上海問屋の「DN-915070」は、11.6型のモバイルディスプレー。視野角の広いIPS液晶で、解像度はフルHD(1920×1080ドット)と高いため、デスクトップを広々と使えるサブディスプレーとして活躍してくれる製品だ。しかも接続はHDMIなので、パソコン以外も接続できる汎用性がうれしい。
スタンドを兼ねた専用カバーでモバイル性が高い!
本体は、モバイル用のディスプレーらしくカバーが標準で付属。ケースは、持ち歩くときに本体を保護してくれるのはもちろん、実は液晶保護面の3ヵ所に凹みがついており、ここに液晶を引っ掛ければ簡易スタンドとして利用できるという便利なもの。
屋外利用でも置き方に困らず、快適に使えるよう工夫されている。背面のネジを外せばカバーを取り外せるので、使い慣れたスタンドに変更したいという場合でも安心だ。
インターフェースは、miniHDMI端子×2とmicroUSB端子、ヘッドフォン出力端子、電源端子の4種類。電源は一般的なACアダプターの丸形だが、動作電圧が5Vと低く付属のUSBケーブルでバスパワー動作するのが特徴だ。しかし、いくらUSBのバスパワーで動くといわれても、電力消費が大きければACアダプターが必須になってしまうのも珍しくない。そこで輝度を100%にしたときの電流値を測ってみたところ、最大でも1.05Aまでしか上昇しなかった。
これならノートパソコンはもちろん、2A出力のあるモバイルバッテリーでも余裕で動作してくれるだろう。なお、輝度を40%まで下げても見た目の明るさはほとんど下がらなかったが、電流値は0.88Aまで下がってくれた。この設定なら、出力が1Aの小型モバイルバッテリーでも動作してくれたので、普段は輝度を少し下げて使うと安心できそうだ。
本体には一切ボタン類がなく、入力切り替えや輝度調整、画質設定などはリモコンで操作する仕様だ。持ち歩く機器が増えるというのはマイナスだが、前回の設定は記憶してくれているので、接続する機器を頻繁に変えたり設定をいじったりすることがなければ出番はない。最悪、家に忘れてきても大丈夫だ。とはいえ操作が一切できなくなるだけに、普段持ち歩くカバンに必ず入れておきたい。
映り込みの少ないアンチグレアで見やすい画質
気になる画質を見てみよう。真正面から外れると少し暗くなるものの、その変化はごくわずか。視野角178度のIPS液晶を採用しているだけあって、TN液晶のような大きな色変化や輝度の低下はほとんどなく、画質面はかなり優秀に感じた。
ただし、画質設定を「スタンダード」にしていた場合、色味が全体的に少しくすみがちで鮮やかさには欠けているようだった。動画を視聴するときは、画質設定を「ダイナミック」へと変更した方がよさそうだ。
画面は映り込みの少ないアンチグレア仕様。屋内の照明などの反射がほとんど気にならなくなるため、PCソフトの利用が多いビジネス用途ではかなり快適に使えるだろう。廉価なディスプレーにありがちな「ギラツブ感」もないので、見ていて目が痛くならないのもうれしい。
モバイル用途に絶妙なサイズのサブディスプレー
見やすさでいえばもう一回り大きい13.3型の方がいいが、そうするとしまえるカバンが少なくなってモバイル性が犠牲になるし、10型未満ではフルHD表示が厳しく、見やすさの面でマイナスとなる。11.6インチはちょうどこれの真ん中で、フルHDでもしっかり見えて、カバンを選ばず持ち歩きやすいという絶妙なサイズ。普段から持ち歩けて、フルに活用できるモバイル用ディスプレーを探しているのであれば、チェックしておきたい製品だ。
試用機の主なスペック | |
---|---|
機種名 | DN-915070 |
ディスプレーサイズ | 11.6型 |
ディスプレータイプ | IPS方式、ノングレア |
解像度 | 1920×1080ドット |
アスペクト比 | 16:9 |
コントラスト比 | 800:1 |
表示色 | 1677万色 |
視野角(上下/左右) | 187度/187度 |
輝度 | 300cd/m2 |
応答速度 | 14/11ms |
インターフェース | miniHDMI端子×2、microUSB端子、ヘッドフォン出力端子 |
対応動画フォーマット | MKV、MP4、AVI、MPG |
対応動画コーデック | H.264 |
電源 | USBバスパワー |
サイズ | およそ幅177.5×奥行281×高さ13mm/約586g |
価格 | 2万4999円 |