1万8000発の花火とインテル ドローン「Shooting Star 」がコラボレーション
ハウステンボスの挑戦、夜空に「intel」300機のドローンが舞う
2017年07月24日 06時00分更新
どもどもジサトライッペイです。ハウステンボスは25周年を迎え、その特別企画として「インテルShooting Star ドローン・ライトショー」を開催しました。今回はその模様を見学しに長崎県に出張していまいりましたのでレポートします。
インテルのドローン・ライトショー事業は約1年半前にスタート。最初はインテルのCEO、ブライアン・クルザニッチ氏との「100機のドローンを打ち上げてインテルのロゴを描いたらどうなるだろう?」というたわいもない会話からスタートしたと、インテル ドローン・ライトショーのジェネラルマネージャー、ナタリー・チャン氏は語ります。
曰く、ドローン・ライトショーは新しいスタイルのひとつの「ストーリーテリング」で、ひとつの新しい「芸術」。世界には花火大会を法律で禁じている国もあるので、その代替としてドローン・ライトショーを開催したり、あるいは花火大会と同時開催して相乗効果をもたらすものと考えているそうです。
また、ドローン・ライトショーは「広告」という役割も担えるとアピール。夜空に立体的に表現できるので、従来型の2D広告よりも強烈なインパクトが期待できるとのこと。実際、今回はハウスンテンボス25周年特別企画として、ハウステンボスの花火大会と同時開催になりましたが、打ち上げ総数1万8000発のド迫力花火の後に見ても、見劣りしない記憶に残る演目でした。
6月23日の会見で、「私はすごくドローンに詳しい」と、DJI社のパイロットインストラクター免許国内第一号所持者として免許を見せつつ報道陣を賑わせた、hapi-robo st代表取締役/エイチ・アイ・エス取締役CIO/ハウステンボス取締役CTOを兼任する富田 直美氏も熱く持論を展開。
ハウステンボスは同じテーマパークとして、ディズニーをすごく意識していると言います。ディズニーと言えば、昨年インテルはディズニーワールドで300機のドローンを使ったライトショーを開催しました。インテルの先進的なドローン技術に感動し、はじめは自分たちで独自のドローンを作ろうとしていたが、インテルのドローンを使ってよかったとしきりにおっしゃっていたのが印象的でした。
実際、日本でドローン・ショーを行なう場合、改正航空法でいろいろと制限があり、おいそれとできるものでははありません。例えば、ドローンの操縦士はメインにひとり、バックアップとしての副操縦士をひとり置かなければならないのですが、そもそもインテルのドローン・ライトショーもそのスタイルなので問題ありません。
また、技適の問題(インテルのドローン通信は専用プロトコルの2.4GHz帯を使用)や飛ばすスペース、安全性などのもろもろの条件をインテル米国本社のナタリー氏とインテルジャパン、そしてハウスンテンボス側の富田氏で詰めていったそうです。なお、今回のイベントに際し、日本には360機のインテル ドローン「Shooting Star」が納品され、プロペラ部をすべて交換。最終的に、保護ケージをつけて重量約330gの状態になりました。
今回のライトショーを開催するにあたり、富田氏は今年2月にナタリー氏をハウステンボスに招待してロケハンを行ないました。そこで、ナタリー氏はハウステンボスはいたるところでふんだんにLEDが使われており、ロボットがおもてなしするホテルがあったりするのを見て、「インテルのライトショーをするのに最適な場所」と考えたそうです。そこからは、どんなアニメーションにするか、どんな音楽を使うかなど、具体的な話を富田氏と詰めてきて、あっという間にこの日を迎えたと言います。
この実行までの期間の短さに、富田氏とインテル ドローンチームのフットワークの軽さを感じました。インテルのドローン技術はシドニーやドイツなどのショーも経て、急速に進化し続けたのも要因だとは思いますが、このままいけば将来的にはさまざまな場所で同時開催することもできるのではないでしょうか。
インテルは昨年12月に500機のドローン同時飛行に挑戦し、ギネスを更新しています。飛んでいるドローンどうしがぶつからないように、また安全性を考慮してジオフェンス(仮想的な境界線)を2層設けて、2層目に近づくと自動でドローンのモーターがオフになるような仕組みを作っています。今回の場合、約10メートルだそうですが、国によって航空法が違うので1層目と2層目の距離は柔軟に変えることもできるそうです。まだまだ企業秘密の部分はあるそうで、そういったインテルの技術力の高さに富田氏は感心し、今回のライトショーが実現したそうです。
というわけで、前置きはこのぐらいにしてここからはどんなショーだったか、写真を中心にレポートします。
花火大会は約1時間半に渡って行なわれ、1万8000発の花火が打ちあがりました。港から見る花火はすごく近くて大迫力でした。が、ここからが取材の本番。いよいよ日本初のインテル ドローン・ライトショーです。
約6分という短い時間のライトショーでしたが、初めて見る300機のドローンが完全に制御された群飛行は、花火に負けないインパクトがありました。ちなみに、今回インテル ドローンが飛んだエリアは120(W)×120(D)×150(H)メートルで、打ち上げ花火よりも狭い空間でした。花火よりも静か(というかまったく動作音がしませんでした)で、BGMを邪魔することなく次々と形を変えていくドローン飛行はさまざまなものとコラボできる可能性を感じました。確かにこれは新しい「芸術」であり、新しい「レジャー」のスタイルだと思います。
とはいえ、実際に日本でこれだけ大規模なドローン飛行を行なうとなるとさまざまなハードルをクリアーしなければなりません。今回のハウステンボスの情熱的なアプローチを皮切りに、どんどんこのような機会が増えていくことを願っております。
なお、ハウステンボス25周年特別企画「インテルShooting Star ドローン・ライトショー」の開催期間は、2017年7月22日(土)~8月5日(土)。夏レジャーにオススメですのでぜひ!
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