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大手の半額で配送、中小物流会社らが共同仕分宅配センター設立

2017年10月17日 02時04分更新

記事提供:通販通信

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(株)ライフポーターは16日、首都圏の中小運送会社・倉庫会社8~10社と共同で、宅配便の仕分けから配達までを行う「共同仕分宅配センター」を来年3月、千葉県浦安市に設立すると発表した。中小物流会社が共同で利用する仕分け・配送センターを設立するのは全国で初。

物流倉庫外観

運賃は大手宅配便の5割程度

 協同組合または出資契約の形態で運営し、大手宅配便の5割程度の運賃で配送することで、荷主側の経済的負担を軽減するという。さらに、大手宅配会社より約5割増しの配達手当をドライバーに支払うなど、個人運送事業者の収入アップや労務・職場環境の改善にも取り組むとしている。

 「共同仕分宅配センター」は、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬の各運送会社が通販事業者から集荷した荷物を、ライフポーターが所有する約4000坪の自社倉庫のうち約800坪のスペース内で仕分けし、首都圏内の商業地・住宅地の消費者に配送するもの。

 同センターでの“大仕分け”は同社が担い、2次仕分け以降は各県に拠点となる倉庫を設けて対応。遠隔地への配達を大手配送業者に委ねることにより、同センターでは首都圏内で商業地区・住宅地区に特化した営業に専念する。これにより仕分けから配達までを大手宅配便運賃の半分程度の1個350円(60サイズ、2kg)に抑えることが可能ではないかと同社では見積もっている。

個人宅配ドライバーの環境改善へ

 同社によると、現在個人ドライバーの配達手当は1個(送り状1枚)あたり130円程度。毎日70個の荷物を運んだとしても、1カ月で30万円ほどの収入にしかならない計算となる。そこで同センターでは、個人ドライバーに直接仕事を発注することで中間マージンをなくし、最低でも1個あたり200円程度の配達手当を払うことを目標に。さらに、パートタイムでの配送業務、大手宅配会社や大手通販会社の自前運送を請け負うドライバーが空いた時間に同センターで働くことも可能とし、宅配ドライバーのフレキシブルな働き方を支援する。

 国内の宅配便シェアの46%を占めるヤマト運輸が、今月1日から「宅急便」の基本運賃の引き上げを実施。値上げ幅は平均で15%で、荷物1個あたり140円~180円の値上げとなった。また、佐川急便では「飛脚宅配便」の運賃を11月21日から60円~180円値上げする。日本郵便も「ゆうパック」の料金を2018年3月1日から平均12%値上げすることが決まっている。

 これら大手宅配業者による値上げが通販事業者にとって痛手となるのは必至で、商品送料の値上げは避けられないものとなっている。また今回の運賃値上げは、大手3社の社員にとっては待遇改善につながるものの、全ドライバーの半数近くを占める委託の個人運送事業者の収入増や労働環境の改善には直接つながらない。こうした背景の中、同社では中小通販事業者に大手宅配便以外の選択肢を提供し、経営改善に結びつけて欲しいとの願いから、そして個人運送事業者の報酬や労働環境を少しでも向上させたいという思いから、同センターの設立を決めたという。

 同センターでは 今年11月から浦安・市川地域でテスト配送を開始。現在、同センターへの参画を決めているのは8~10社だが、最終的には30社体制、月間90万個(1日あたり3万個)程度の取扱数を目指したいとしている。

■ライフポーター

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