ASUSはIFA2017に向けて、8月31日に新製品を一気に発表した.PCだけでもZenBook Flip 14と同15、同Sに、VivoBook Flip 14と同S14、そしてZenBook 3 Delux と同13の合計7機種にもなる.4K液晶ありGTX搭載モデルあり、そして第8世代コアありだ.
この中からASUSが日本向けに選りすぐったのが、第8世代コア搭載モデルで、9月21日に発表した「ZenBook 3 Delux」はi7-8550Uを搭載.27日に発表の「ZenBook Flip S」はi5-8250Uを搭載している.デラックスを試用できたのでレポートする.
ぐおおお第8世代ィィィィ~~
薄くて上品でキレイでござる
日本で発売となる「ZenBook 3 Deluxe」は 「UX3490UAR」というモデルで、i7-8550Uはもちろん4コアで、動作周波数は1.8GHzと低めだが、ターボブーストで最大4.0GHzまで上がる.内蔵GPUはUHDグラフィックス620でVRAMはメインメモリと共有だ.
メインメモリは2133MHz LPDDR3を16GB、SSDはPCIe3.0x4を1TB内蔵している.海外ではi5やメモリ・SSDが半分のモデルもあるが、今回日本で発売となるのは最上位最大量の1モデルのみで、オレたちバリバリオタクにはありがたい配慮なのだ.
ディスプレイは14型のフルHD(1920×1080ドット)IPS液晶でノンタッチだが、表面はゴリラグラス5を採用している.狭額縁により、ベゼル幅は7.5ミリと狭く、流行りのスクリーン・ボディ・レシオは84%で、14型液晶ながら、フットプリントは13型レベルのコンパクトさだ.専用アプリを使って、ブルーライトの軽減やビビッド、さらに手動での色みの変更もできる.
キーボードはきちんと日本語配列ながら、かな文字は右下に小さくプリントしているので、とて見た目がスッキリしている.バックライトを点灯すると、文字が金色に浮き上がる感じで、とても高級感がある.
スリムノートながら、ストロークは1.2ミリで押した感があり、ピッチも19ミリと余裕がある.特に左手前のCTRLとFnキーが大きくて気に入ったのだ.
サウンドはおなじみHarmanKardonとの共同開発スピーカーが、キーボードの奥に2つと、底面の手前寄りに2つ搭載されている.スリムノートながら、非常にいい音が鳴る.
インターフェースはType-C端子が3つあるだけで、うち2つはThunderboltで映像出力と本機への充電をサポート、ひとつはUSB3.1でやはり本機への充電をサポート.ASUS謹製のミニドックを本体と同梱しており、Type-AとHDMI、電源供給用のType-Cを搭載している.
本体サイズは329×214ミリで厚みが12.9ミリとかなり薄いが、おなじみのアルミ合金ボディでヤワさはまったく感じない.
バッテリーは46Wh内蔵で重量は1.1キロ.JEITA2.0基準で10時間駆動する.もちろん、おなじみASUSの「ヘルスチャージング」設定を使えば、バッテリー持続時間と寿命のバランスを自分で決められる.
ぐおおお第8世代ィィィィ~~
第7世代より70%も速かったぁぁ~~!!
さて、一番知りたい第8世代コアの速度だが、まずおなじみCinebenchR15のCPU値は最高で611が出た.第7世代の2コアのモバイルCPU「i7-7500U」では360前後なので、70%も速くなっていることになる.
インテルは第8世代コアの発表時に、第7世代比で40%増しであるといっているが、それを超えた.ともにTDPは15Wであるが、7500Uはクロックが2.7~3.5GHzで、今回の8550Uは1.8~4.0GHzである.
参考までTDPが45Wの第7世代の4コアCPU「i7-7700HQ」の場合は2.8~3.8GHzで、CinebenchのCPU値は平均740前後である.消費電力が3倍で速度向上は20%ということになる.というか15WでHQの80%の速度が出ているというのは立派なのだ.
ZenBookのCinebenchのOpenGL値は54で、HD620搭載の7500Uの45と比べて約20%増しに留まった.最大動作周波数はHD620の1.05からUHD620の1.15GHzに上がっている(約9%)が、それ以上の速度向上をしてることになる.それを確かめるために3DBenchも実行してみたが、FireStrikeでは7500Uの950前後が、このZenBookでは1120でやはり18%増しである.
SSDについては、今回の試用機はサムスンのおなじみPM961シリーズ「MZVLW1T0HMLH」を搭載しており、CrystalDiskMarkのシーケンシャルマルチのリードが3357、ライトが1765と現行ノートの中でも最高速レベルの好成績だった.
ベンチマークテストを繰り返していると、発熱のためか値が若干落ちていくことがあった.第7世代コアと同じボディに第8世代コアを搭載しているモバイルノートでは同じことが起きる可能性があるし、逆にファームアップで直る可能性もある.
バッテリー容量は46Whと、スリムモバイルとしては平均的な量で、おなじみBBenchで液晶輝度最大+省エネ設定OFFで4時間と5分も駆動した.4コアになったとはいえ、WEB巡回では7500Uと変わらない消費電力ということである.
ちなみにACアダプターは最高20V3.25A出力の65W型で、充電時間は放電と同条件で使用しながらで50%まで58分、70%まで1時間44分、90%まで2時間36分かかった.Type-Cのクイックチャージを利用しているせいかもしれないが、50%30分くらいを目指していただけるとありがたい.
モバイルノートも4コアが常識に
この冬は第8世代コアを買うのだっ!!
インテルが主張していたとおり、第8世代コアは「ひさしぶりに速度が上がった」CPUである.すでに富士通のUHやデルのXPS13、レノボのideapad、そしてRazerのStealthなど、ウルトラブック系ノートたちは第8世代コア搭載が進んでいる.他メーカーの搭載ノートも、ZenBook 3 Deluxのような速度を出すとしたら、もう第7世代コア搭載したノートを買う理由がなくなる.第8世代Uプロセッサーによって、モバイルノートは4コアの世界に突入し、もう後戻りはできない.そして、外部GPUを搭載したプレミアムノートやゲーミングノートでも利用が広がるに違いない. そんな中で、このZenBook 3 Deluxは、スリムで狭額縁ながら、メモリもSSDもたっぷり搭載して、液晶も音も○なので1.1キロという重量が許容できれば、今最高に欲しまるモバイルノートなのであ~~る.