubin氏の件は、部下の女性が苦情を出したことで明らかになったようだ(2人がGoogleにいた頃だ)。そして“不適切な関係”があったことが認められる、という最初の調査結果が出た直後にRubin氏はGoogleを辞めたのだという。

 「2014年、Googleの人事部門はRubinの告発者に、調査結果の中でRubin氏を懲戒処分にすることを推奨していると告げた」とThe Informationは記している。すべて内部の情報筋からの話のようだ。

 なお、EssentialはThe Informationに対し、「Rubin氏がGoogle時代に持った関係は合意の上のものだ」と語っている。

 折しも、2017年は米国でセクハラ問題が大きく取り上げられた年となった。春にはベンチャーキャピタルと女性起業家との間のセクハラが数件明らかになり、その後はハリウッドの名プロデューザーを始め、エンターテインメント界で次々と明らかになった。同様の話はハイテク業界でも、Uberや人事系スタートアップのBetterWorksなどがある。

 真相は当人たちしか知り得ない部分もあるわけだが、Rubin氏の休職がEssentialに与える影響はどうなのだろうか。

 Essentialの出足は必ずしも良好とは言えない。Sprintによると開始から1ヵ月弱での販売台数はわずか5000台とのこと。ヒットとは呼べない。端末の価格が(200ドル近く値下げしても)500ドル近くすることを考えると、消費者はRubin氏の存在を知っていて、関与しているとわかっていない限り、手を伸ばさないのではと言える。

 なお、Rubin氏不在の間、社長兼COO(最高執行責任者)のNiccolo de Masi氏が業務を取り仕切るという。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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