ペロッと舌を出した瞬間を狙え!
黒猫を黒猫らしく撮るコツは目か舌が出ていること。
おととしのこと、尾道を歩いてたら舌は出てないけど、その代わり真っ赤な首輪をつけてくれてる黒猫と出会った。お地蔵さんが首に巻いてるような感じだったけど黒と赤って似合いますな。
猫がちょっと上を向いてくれたので目に光が入り、黒とのコントラストが際立った。これ大事。
これが黒猫がにゃあと鳴いた瞬間だったりすると、黒い毛の中に黄色い目と赤い舌と白い歯が全部見えるのですごくいい感じになる。
光の加減も重要で、黒い毛と目のコントラストを見せるには目にほどよく光が当たっていてほしい。そうすると目の力が出る。
って考えると、日陰にいて日向の方を向いている猫なんて最高なわけである。
身体は日陰なのでより黒く写るし、目は暗いところから明るいところを見ているので光が当たってより明るくなる。
先日たまたまそういうシチュエーションの黒猫に出くわした。
屋根の上にちょこんと乗ってる黒猫を見つけたのだけど、よく茂った葉っぱの影に隠れててなかなか姿を見せてくれない。
なんとか撮りたいなと良いアングルを求めてうろうろしてたらちょうど猫の顔が見える角度があったのだ。
くわっと目を見開いて「なんかあやしいヤツに見つかったぞ」って表情とともにお楽しみください。
黒猫を撮るときに注意すべきポイントはもうひとつある。黒をしっかり黒く撮ること。
カメラってオートだと画面全体の明るさの分布を見てどんな明るさで撮るか判断するのだけど、それだと黒猫がいい明るさで撮れてくれないことがあるのだ。
特に黒猫をアップで撮ると、画面に黒い(つまり暗い)ところが多いので、カメラ側が「おっとこのままじゃ暗く撮れすぎちゃう、明るくしなきゃ」と余計な気を利かせて不自然に明るく撮れることがある。
そういうときはマイナスの露出補正をうまく使うこと。前ページの冒頭写真は黒猫の顔アップなので、普通に撮っては不自然にグレーな猫に撮れちゃう。そこで、-2.3の露出補正をかけて撮影した。
露出補正はどのカメラも持っている機能なので、黒猫の黒が明るすぎず暗すぎずのいい感じになるよう調整すべし。
さて最後の1枚は、黒猫ならではの光と影写真。
キジトラの斜め後ろに「影のように」同じポーズのクロネコがいたのだ。
後ろからぬーっと影が分身した的な物語を想像して楽しんでくださいまし。
そんなわけで今回は黒猫三昧でありました。
ポイントはぎゅっと締まった黒に黄色い目がキラリ、であります。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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