小都市の仕事ほど、機械に奪われやすい。MITメディアラボの研究者はこう指摘する。メガシティへの一極集中は小都市を消滅させる可能性がある。
ロボットと人工知能(AI)が労働市場に大きな激変を引き起こそうとしている。当然、労働者の居住地にも劇的な影響を与えるはずだ。
マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの研究者であるイヤッド・ラーワン准教授についての記事を先日、掲載した。ラーワン准教授は、小都市が自動化の影響を最も受けると主張している人物だ。研究の中で、ラーワン准教授は、大都市には判断や解析を伴う仕事が過度に集中し、小都市には単調で事務的な仕事が過度に集中すると結論付けている。仕事が機械化されることで、小都市がさらに苦しむことを意味する。
ラーワンは11月8日、マサチューセッツ州ケンブリッジで開かれたMITテクノロジーレビュー主催のカンファレンス「EmTech」で講演し、メガシティの急成長について説明した。「都市化現象は現在起きています」「人工知能(AI)は都市化に歯止めをかけることができません。実際、都市化は加速するでしょう。なぜなら、小都市の仕事は自動化で大量に奪われるからです。生き残るには、大都市へ移らなければなりません」。
問題は、労働者が移動すると、小さな町はどうなるかということだ。ラーワン准教授は「小都市は完全に捨てられ、誰もがメガシティに移住する可能性があります。ですが、スムーズに移動するかどうかは不明です」と語った。ラーワン准教授の主張は正しい。住宅戸数、インフラ、求人市場は、大幅で急速な人口増加にうまく対応できないでいる。
ラーワン准教授はこう提案する。政策立案者は、人口の少ない地域の活用法を考え直さなければならない。一連の新規産業に投資し、自動化の波に飲まれた地域から移転可能な就業機会を提供する必要がある。