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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第169回

まだまだ新しい体験があったことがわかったiPad Pro&iOS 11

2017年06月21日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

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iOS 11のデモで、次元が1つ加えられた感覚に

 WWDC 2017の基調講演でiPad Proを紹介したプレゼンテーションは、iOS 11の話の途中に入りました。秋の新型iPhone登場直前に正式版がリリースとなるであろうiOS 11には、おそらく新型iPhone由来の機能も盛りこまれているでしょうが、iPadほど劇的に変化するわけではないだろうと思います。

 それだけに今回のレビューもiOS 11でやりたかった、という悔しさもあるのですが。

 WWDC 2017の基調講演後のハンズオンでは、iOS 11を導入したiPad Proが展示されていました。そこで気づいたことは、コンピュータを操作する上での大きな変化でした。

iOS 11を導入したiPad Proでの、2本の手の指での操作。選択した写真をドロップするアプリへ切り替えるため、写真を押さえていない別の手を使うという操作方法です

 我々はパソコンもスマホもタブレットも、これまで1つのマウスカーソル、1本の指先を基本にして操作しており、複数の指でのタップやスワイプは、なんらかの機能性を持たせたジェスチャーという扱いでした。

 しかしiPad向けのiOS 11では、片方の手の指で操作しながら、もう片方の手の指での操作を行う仕組みが導入されていました。この感覚がとても新しく、新鮮に感じたのです。

 操作の手順上、2つの手の指を利用するという話ではありますが、iPad向けのiOS 11で初めて、2本の手を駆使して操作する前提が敷かれたのです。

 まだまだ、ドラッグ&ドロップ時の選択や、Dock内に収納されているアプリを取り出すなど、限られた場面での活用ではありますが、2つのフォーカスポイントをUIに持ち込んだのは、新しいなと振り返ることができます。

 ディスプレイの応答速度や2本の手でのオペレーションなど、これだけ成熟してきたタブレットを含むスマートデバイスにも、まだまだ新しい感覚というものが残されているのだなと、実感した経験でした。

 特に操作方法については、慣れをともなって「使いやすい」という感覚が生まれるため、多くの人にとって、すぐになじみ深いものになるとは思いませんが、AR・VRも含めて、新しいコンピュータの使い方へと、大きく移行していくタイミングに来ているのかもしれません。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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