無骨な箱型ではなく、面を意識したシャープなデザインを採用
家庭用ゲーム機だと言われたら信じちゃう! 小型でパワフルなゲーミングPC「MSI Trident 3」
2017年07月13日 09時00分更新
ゲーミングパソコンといえばタワー型が基本で、「とにかくでっかい」というイメージがある。たまにMini-ITXサイズの小型製品もあるが、それでも奥行きは通常のタワー型パソコンと同じで、高さが少し低くなっただけというのがほとんどだ。サイコムが販売する「MSI Trident 3」は、そんな「ゲーミングパソコンは大きいものだ」という先入観をいい意味でブチ壊してくれる製品だ。
まず普通のパソコンと違うと感じるのが、無骨な箱型ではなく、面を意識したシャープなデザインを採用している点だ。パソコンというよりも、むしろ家庭用ゲーム機といわれたほうが納得するほどで、リビングにも違和感なく設置できる。さらに、ローボードに入れるなら横置き、テレビの横に置くなら縦置きといったように、縦・横どちら向きにも置けるのも特徴だ。
これだけ小さいと性能はある程度妥協しているのだろうと思ってしまうが、CPUはデスクトップ用の4コアCPUとなるCore i7-7700(3.6GHz)、グラフィックにはミドルレンジのGeForce GTX 1060を搭載している本格派。多くのゲームが快適に遊べるだけでなく、VRにも対応できるだけの実力がある。
試用機の主なスペック | |
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製品名 | MSI Trident 3 VR7RC-075JP |
CPU | Core i7-7700(3.6GHz) |
グラフィックス | GeForce GTX 1060(6GB GDDR5) |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 256GB SSD、1TB HDD |
内蔵ドライブ | ー |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac) |
インターフェース(前面) | USB 3.1(Type-C)端子、USB 3.1、ヘッドフォン出力/マイク入力端子、HDMI出力端子(VR Link) |
インターフェース(背面) | USB 3.1端子、USB 2.0端子×4、HDMI出力端子、HDMI入力端子、OFCオーディオ出力、有線LAN端子 |
サイズ/重量 | およそ幅346.25×奥行232.47×高さ71.83mm(スタンド未装着時)/約3.17kg |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
MSI Trident 3のインターフェースは、デスクトップPCらしく充実しており、背面はUSB 3.1(Gen1)端子、USB 2.0端子×4、HDMI出力など豊富に装備。USBは前面にもUSB 3.1(Gen1)端子×2とUSB 3.1端子(Type-C)を備えており、USBメモリーやゲームパッドなど、各種周辺機器を手軽に着脱できるようになっている。
ユニークなのが、前面にVR用のHDMI出力端子を装備していることだ。このHDMIを使うには付属のケーブルを使い、背面でグラボのHDMI出力と本体のHDMI入力を接続する必要がある。つまり単なる延長なのだが、使うときだけ接続するVRヘッドマウントディスプレーが前面で着脱できるようになるだけに、地味に便利だ。
気になる本体内部をチェック
MSI Trident 3は、本体が小さいだけにムリヤリ押し込められているような想像をしてしまうが、ケースの中身は思っていた以上にシンプルでスッキリとしている。CPUクーラーはシロッコファンを採用したもので、熱がケース内にこもらないよう直接排気となっているのが特徴だ。
グラボは奥行きの短い製品を採用。側面にある吸気口と、底面と背面のスロットを利用した排気口とにより、熱を速やかに排出できるようになっている。
よく見ると、CPUとグラボとの間にプラスチックの衝立のような壁が作られているのがわかる。CPUのスペースとグラボのスペースとを明確に区切ることで、グラボからの熱風がCPU側へと流れ込まないように工夫されているようだ。こういった細かな工夫をすることで、コンパクトでも高い性能をもつゲーミングパソコンが実現されているのだ。
MSI Trident 3は、ゲーム機のような見た目のよさはもちろんだが、スペックの高さ、インターフェースの充実、ケース内の工夫のどれをとっても感心するばかり。スリムでコンパクトなゲーミングパソコンが欲しいのであれば、選択肢の1つに加えたい1台だ。