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いま聴きたいオーディオ! 最新ポータブル&ハイエンド事情を知る 第10回

長期試用レビュー

夢から覚めるリアルさ、DITA Dreamのクリアすぎる音質にため息 (5/5)

2017年08月18日 18時45分更新

文● 小林 編集●ASCII

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霧が晴れたように明け透けなサウンドには発見がある

 音には好みもあり、美音系の音色を重視したり、空間の広がりや音源との距離感、トーンバランスに対するこだわりポイントも人によって異なるはずだ。そんな中、ソース全体を細部まで見通せる「明晰さ」であったり、パッキリとした「フォーカス感」、充実した低域に支えられた「音の密度感」を求めるのであればDreamが最適だ。単にクリアーなだけでなく、BA型を思わせるしなやかさ、繊細さも併せ持つので、ダイナミック型という先入観を持たず、聴いてほしい。

 優れたオーディオ機器は、聴き慣れた音源からも、新しい発見と体験を導きだす。それは何気ない演奏に込められたちょっとしたニュアンスだったり、合奏の下に埋もれていて目立たない隠し味的なフレーズだったりする。再生回数を重ね、聴き込んだ楽曲であればあるほど、気付かない側面に触れた際の驚きは大きい。そんな気づきを与える力がある。

 Dreamの音を聴くと、徹夜続きで弱った筆者の頭も活性化してくる。眠気が吹き飛び、かっと目を見開いて、脳のシワシワが深く刻みなおされたような刺激があるのだ。その意味で、夢見るようなふんわりとした雰囲気とは程遠い「リアルで刺激的なサウンド」を提供するのがDreamだ。

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