Xperiaと相性がいいワイヤレススピーカーというと、やはりコンパクトでバッテリーを内蔵する製品が使いまわししやすいです。しかし、自宅にどっしりとサウンドシステムを構築しないまでも、お気軽に設置できて音質が良く多機能だったりするとイイよね、という要望にぴったりなのが、ハイレゾ音源に対応したソニーの据え置き型ワイヤレススピーカー「SRS-ZR7」です。
スクウェアな12辺のフレームで囲われた“Definitive Outline” (ディフィニティブアウトライン)デザインで、正面と背面、スピーカーグリル部には薄くて剛性のあるステンレスを採用。上面にはガラスパネル、側面にアルミ素材を採用するなどして、一見するとスピーカーに見えない落ち着いた雰囲気です。
総合出力は92W (23W×2+23W×2)という実用最大出力を持ちながら、コンパクトなのも特徴です。
前面のグリルを取り外す45mm口径のサテライトスピーカーがあります。強化された磁気回路とハイレゾ再生に最適な振動板を採用することで、大音圧かつクリアな中高域をはじめ、低域から超高域まで豊かに再現。60Hzの低域から40kHzの高域まで再生できます。
また、背面には大型低音増強振動板ユニット“パッシブラジエーター”、前面には強力な専用設計の磁気回路を採用した2chに分離した62mmのサブウーファーを搭載。サイズを超えたパワフルな低域と、広がり感のあるステレオサウンドを再生します。
操作系ですが、本体上面にある電源(ペアリング)ボタンは丸くくり抜かれた物理タイプ。ボリューム調整とFUNCTIONスイッチはタッチ式で、控えめな主張で本体のデザインを邪魔しません。
背面のインターフェースは、背面の左側がUSB A、オーディオ入力、AC電源。右側がUSB B、HDMI入力、有線LAN。スイッチ類としてUPDATE/WPS、SETUP、STEREO PAIRボタンがあります。
オーディオ入力(ステレオミニジャック)は48kHz/16bitのADコンバーターで処理され、入力信号をロスなくデジタル信号化してアナログオーディオを楽しめます。
さて、SRS-ZR7にXperiaを接続してみましょう。NFCを搭載したXperiaであれば、SRS-ZR7の天面にあるNFCマークにXperiaをかざすだけで自動的にペアリング設定が完了。以降はBluetooth接続や切断もNFCをかざすだけ。9台までの機器とペアリングして使い分けできます。
音声コーデックはSBCとAACに加えて、「LDAC(エルダック)」にも対応。LDAC対応のXperiaなら、SBCの約3倍にもなる情報量で音源を転送でき、ワイヤレス接続でもより高音質な音楽再生が楽しめます。
Xperiaから変換ケーブルを経由してSRS-ZR7のUSBに接続すれば、Xperiaに保存したハイレゾ音源をそのまま再生可能できます。ただし、USB給電はできないので注意しましょう。
ちなみに、Windows PCでもBluetooth接続でワイヤレススピーカーとして使ったり、USBケーブルで直接接続してPC内のハイレゾ音源をデジタル転送して高音質で再生できます。さらに楽しいのが、Wi-Fi(IEEE802.11a/n)を利用して、NASなどHDD内に保存している音楽をネットワーク経由でワイヤレス音楽再生できることです。
SRS-ZR7のコントロールには「Music Center」アプリを利用します。Bluetooth接続の際はペアリングすることで利用できますが、Wi-Fi接続の場合は、SRS-ZR7と音源となる機器(PCやNAS)が同一のホームネットワーク内にあることが条件となります。
たとえば同じネットワーク内にあるネットワークストレージ「nasne」やPCにたくさん音楽をストックしておけば、Music Centerアプリを操作して“Home Network”からサーバーリストをたどり、ミュージックフォルダーの中から好みの音楽を選んでSRS-ZR7で再生できます。
Xperiaの中にある音楽を聴くというスタイルは当たり前にできつつ、自宅にある母艦(PCやNAS)にたくさん貯め込んだ楽曲も聴けるとなると自由度が大きく広がります。シンプルな構成で、しかもハイレゾ音源も高音質のまま再生可能。これなら導入しても良いかな、という気持ちにさせてくれます。
また「Google Play Music」や「Spotify」「AWA」といった音楽配信サービスやインターネットラジオを再生できる「Google Cast」にも対応。
Xperiaから操作してGoogle Play Musicで聴きたい曲をCastすれば、Wi-Fi接続されたSRS-ZR7からストリーミング再生してくれます。
それ以降はXperiaにネットワーク負荷がかからないため、たくさんある楽曲の中からラジオ感覚で音楽を聴いたり、好みの曲がなくても自分の手持ちの楽曲をアップロードしておけば同様に、ストリーミングで聴けてこれもなかなかに快適。
シンプルなボックス型だけに配線がスッキリするというメリットがありつつも、ステレオ感が欲しいというオーディオマニアな方なら、SRS-ZR7を2台用意して離れた左右のスピーカーとして音楽を聴ける“ワイヤレスステレオ”という技も使えます。
しかもSRS-ZR7を1台で使っている場合と同様、Bluetooth、USB-A、USB-B、アナログ入力、HDMI、Wi-Fi、音楽配信サービスどれでも利用できます。2台使いの圧倒的な音量と左右から包まれる臨場感たっぷりなステレオサウンドを味わってみるのも良いかもしれません。ただし、そのぶん予算も2倍になりますが……。
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