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ゲルシンガー、ジャシー、両CEOに聞いたVMware Cloud on AWSの価値

AWSを突き動かした「なぜVMwareといっしょにやらないのか?」の声

2017年09月01日 10時00分更新

文● 大河原克行

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既存のパートナーからネガティブな反応があったのは事実だ

――VMware Cloud on AWSの販売は誰が行なうのか。

VMware ゲルシンガー:今回発表したのは、VMwareとしてのサービスである。そのため、VMwareが提供し、VMwareがサポートを提供する。顧客に相対していくのはVMwareということになる。つまり、リセラープログラムは、VMwareのリセラープログラムとして展開することになる。来年初めからは、VMware Cloud Providerを通じたVMware Cloud on AWSのリセールプログラムを開始する。パートナーがより簡単に、このサービスを販売できるようになる。もちろん、Amazon Market Placeでもアクセスはできるが、そこからもVMwareに流れる仕組みとなっている。まずは、大手のシステムイングレータやクラウドサービスプロバイダーが中心になるだろうが、最終的には地域のソリューションプロバイダーにも広がっていくことになる。そして、将来的にはAWSのパートナーにも広がっていくだろう。

――VMware Cloud Provider(これまでの旧vCANパートナー=vCloud Air Networkパートナー)からすれば、VMware Cloud on AWSを扱うことでのマイナスの影響はないのか。

VMware ゲルシンガー:VMware Cloud on AWSは、既存パートナーのビジネスと競合することになるといった指摘が、VMware Cloud Providerからあったのは事実だ。実際に電話をもらったこともあるし、ネガティブに捉えるパートナーもいる。だが、その一方、VMware Cloud Providerのなかには、AWSとの関係をすでに持っているパートナーもいるし、VMwareとAWSが共同でユニークなオファリングを提供することに、ポジティブな受け止めが出ている。すでにAWSは、さまざまな企業で利用されており、さらに価値を享受したいという顧客も多い。とにかくシームレスに、簡単に使えるクラウドサービスにしていきたい。

VMwareのパット・ゲルシンガーCEO

AWS ジャシー:システムインテグデレーターやリセラーは、VMware Cloud on AWSに対してワクワクしてくれている。顧客がなにを求めているのか。その観点から見れば、VMwareとAWSをとシームレスに使いたいという要望が多い。これまでそうした要望があった場合に、システムインテグレーターが多くの苦労をしてきた。2つの会社の製品をつなぎあわせるためにさまざまな作業が必要であった。しかし、VMware Cloud on AWSによって、システムインテグレータやリセラーは、顧客に対して、新たなメリットを提供することができる。

もちろんISVにとっても、役に立つ。ソフトウェアを、オンプレミスでも、クラウドでも走らせたい、移動させたいという場合にメリットを提供できる。われわれは、顧客にとっていいことであれば、オープンな姿勢で取り組んでいく。個々のプレーヤーにとってなにが大事であるということではなく、顧客やパートナーにとってどんなメリットがあるのかを重視している。両社が連携することでハイブリッドクラウド環境を容易に実現し、これを加速できる。

AWSに顧客をとられるのではないか?の疑問

――VMwareでは、クラウドに置かれているワークロードが、全体の50%を占めたという話があったが、それは伸びているのか。

VMware ゲルシンガー:それは予測通りに進捗している。ワークロードがクラウド化していくのは、当然の流れであり、今回のVMware Cloud on AWSもその流れに沿ったものだ。クラウドへの投資は増加している。だが、パブリッククラウドの方向に進んでいるものの、既存のアプリをパブリッククラウドに載せるのは難しいとCIOが認識しているという課題も出ていた。それを解決する方法の1つがVMware Cloud on AWSということになる。

アプリケーションをリプラットフォームをするのは、かなり手間がかかる。だが、これを簡単に実現すれば、大きな課題が解決できるし、顧客の満足度向上にもつながる。いま使っているアプリケーションを、クラウドで使えるようにし、さらにオンプレミスとのハイブリッド環境も実現できる。未来のアプリケーションも同時に使うことができ、よりシームレスな環境が実現できる。VMware Cloud on AWSは、CIOが抱える課題を解決できるものになる。

――コンテナが重要になっているのを、もっとも痛感しているのがAWSだろう。この流れにVMware Cloud on AWSはどんな影響を与えるのか。

AWS ジャシー:AWSはらあらゆるプラットフォーム、あらゆるフレームワークに対応するのが基本姿勢である。VMware Cloud on AWSによって、AWSの機能のすべてを提供することができ、VMware Cloudのネイティブアプリケーションにも対応できる。それはコンテナに関しても同様である。

VMware ゲルシンガー:VMwareの戦略は「Any Cloud, Any Application, Any Device」であり、企業が自分たちのビジネスのためにアプリを作り、それを提供することを支援する役割を果たすことになる。Any Applicationというのは、エンタープライズアプリケーションでも、クラウドネイティブアプリケーションでも、SaaSで提供されるものでも、すべてのアプリケーションに対応したいという考え方だ。そのなかで、次世代のコンテナに対してもシームレスに提供することを前提としている。VMware Cloud on AWSによって、特定の領域でコンテナを利用するというのではなく、これまで以上にコンテナフレンドリーな環境を作ることができると考えている。

――VMwareの顧客がAWSを活用できるというのは、すばらしいオファーだ。顧客がクラウドネイティブへの移行を加速すれば、AWSを使う顧客が増え、VMwareにはマイナスになるのではないか。VMwareのIaaSよりも、AWSのPaaSに投資をする顧客が増えるのではないか?

VMware ゲルシンガー:エンタープライズアプリケーションを新たな旅路につれていくことができるのは、すばらしいものであると考えている。これをさらに加速することになる。だが、VMwareは、これだけをやろうとしているわけではない。顧客は当然、モダン化したアプリを開発していくことになる。こうしたアブリに対しても、VMwareは価値を提供していかなくてはならない。そして、これらのアプリはまたオンブレミス環境に戻ってくる可能性もある。VMwareは、複数のクラウドサービスをまたいだ形で、管理やセキュリティを提供することができる。そうしたことを含めると、次世代のアプリケーションについても、多くの価値を提供できる。脅威であるとは感じていない。リスクというよりも、ビジネスチャンスが開放されると考えている。

――なぜ、米西海外からスタートすることになるのか。

VMware ゲルシンガー:これはVMwareのエンジニアリングのリソースの問題である。まずは1カ所できちっとサービスを提供し、それをもとにすべてのところにスケールしていくことになる。1カ所でスタートしても、これを全世界に展開する計画であることを明確にしていれば、この段階からエンタープライズ企業は、新たな旅路を開始してくれるだろう。すでにVMware Cloudの顧客との協業も開始し、品質の高いエンジニアリングを提供している。VMwareも、AWSも西海岸に本社を置く会社である。まずは西海岸からスタートする。だが、できるだけ早く、AWSのアベイラビリティゾーンでの展開を開始したい。

――今後、両社による提携内容は広がるのか。

VMware ゲルシンガー:基調講演でも触れたが、この関係は始まったばかりである。今後、可能性が広がっていく。多くのエンジニアが両社の間で深く連携しており、そこから面白いアイデアが生まれてきている。だから、今後の発表を楽しみにしてほしい。これはジョイントのほんの始まりにすぎないと思ってもらっていい。

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