
実測875g、20インチの巨大な手書き電子ボード。親子間の伝言メモ、語学学習、算数学習、筆談、情報漏洩の極小化……なんて7年前と同じ推奨用途から卒業したくなった「電子パッド デジタルペーパー 20インチ」が凄い
衝撃を受けた「Boogie Board」から約10年
ICTとは距離を置く手書き電子ボード
手書き電子ボードの世界では、「Boogie Board」(ブギーボード)と呼ばれる商品が飛び抜けて有名だ。
筆者は今から7年ほど前の2009年末に米IMPROVE electronicsの初代「Boogie Board」を使って以来の熱烈なユーザーだ。
モデル識別番号もニックネームもないただの「Boogie Board」という極めてシンプルな初代商品に最初に触れた日のことは今も鮮明に覚えている。

2~3枚行方不明だが、家中の手書き電子メモパッド&ボードを集めてみた
昨今はそんなBoogie Boardのグループ商品も10種類近くに増えた。しかし、ディスプレー部分である「eWriter」の開発元であるKent Diplayや、Boogie Boardの供給元であるIMPROVE electronicsは、既存の製品を見る限り、いずれも、Boogie Boardの重点市場がICT系の商品に偏ってしまうことを避けている雰囲気が感じられる。
クラウド時代にも関わらず、ネットワーク環境と親和性のある商品は極めて数少ない。たとえあったとしても、USBケーブル接続や、BluetoothでPCやスマホにデータ転送するイメージの商品が大半だ。
この思想と基本戦略は素晴らしいが、もう少しオープンなネットワーク環境を備えたクライアントや他社が活用できるAPIの組み込みなどもやってもいいとも思えるのだが……。
そもそもBoogie Boardは“紙の置き換え”や“何度でも使える紙”を目指していたのだろう。筆者もいまだにさまざまなサイズのリーガルパッドやメモを使用している。
一時は、紙の一部の機能を持ち歩けるホワイトボードこと「NUboard」(ヌーボード)に切り替えてを使ってみようとチャレンジしてみたが、これにはほとんどなじめなかった。
そしてここ3年ほどは、12.9インチの「iPad Pro」や「YOGA Notebook」、ソニーの電子ペーパーなどを紙製品と並行して愛用しているが、昔のように、無理やりいずれかのICT製品に紙の役割を移行することは考えなくなった。
今は、伝統的なアナログ紙媒体と電子系の筆記デバイスをほぼ並行的に活用している。
元来、ICT機器と親和性のあまりよくないBoogie Board系も今は同社の目論見通り“書いては消して何度も使える紙”として利用している。
一部の機種に関しては、スマホ上で動作する「Jotアプリ」で黒背景の白文字画面をスマホに撮影して取り込み、白背景の黒文字に変換。データをクラウドサービス上で共有使用することも可能となった。
ゆっくりではあるが、Boogie BoardもICTワールドに近づきつつあるのかもしれない。
そんな時期にタイミングを合わせてか、昨今、中国の深センに本拠をおく複数の海外企業からパッと見、同じような結果を出してくれる手書き電子ボードが数多く登場してきた。
今回紹介する「電子パッド デジタルペーパー」は、そんな他社製品の中でも最も強力なモデルだ。

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