(株)スタートトゥデイは10月1日、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の配送料金を、0円〜3000円の範囲でユーザーが自由に設定できるようにした。同サービスは試験的に開始され、予告なく変更・終了する可能性がある。
購入総額に関係なく「送料無料」も可能に
ZOZOTOWNの送料は、これまで399円(税込)で、4999円(税込)以上購入した場合に限り、送料無料としていた。今回の送料自由化で、購入総額に関係なく送料は0円〜3000円の間で自由に選択できるようになった。また、これまで同様、代金引換・コンビニ決済・クロネコ代金後払い・ツケ払いでの注文は、別途324円(税込)の手数料がかかる。
同社は「引き続き宅配会社の協力のもと、最高の配送サービスを提供できるように努める」とコメントしている。
通販業界で、送料を自由に設定できる取り組みは初。10月1日からヤマト運輸(株)が運賃を値上げすることから、通販各社は、送料を値上げしたり、特定の商品に対しては、特別の送料を設定するなど、各社が独自の取り組みを実施していた。多くの通販会社は、物流会社の運賃の値上げ分を、そのまま自社通販の送料に反映するのではなく、自社でも運賃値上げ分の送料を負担し、消費者が支払う送料がなるべく高くならないように送料を設定していた。
ZOZOTOWNの送料自由化で、ユーザーの多くは送料無料を選択するとみられるが、宅配業界のドライバー不足問題などは社会的に関心が高く、ZOZOTOWNユーザーも購入金額に応じて(安く購入できた場合は送料を高くするなど)送料を有料とするユーザーも一定数存在すると思われる。
各種通販サービスの配送料金は、「3000円以上の購入で送料無料」など、まとめて購入した場合に、送料を無料にするサービスが通例となっている。同社が実施した今回の送料改定では、購入総額に関係なく、ユーザーの善意で送料が決められることになり、商品の売れ行きにどのような影響を及ぼすのか、注目が集まる。
(山本 剛資)