ECサイトの「購入率」や「購入単価」を伸ばす手段として、「WEB接客ツール」が脚光を浴びている。広告施策に比べてコストがかからないのに、目に見えた成果を上げることが評価され、ECサイトだけでなく、多くのWEBサイトで導入が進んでいる。同市場には現在30を超える「WEB接客」サービスが乱立し、飽和状態となりつつあるが、ここに来て導入社数を大きく伸ばしているいくつかのサービスが目立つようになってきた。通販・EC業界で話題を集める「WEB接客ツール」について、その仕組みや使い方の重要ポイントを解説し、サービス提供会社とツールの特徴を検証した。
WEB接客ツールの重要ポイントは「自動化」
「WEB接客ツール」とは、サイト訪問者一人ひとりに合ったオススメ商品や情報を表示することで、購入率やリピート率を上昇させ、集客コストをかけずに売上を改善するマーケティングツールのこと。クーポンやキャンペーンの案内、ユーザーのサイトアクセスや属性情報などのビッグデータをもとに、適切な商品ページへ誘導することなどが可能となる。
WEB接客ツールで行われているのは、「ユーザーに合ったクリエイティブを表示する」という非常にシンプルな内容だが、実際は簡単なことではない。なぜなら、閲覧した商品ページ、過去の購入商品、ユーザー属性など、WEBサイトにはさまざまな変数が存在するからだ。
これらの情報をもとに、「正確なユーザーとユーザーニーズの推定」×「適切なタイミング」×「最も適したクリエイティブの選択」が揃うことで、初めて適切なWEB接客を実施することができる。これらを人が分析し、適切な接客を実施するのは困難であるため、現在はAIを活用した「自動WEB接客ツール」が注目されている。
WEB接客ツール各社の比較 …市場は2社に絞られた
上記の比較表より、WEB接客ツールには「多機能化」「自動化」の2つの大きな流れがあることがわかる。多機能化を代表するのが(株)プレイドの『KARTE』だ。WEB接客の先駆けといえるツールであり、高い拡張性と接客アクションの多彩さを武器に導入社数を伸ばし、導入社数は約1500社に及んでいる。
また、自動化を代表するWEB接客ツールが、(株)NTTドコモと(株)PKsha Technologyが共同開発した『ecコンシェル』。AIによるCVRと顧客単価のスピード改善を武器に、販売開始から2年弱で導入社数を爆発的に伸ばし、現在は3500社を超えた。
市場には現在、さまざまなWEB接客ツールが存在しているが、『KARTE』と『ecコンシェル』以外は導入社数が1000社に届かず、また上位2ツールとの差は開いてきていることから、この2ツールが市場をリードしていると言えるだろう。
導入社数1位のWEB接客ツール『ecコンシェル』の特長
導入社数でトップを走る『ecコンシェル』について、その機能や特長、導入社が拡大する要因などについて検証してみる。『ecコンシェル』は国内有数のビッグデータ保有企業であるNTTドコモと、ディープラーニングの最先端技術を持つPKsha Technologyが共同開発した最先端のAIを搭載している。
AI専業の企業とドコモ社がパートナーシップを組むことにより、CVR改善の精度とスピードを担保しつつ、担当者の手間をなくすことにフォーカスしたツールを実現した。特徴的なのは、「WEB接客で、いくら売上が純増したか」を、レポーティングしている点。あくまで“売上の純増のみ”を成果とみなす仕様は、WEB接客の効果を可視化でき、マーケティング担当者にとっては、ありがたい機能だろう。
その他、『ecコンシェル』の特長として、「永年無料で利用できる」「高性能AIによるCVR改善の精度とスピード」「担当者の手間がかからない」「純増効果にフォーカスしたレポート(改善効果の可視化)」などが挙げられる。
『ecコンシェル』の導入事例を紹介
『ecコンシェル』は多くのECサイトで導入され、WEB接客による成果を上げている。その導入事例として、(株)オークローンマーケティングの事例を紹介する。同社は、通販ブランドの「ショップジャパン」を運営し、テレビショッピングとオンラインショッピングなどで展開している。
前田氏「他のWEB接客ツールは設定が難しく、使いこなすのが困難だった」
――導入の経緯を教えて下さい。
前田氏 WEB接客は、ecコンシェルを導入する前に別のツールを1年程導入していましたが、設定がわかりにくくて使いこなせず、すべてのユーザーに同じクーポンを出すことぐらいしか出来ていませんでした。ecコンシェルは2016年の1月から、別のWEB接客ツールと比較検討するために並行して導入しました。
――『ecコンシェル』はどのような点が優れていましたか?
前田氏 使い方が基本的に簡単で、マニュアルを見なくても誰でも設定できるため、時間がかからないところがいいですね。1つの施策を実施するのに、担当者1人で全部行えるシンプルな作りになっているので、スピード感をもって対応できます。
施策の実行でいい結果が出たらどんどん増やし、逆に悪い結果だったら減らし、という過程が自動で最適化されるため、機会損失を防ぐことができるので、運営側としてはすごく助かります。
――『ecコンシェル』を導入した効果は?
前田氏 主力商品の『ワンダーコア スマート』『スレンダートーン』『セラフィット』について1カ月間比較したところ、WEB接客を導入しない場合と比較して200%コンバージョン率がアップし、さらに購入単価も上がりました。
NTTドコモでは、オークローンマーケティングの事例の他、「CV率69%」「顧客単価14%UP」など、集客コストを下げて売上を上げる手法を公開している。
※資料のダウンロードは下記より。(NTTドコモ社提供)
■『WEB接客』の基礎知識と5つの事例 <無料ダウンロード> <無料利用登録>
(山本 剛資)