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さとうなおきの「週刊アジュール」 第2回

続・Ignite 2017特集、Azure PaaSのアップデートをまとめてチェック

Ignite 2017のPaaS新機能にキャッチアップ!サーバーレス、コンテナー、AIを強化

2017年10月11日 09時30分更新

文● 佐藤直生 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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Azure SQL Databaseのアップデート

 Azure SQL Databaseは、SQL Serverベースのデータベースサービスです。

 関連サービスのAzure SQL Database Managed Instanceは、Azure SQL DatabaseよりもオンプレミスのSQL Serverと互換性が高いデータベースサービスです。また、Azure Database Migration Serviceは、SQL ServerなどからAzure SQL Database Managed Instanceなどへのデータベース移行を支援するサービスです。今回、これまで限定プレビューだったこれら2つのサービスが、近日中にパブリックプレビューになることが発表されました。記事「Azureからリリースラッシュ、『Ignite 2017』開催中」もご覧ください。

 Azure SQL Database、オンプレミスのSQL Server向けのSQL脆弱性評価のパブリックプレビューもリリースされました。SQL脆弱性評価は、構成の不備、過剰な権限、保護されていない機密データなどセキュリティの脆弱性を検出、追跡、修復できます。詳細は、ブログポスト「Introducing SQL Vulnerability Assessment for Azure SQL Database and on-premises SQL Server!」SQL脆弱性評価のドキュメントをご覧ください。

Azure SQL DatabaseのSQL脆弱性評価

 そのほかにも、前回紹介したように、サービスエンドポイントを使って、データベースへのアクセスをAzure Virtual Networkの特定の仮想ネットワークからのみに制限することができるようになりました。

 クエリ最適化のためのアダプティブクエリ処理のGAグラフデータベース機能のGA、RやPythonで書かれた機械学習モデルのSQL内でのネイティブスコアリングのGA、エラスティックデータベースプールのPremiumプランの最大4TBのストレージのGA、データベースの使用状況を継続的に監視し、破壊的なイベントを検出するIntelligent Insightsのプレビューリリースもアナウンスされていますので、興味がある方はリンク先をチェックしてみてくださいね。

 Azure SQL Data Warehouseのアップデート

 Azure SQL Data Warehouseは、SQL Serverベースのデータウェアハウスサービスです。

 今秋、コンピューティングに最適化された、より高速なパフォーマンスレベルのプレビューが始まることが発表されました。従来に比べて、2倍のパフォーマンス、5倍のスケーラビリティを提供します。詳細は、ブログポスト「Faster compute optimized performance tier for Azure SQL Data Warehouse」をご覧ください。

AzuAzure SQL Data Warehouseの新しいパフォーマンスレベル

 また、前回紹介したように、サービスエンドポイントを使って、データウェアハウスへのアクセスをAzure Virtual Networkの特定の仮想ネットワークからのみに制限することができるようになりました。

Azure Analysis Services:ファイアウォール機能のサポート

 Azure Analysis Servicesは、SQL Server Analysis Services(SSAS)ベースの分析サービスです。

 今回、Azure Analysis ServicesでIPアドレスを基にしてアクセスの可否を指定できるファイアウォール機能がサポートされました。Power BIからのアクセスの可否も設定可能です。詳細は、ブログポスト「Azure Analysis Services adds firewall support」をご覧ください。

Azure Analysis Servicesのファイアウォール

Azure HDInsight:Interactive Query(LLAP)のGA

 Azure HDInsight は、Hadoop、Sparkなどのマネージドサービスです。

 Azure HDInsightの対話型クエリ (Interactive Query)は、Apache Hive 2.1のHive on LLAPを活用しており、大規模データに対する対話型クエリが可能になります。今回、Azure HDInsightのInteractive QueryがGAになりました。詳細は、ブログポスト「General availability of HDInsight Interactive Query – blazing fast queries on hyper-scale data」対話型クエリのドキュメントをご覧ください。

Interactive Queryのパフォーマンス

 これに併せて、Visual Studio Codeの拡張機能であるAzure HDInsight Tool for Visual Studio Codeのパブリックプレビューがリリースされました。Hiveバッチジョブ、Hive対話型クエリ、PySparkジョブの開発がサポートされています。詳細は、ブログポスト「Run you Hive LLAP & PySpark Job in Visual Studio Code」をご覧ください。

 また、Azure Log Analyticsを活用したAzure HDInsightクラスターの監視のプレビューが、リリースされました。詳細は、ブログポスト「Introducing HDInsight integration with Azure Log Analytics Preview」をご覧ください。

Azure Data Factory v2がプレビューリリース

 Azure Data Factoryは、データ統合サービスです。

 今回、機能強化されたAzure Data Factory v2のパブリックプレビューがリリースされました。Azure Data Factory v2は、オンプレミスで実行されていたSQL Server Integration Services(SSIS)パッケージをクラウドにホストできるようになりました。

 詳細は、ブログポスト「Azure Data Factory – announcing new capabilities in public preview」Azure Data Factory v2ののドキュメントをご覧ください。

Azure Data Factory

Azure Stream Analyticsのアップデート

 Azure Stream Analyticsは、リアルタイムのストリーム処理サービスです。

 本記事のAzure Functionsのセクションでも紹介したように、Azure Stream Analyticsの出力先としてAzure Functionsがサポートされました

 また、Azure Stream Analyticsでイベントストリーム内の異常を検出するための汎用的な機械学習モデルを呼び出す、ANOMALYDETECTION演算子がサポートされました

Azure Stream AnalyticsのANOMALYDETECTION演算子

 そのほかのAzure Stream Analyticのアップデートとしては、GZIPやDeflateで圧縮された入力ストリームのサポート、CI/CD(継続的インテグレーション/デリバリー)への対応があります。Visual Studioの拡張機能であるAzure Stream Analytics Tools for Visual Studioと、新たにリリースされたNuGetパッケージMicrosoft.Azure.StreamAnalytics.CICDを使うことで、Azure Stream AnalyticsのCI/CDが可能になりました。

 今春にサポートされたJavaScriptのユーザー定義関数(UDF)に続き、ユーザー定義集約(UDA)がサポートされました。UDAによって、時間加重平均といったステートフルな計算が可能になります。

 詳細は、ブログポスト「New in Stream Analytics: Output to Azure Functions, built-in anomaly detection, etc.」をご覧ください。

Azure IoT Suiteのアップデート

 Azure IoT Suiteは、IoT関連のサービスを含むスイート製品です。

 Azure IoT Suiteでは、いくつかの事前構成済みソリューションを提供しています。今回、事前構成済みソリューションの1つである「リモート監視」の新バージョンがリリースされました。

 詳細は、ブログポスト「The next generation of Azure IoT Suite accelerates IoT solutions」新しいリモート監視ソリューションのデモをご覧ください。

Azure IoT Suiteのリモート監視ソリューション

 それでは、また来週。

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